裁判所日本が医療制度のモデルとしている国、ドイツで起きた裁判のニュースです。ドイツの連邦裁判所は、「バイアグラなどのED治療薬の費用を、医療保険で支払う義務はない」という判決を下しました。

保険会社が勝訴
この裁判は、多発性硬化症の男性がED治療薬の費用を負担するよう、保険会社に対して起こしていたものです。しかし裁判所は、「ED治療薬はいわゆる生活改善薬であり、保険会社に支払いの義務はない」と判断し、男性の訴えを退けました。また、難病患者である男性からの要求を保険会社が拒んだことについても、「差別的な要素はない」としました。

ED治療薬は生活改善薬
公判で保険会社側は支払いの拒否の根拠として、2004年の医療保険制度改革を挙げていました。この新制度では、ED治療薬をはじめとする生活改善薬について、保険会社が費用を負担する必要はないとされています。

先進国では、勃起の維持を助け「生活の質」を改善させるED治療薬の処方は、保険の対象と判断されている国が多い中、「生活の質」に対する各国の思い入れの差がうかがえる判決となりました。