- 人物紹介:順天堂大学医学部附属 順天堂医院 医学博士 久末伸一
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順天堂大学医学部附属 順天堂医院で「メンズヘルス外来」、また、メンズヘルスクリニック東京にて男性更年期(LOH症候群)に取り組んでおられ、メンタル、性機能あらゆる分野で悩む男性患者さんのために日々向き合っておられます。
メンズヘルスクリニック東京
http://www.menshealth-tokyo.com/
順天堂大学医学部附属 順天堂医院
http://www.juntendo.ac.jp/hospital/
女性が知りたいパートナーのED事情 vol.5
第3章 新しいED1000での治療-第2話
久末伸一医師(以下、久末):ED1000による治療で、本当に印象に残っている患者さんがいまして、確か74歳の方だったと思うんですけど、ご主人と奥様とお二人でですね、ED1000の治療受けたいってことでいらっしゃったんです。
その時は、もう本当に夫婦仲が微妙だったそうなんですね。それまでは普通に性交できていたのに、ある時からご主人がEDになって、バイアグラを飲んでも挿入が出来ないと。
奥さんは冷たくなる。それでご主人が奥様の浮気を疑い始め凄く落ち込まれていたんですね。
三松真由美(以下、三松):ははあ。私の相談所でも多く寄せられる内容です。
久末:そうなると、二松先生のお話にもあったように、スキンシップがなくなって会話もなくなって、という悪循環になってしまって、最終的にはご主人が奥様の浮気を疑うようになってしまったんですよ。
三松:ほう!
久末:結局、奥様は浮気をしていなかったんですけれどね。
三松:奥様は高齢の方なのですか?
久末:奥様は70歳くらいだったと思います。
三松:浮気しているんじゃないかと?
久末:そうなんですよ。本当に、毎日疑心暗鬼になっていたみたいですね。
奥様のほうも精神科を受診されて本当にストレスを受けていたようですね。DVなんかも少しあったようで、非常に危険な状態だったわけですよね。
なので、じゃあED1000の治療やりましょうと。で、実際やってみたところ、これが劇的に効いたんです。
三松:すばらしいです。よかったです。
久末:それでまた性交が出来るようになったんですけど、もうビックリしたのがですね、最初いらっしゃった時は服装もみすぼらしいような格好で、まさに田舎のお爺ちゃんお婆ちゃんといういで立ちでいらっしゃったんですけど、ED1000の治療が全て終わって最初のフォローアップの時にいらっしゃったら、まるでもう別人なんですよ。
三松:人は満たさされると 外見もいきいきしてきますもの。
久末:はい。二人とも若々しい感じでしたね。ご主人はダンガリーシャツにスカーフ巻いていらっしゃいましたし、奥様は綺麗なワンピースをお召しでしたね。
三松:もう服装まで変わってしまうんですね!私のところでも最初は下を向いて涙を浮かべながらか細い声で相談をされるのですが、セックスレスが改善すると、「誰でしたっけ??」というくらいきれいになって報告にいらっしゃいます。
久末:そうでしょうね。とにかく喜んでいらっしゃったのが奥様のほうで。「これから二人で下着を買いに行くのよ」とか、嬉しそうに興奮気味にお話されるんですね。喜びが止まらないようで、もう赤裸々にですね、お二人の行為のことを僕にお話しされるんですよ(笑)
三松:あははは(笑) セックスは愛の潤滑剤。女性にとっても自信を持たせてくれますから。
久末:ご主人の陰茎が若い頃のように屹立していて、それで性交をするともう濡れて濡れて止まらないんだと。
三松:70歳の奥様が!?
久末:そうなんです!凄い(笑)。
三松:だからやっぱり大事なんですよ!女性もね、年齢を重ねてからだってセクシャルな行為をしたほうが良いんです。挿入ありきじゃなくても肌を触れ合うだけでいい。若々しくいられるじゃないですか。
久末:言ってみればED1000が、夫婦仲の架け橋になったということで。この話をイスラエルのED1000の会社の社長さんにもしてあげたら、凄い感動していましたよ。
三松:素晴らしい治療効果です。だから私は年齢を重ねてもセックスは大事って言ってますけど、まさに!女性がいきいきして綺麗でいられるっていうのは、セックスの賜物かなって思いますね。
もちろんそれだけじゃないですが、異性に求められると単純に承認欲が満たされます。女性として見られているという。
久末:そうですよね。
三松:だから35歳くらいで、「もういいわ、あんなのしたくない」って言っちゃうっていうのはとても勿体ない。だって人の三大欲求のひとつですからね。そのためにも男性には頑張って頂きたいものだなとも同時に思うんですけどね。
パートナーに拒まれないセックス。女性側が拒む原因は半分は男性にあり。
久末:いやもう、その通りですよ。冒頭でお話ししたように、今までは70~80代の方っていうのは諦めることが多かったんですけども、勃起が出来なくなってしまうとセックスが出来なくなってしまうわけではないし、逆に勃起がまた得られる可能性っていうのが今は出てきていますから。さきほど言ったザルティアもそうですし、ED1000のような低衝撃波の治療もそうですしね。まだまだ出来ることというのは残されていますから。
三松:そうですよね!性の欲求がある女性にもこれで一筋の光が見えるワケですよ。逆に卒業と思っている女性にとっては「再開してみよう」という希望にもなります。
私、今日元気になりました(笑)!
久末:よかったです(笑)!
ガンになりやすいはもはや迷信!男性ホルモン(テストステロン)療法は安全です!
