前回のセックスレス夫婦の妻が抱える夫に気づいてほしい悩みとホンネに引き続き、セックスレス夫婦が心の奥底でどんな気持ちを抱いているのか、夫婦のズレはいかにして生まれるのかを、調査結果から読み解いてゆきましょう。
自分からは求めにくいセックスの意思表示
「自分からセックスを求めることはありますか」という設問で、自分からは求めないという妻が40代で68%。50代で76%いました。この世代の男女は男性主導型です。性の意思表示は男性がするものという概念。女性から求めるのははしたない、恥ずかしい事と思うのでしょう。
前回述べましたが「夫が求めてくれないと寂しく感じる」は2割強ですから「抱かれたくても言い出しにくい妻」が存在するという事になります。私が運営する夫婦仲相談所には圧倒的に妻側の不満の方が多いのです。
「セックスの意思表示を夫がしないのでずっと待ち続けて4年経った」とか「求められなくて数年。やっとの思いで、セックスしたいと言ったらドン引きされた」という寝室での夫婦のすれ違い相談が後を絶ちません。
拒否で傷ついた夫は妻を異性視しなくなる!?
一方、男性週刊誌では熟年になってもどんどんセックスをしようじゃないかの特集が人気です。これも、もし妻側が嫌がっていたらどうでしょう。夫婦の距離は益々開きます。
妻側は性の欲求があるのかないのかそれとなく夫に伝えなければなりません。長年セックスがない場合、夫は「妻はしたくないのだろう」と勝手に思い込み、外に目を向けたり、一人でしたりします。
また、男性週刊誌に煽られた夫が「いざ!」と誘ってきても「今さら無理」とはね退けたりすると、男性のプライドは傷つきます。妻を女性として見ることを諦めるようになります。それはそれで悲しい事です。
完全拒否ではなく幅や含みをもたせて伝えるのが大事
受け入れたくないのであれば、完全拒否するのでなく、こうしてくれればできる、これとこれならしていいと具体的に伝えてあげてください。男性週刊誌の特集を一緒に見ながららでもいいでしょう。
「こんな激しいこと、私はできない」と伝えることも必要です。ただし、拒否するだけでなく、含みを持たせるように。
性的関係がずれたまま年を重ねてゆくのは、潤いがない日々になりそうです。何度も言いますが性的関係とは、挿入を伴う性行為だけを指しているのではありません。スキンシップ、セクシーなキス、愛を込めたハグなど広い意味での行為です。
次回は「夫婦のズレ」をジャンル別に列挙してみます。