前回、日本性科学会の40歳以上対象の性調査について分析を書きました。「中高年セクシュアリティ調査」です。
すると週刊ポストさんからその調査について取材の依頼がありました。
セックスレス夫婦、女性の自然な欲求
調査結果を受け『おひとりさま超熟女の恋は不倫が7割』という挑発的なタイトル。男性誌なので、読者を煽る表現ですが、実際に旦那さんのEDにより、長年セックスがない中高年女性の性の欲求はどう昇華するかは切実な問題です。
30代でもう数年セックスがないというご夫婦が40代でいきなり復活という状況は多くはありません。ということは60代になっても復活は望めません。
男性は性産業やマスターベーションで解消しますが、女性の場合は快感というより「ぬくもりを感じたい」「女性として認められたい」「触れ合っていると安心する」という感情がありますので年を重ねて、人肌恋しくなる場合が出てきます。その自然な欲求にどう対応すればよいのでしょう。
60代独身女性の交際相手は既婚男性!?
週刊ポストが注目したのは60−70代の単身女性が交際している相手に既婚者が多いという結果です。67%がお相手は既婚者と回答しています。そのうち68%が結婚はしたくないと回答。そしてセックスを伴う関係が61%です。
そしてオーガズムを得られるかという設問には「いつも得られる」が39%。40−50代の2倍以上。中高年でお独り様になった場合、独身の男性を探すとなるとなかなか周りにはいない。女性の方が長生きで健康ですから。またこの世代の男性はさほどコミュニケーション力があるわけではないのでサークルやコミュニティに積極的に参加して友達を作ろうとする方はそれほど多くありません。女性の方がずっと友達作りにたけています。よって、独身男性の恋人を見つけにくいからこのような結果になったのではないでしょうか。
性の欲求と将来どう付き合っていくか?
現在、30代、40代でパートナーとのセックスレスに悩んでいる女性の方々は30年先を想像しておかなければなりません。
加齢によって性の欲求はなくなるだろうと我慢したりあきらめていると、そうではない現実が訪れるかもしれないのです。
旦那さんが病気で亡くなられたり、あるいは熟年離婚で一人になったとき「ぬくもり」が欲しくなります。現在、単身の40代も、セックスレスで悩んでおられる40代も、自分の女性の部分に目を向けて、性の欲求と将来どう付き合っていくかを意識しておくとよいと思います。
パートナーのEDにお悩みの方は、ご一緒に性科学会の調査をご覧になると話題作りのきっかけになります。
【参考】週刊ポスト11/14日号
○40代から二極化する、妻達の性に対する本音
http://allabout.co.jp/gm/gc/389196/
【参考】中高年セクシュアリティ調査
調査期間:2011年1月〜2012年12月
調査対象:関東在住の40歳から79歳までの男女
平均年齢:男性59.5歳、女性57.2歳
有効回答:1162人