セックスレスを助長する年齢と性の価値観

30代頃から夫のED、あるいはセックスレスに悩む女性が増えてくると感じています。女性側も年々年を重ねると身体も変化し、気持ちも「それほどしたくない」と考える方も出てきます。

熟年期の夫婦

時に日本は「女性の若さに価値がある」という風潮が垣間見えるお国柄。セックスに対する自信が消沈してくる女性の方のお悩みをよく聞きます。

フランスから届いた熟年世代の性に関する革新本

さて、ではでは性に開放的と思われるフランスの女性はどうなのでしょう。「女性とワインは熟するほど味を出す」はフランスで生まれた名言ではなかったでしょうか。

セックスアンドザシックスティーズ表紙

フランスの心理学者マリー・ド・エヌゼルさんがシニアの性に切り込んだ本『セックス・アンド・ザ・シックスティーズ』を出版しました。熟年世代が性的に老いを迎えたことに気づき、人生後半をどう過ごしていくのかを考える。「なくていい」ではなく「どう向き合うか」と意識する方が多い点が日本より進んでいると感じます。実際のシニアの方々のインタビューを交え深く分析しています。

私は翻訳版の帯を依頼され、原稿を一気に読みました。
「おばちゃんより若い女性がもてる」「セックスは若いひとのためのもの」「セックスは新婚の時にするもの」etcと後ろ向きな日本女性にとってはは嬉しい情報がずらり。

私選 熟年期のセックスレスに関する深イイ言葉

この本の中から、私が特に感銘を受けた熟年期セックスレスに効きそうな深い言葉を紹介します。

深い言葉その1

“パフォーマンス重視のセックスにこだわるな”

私のところへ寄せられる相談を聞いていますと、熟年世代でなくとも、過去のセックススタイルにこだわり、こうしなければならない的觀念にとらわれている場合が見受けられます。

勃起せねばならない。濡れなければならない。挿入しなければならない。声をださなければならない。そして「イカねばならない」「イカせなければならない」。この自分たちのこだわりから開放されてこそ、安心したリラックスセックスができるのです。

性欲を発散させるためのセックスでなく、相手と一体感を味わい、思いやりをわかち合うようなセックスにシフトする。これを意識すればEDだとか不感症だとかジャッジしなくてもよくなります。

次回も続きをお伝えします。

セックスアンドザシックスティーズ表紙『セックス・アンド・ザ・シックスティーズ』
マリー・ド・エヌゼル著 二松まゆみ 帯