今回は、わが国のEDやセックスレスの問題が抱えている根本的な部分、問題の本質について考えてみたいと思います。
これをテーマにするにあたり、私は師と仰ぐ浜松町第一クリニックの竹越昭彦院長先生が2014年に行った、「EDの夫・彼氏を持つ500名の女性へのアンケート調査」を思い出しました。
このアンケートの結果を私なりに分析しながら、ED・セックスレスの問題の本質と、そんなパートナーを持って悩んでいる女性の幸せ、そのご夫婦・カップルの幸せについて考えてみました。
我が国のセックスレス問題の本質的な闇
「夫・彼氏が ED である(あった)ことをどう思いますか?」という質問をしてみたところ、全体の約4分の1の25.4%の方が、「ネガティブに捉えている」と答えています。
しかし、6割の人がなんとも思っていない。
ここに我が国のセックスレス問題の闇が隠れているような気がします。
「平気」なのは仲が冷めている証拠かもしれない
年齢、健康状態にもよりますが、本来、パートナーがEDで満足ゆく性交渉が成り立たない場合「寂しい」と考えるのが望ましい、というのが私の持論です。それなのに6割は平気。
パートナーがEDで「おもしろくないセックスしなくていいからラッキー」なのか「セックスせずとも信頼関係があるからよい」「夫とはマンネリだからよそでしたい」のか理由はそれぞれでしょう。
この調査でも「ED以外に嫌なところが目につくようになった」という回答が7割です。夫婦仲が冷めていると、夫がEDになってもなんともないということです。むしろ誘われなくて嬉しいのでしょう。
性的対象と見られることは、女性にとって大きな価値
しかし「夫・彼氏が ED であることによって、自分の自信をなくしたことはありますか?」という設問に、43.2%の人が「はい」と答えています。
「勃起しないのは私に魅力がなくなったから?」
「私の体型がおばさんになったから?」
「勃起しないのは私に魅力がなくなったから?」
「膣がゆるんで気持よくないからしたくなくなったの?」
「もしかして流行りの妻だけED?」
など”性の対象でなくなった敗退感”が生じる場合もあるのです。
今の時代は40代、50代、60代でもいきいきとして、女性現役の艶っぽさを放つ方々が多数。パートナーが勃起しないのは「私がいけてないから」という思考回路になっても仕方ありません。異性に性的対象と見られることは、女性にとって大きな価値と捉えるのも当然です。
パートナーとの行為は女性としての自信・愛の確認
男性が気になる設問もあります。
「(夫や彼の)ED が原因で、浮気・不倫をしようと思ったことはありますか?」という問いで、25.6%の女性が「不倫をしようと思った」と答えています。
これは男性側からすると「それは性欲が強すぎるからだ」と思われるかもしれません。先ほど述べたとおり、そんな単純なものではないということをわかっていただきたいものです。
EDセックスレスに関しては「夫とはしたくない妻」にとっては万々歳ですが、「夫のことが好きな妻」にとっては重大で深刻な問題です。彼女たちにとって、パートナーとの行為は性的満足だけでなく、女性としての自信・愛の確認に他ならないからです。
夫がED・セックスレスでも損しない女の人生とは
さて、前者「夫とはしたくない妻」の存在が竹越先生の調査でこれだけ多いことを、夫のみならず妻の方も考えてみる必要があります。
EDにならなくても夫の嫌なところが目につくというわけですから「幸せな結婚生活」とはほど遠い。セックス以外の関係性を振り返り、改善しておくときっと豊かな愛溢れる老後を過ごすことができるはずです。
人生もはや90年。30代、40代ごときで「夫が嫌」という感情を持つと、あと50年「超つまらない」。
なんだか損した気分になりませんか。
EDを通して二人の将来を見つめ直す。これはいいキッカケです。
・なぜ夫はEDになったのか
・なぜ夫のEDが気にならないのか
・なぜ夫のEDを直して欲しいと思うのか
・なぜ夫がEDになった時、不倫したのか
「夫のED」は天が与えし踏み絵と捉え、残されし50年の結婚生活を考えなおしてみましょう。
損しない女の人生とは何かを、EDが教えてくれます。
浜松町第一クリニック:ED調査
調査対象:全国の20歳~49歳までの女性500名
(「夫・彼氏が ED もしくは ED の疑いがある」という人 &「夫・彼氏が ED もしくは ED の疑いがある」人と交際していた人500名)
https://www.hama1-cl.jp/internet_research/int_enq_wife.html