三松:テストステロンのことも聞けて良かった。私やっぱり気になっていたんですよ。熊本先生はずっとテストステロンておっしゃっていて、注射やクリームを塗ればそれでいいんだよとおっしゃるんですけど。その意見に反対する泌尿器科の先生もいらっしゃったりしますからね。
男性ホルモンあんまり打っちゃうと、ガンになりやすいからと。久末先生はそれについてどうお考えですか?
久末:テストステロンはですね、日によって高い日もあれば低い日もあるんですよ。
さっきの話にも出てきましたけど、前の日に深酒してしまうと、次の日に手術があるといっても頑張れなかったりしますから。だから40~50歳を超えてですね、最近疲れやすいなぁとか感じるようになったら補充するのは良いと思いますね。僕なんかは塗り薬を使っています。こういった塗り薬ですと自分で調節もできますしね。
三松:ああ、そうですか。なるほど。
久末:塗り薬はテストステロンの血中濃度の上がり方がおだやかで良いんです。注射だとものすごい上がり過ぎちゃうんですよ。それを繰り返しているとですね、脳の下垂体が抑制されてしまって、精巣の機能を上げようとするホルモンが出なくなってしまうおそれがありますから。そうなると精巣が萎縮してしまうんですね。それも弊害のひとつなんです。
塗り薬ですと毎日塗りますので。テストステロンて朝方に高くて夕方低くなるものなんですね。なので、朝方に塗って、上げてあげるのが良いんじゃないかと思います。
三松:そうなんですね。
久末:あと、朝方に高くて夕方に低くなるという日内変動の話でいいますとですね、朝セックスをするといいんじゃないかと思います。
三松:わおー!!それはまたどうしてですか?
久末:どうしてかと言いますと、男性ホルモンていうのは、朝高くて夜になるともうドン底なんですね。夜のそういった疲れ切ったときにご主人に求めても、なかなか難しいんです。それよりも、土曜日とか日曜日の朝にしていただくと。夜間寝ている間に上がるんですよ、テストステロンというのは。だから徹夜明けなんて激下がりしてるんですよね。
ですから僕も学会の前なんていうのは発表の準備で寝れない日が続いたりなんかしますと、クリームを少し塗ったりして次の日に備えたりっていうのはありますね。
三松:どちらに塗るんでしたっけ?睾丸でいいんですか?
久末:そうですね睾丸に。陰嚢は皮膚が薄いうえに面積が広くて吸収がいいので最適ですね。
三松:これはその、他の泌尿器科の先生によく聞く「ガンになりやすいから良くない」という点に関して、塗り薬だったら大丈夫そうなんですか?
久末:基本的にですね、テストステロンがガンになりやすくするというのは、もはや迷信でしかないです。実はですね、2年前にイギリスで大規模な検討が行われまして、20年間テストステロンを投与したらどうなったかという調査の結果が出たんです。20年間の投与で前立腺のガンがどのくらい出たかと言いますと、だいたい200人に1人という結果だったんですね。で、これは一般人口の、男性ホルモンを投与していない男性の発症率とだいたい同じなんですよ。
三松:そうなんですか!それを教えてくださればいいのにねぇ~。
久末:ですから男性ホルモンの継続的な投与が前立腺ガンの発生率を上げることはないんです。
三松:そうなんですね!なるほど、分かりました。
久末:ですから今はもう迷信でしかないんです。もちろん前立腺のガンがないという人を対象にした調査ですので、もともと(前立腺ガンが)あるという方については悪くする可能性がありますから。PSAというですね、採血をして頂くだけで前立腺ガンがあるかどうか分かりますから。
三松:腫瘍マーカーで分かるんですね。
久末:女性の乳ガンで、女性ホルモン投与がよくないっていうのが問題になった理由のひとつは、腫瘍マーカーがないことが大きな理由なんですよね。ただ、男性の場合はPSAという腫瘍マーカーがありますので。これは非常に鋭敏で、前立腺のガンを見つけることに関してはもう超一級の腫瘍マーカーですから。だから男性はすごくラッキーだと思うんですよ。
三松:なるほど。
久末:だからPSAさえ調べて、前立腺ガンがないことが確認できれば、発生などは心配せずに安心して男性ホルモンの補充を受けられますから。
三松:あぁそうだったんですか。もう男性更年期障害とかでね、鬱っぽくなったりしたときはテストステロンの治療は良いっていうことですもんね。
久末:そうですね。
久末先生から、女性に向けてのメッセージ
三松:なんかもう今日はいろいろ聞けて本当に勉強になりました!
じゃあ先生、最後に全国の女性に向けて何か言いたいことございますか?
久末:僕が言いたいのはですね、基本的に男性っていうのは、なんかこう威張ってますけど非常に弱いんですよね。特に本当に女性と比べてもですね、男性はナイーブだと思います。それは勃起にもよく表れることなんですけれども、ちょっとした言葉とかに傷ついて、あっという間に萎えたり勃起が出来なくなってしまったりするんですね。
三松:ですね~。
久末:ですから男性っていうのはか弱い生き物なので先程言いましたように、優しく誉めて持ちあげて頂けると、お互いに凄くハッピーになれるんじゃないかなと思いますね。
三松:美しい!!でも本当に、私がこれまで本に書いてきた事とも合ってますもんね。
久末:三松先生が観察されてきた事というのは本当にその通りで、やはり真理だと思うんですよ。で、その裏がちゃんとあるというのは、そういうことなんだと思いますよね。
三松:やっぱりセックスレスのカップルって女性の方が強い感じがするんですよ。
うーん、やっぱりそうですね。
そこはじゃあ、久末先生からということで、全国の女性たちに伝えさせて頂こうと思います。
ありがとうございました。