男性ホルモンが低下が、LOH症候群(男性更年期障害)やED(勃起不全)などの様々な症状を引き起こすことは知っている方もいるかと思いますが、今回「男性ホルモンの分泌量が低ければ、EDの原因の一つでもある糖尿病を患うリスクが高い」という研究報告を英国の研究チームがまとめたそうです。
雄性ホルモンとインシュリンの関係
英エディンバラ大学の研究者は「DIABETES」誌で、「ラット実験で、雄性ホルモンの分泌量が低下すると、インシュリン抵抗性の症状が表れることが分かった」と報告しました。インシュリンは血液中の糖分を吸収しますが、インシュリン抵抗性が表れると、正常に機能しなくなります。このインシュリンが正常に機能するかどうかは糖尿病疾患に重要な役割を果たしているのです。
この結果を受けて、「これまで糖尿病を患う第一の原因は肥満だと言われてきたが、今回の研究結果で、体重問わず、雄性ホルモンの低下が糖尿病のリスクを引き上げることがわかった」ということです。
RBP4の含有低下で糖尿病リスク減か?
同研究では、雄性ホルモン低下によるインシュリン抵抗性が表れたラットはRBP4と呼ばれるタンパク質の含有が高まったことが判明しました。このため、このRBP4の含有を低下させれば、糖尿病にかかるリスクを下げられる可能性があると報告されました。研究チームは今後、糖尿病患者を対象に、糖尿病が発症する過程で同タンパク質がもたらす作用を研究するとのことです。