一般的に2年以上避妊なしで性交しても妊娠しない場合、「不妊症」と診断されます。日本では夫婦の8組に1組は不妊に悩んでいるそうです。不妊クリニックの数も約600件に上り、これは世界一の数字だと言われています。
男性不妊症
日本では未だに「不妊の原因は女性にある」という見方が強く、男性側の対策はほとんどなされていないのが現状だといいます。しかし、WHO(世界保健機関)のデータによると、実際は男性側に原因のあるケースが約半数に上っており、「男性不妊症」が大きな問題となっているようです。
男性の10人に1人は精子に問題あり?
実際、男性の10人に1人は精子に問題を抱えていると言われています。最も多いのは、精子の数が1ml中2000万個を下回る状態を指す(一般に自然妊娠には4000万以上必要)「乏精子症」だそうです。他にも精子中に精子が見あたらない「無精子症」や精子の運動率が低い「精子無力症」、「ED(勃起障害)」などが男性不妊の原因になっているそうです。
男性の精子は、35歳頃から老化が加速する女性の卵子と比べ、加齢による影響は緩やかです。しかししっかり精子をケアしないと、精子の質と量が低下する恐れがあるといいます。「日本では男性不妊の専門家が極めて少なく、この問題に対する意識が低い」と『男性不妊症』の著者で、男性不妊を専門とする石川智基医師は話しています。
精子を守るために
では、どうすれば精子を守れるのでしょうか?石川先生によると、まず避けるべきは、喫煙。そして精子は熱に弱いため、長時間のサウナや、膝上でのノートPC使用も控えた方がいいといいます。そしてパンツは、ブリーフより通気性のよいトランクスがお薦めなのだそうです。さらに、自転車やバイクに乗りすぎると、不妊リスクが高まるとの研究結果もあるそうです。
子どもは作る気になったらできるもの、子どもができるのは当たり前。まずはそんな常識を捨てることから始め、早め早めの対策が必要と言えそうです。