現在はED(勃起不全、勃起障害)治療といえば、バイアグラ、レビトラ、シアリスの服用による治療が主流ですが、糖尿病由来のEDの場合、ED治療薬が効きにくいことがしばしばあるそうです。そこである医療チームが糖尿病性ED患者に対してICI療法(陰茎海綿体注射療法)を試み、その有用性を検討することを目的とした検証が行われました。
ICI療法の解説
10分後に80%以上の患者が勃起
検証は28歳~81歳の糖尿病性ED患者を対象に行われました。まず初めに行なったオフィステストでは、この対象者の問診票やED歴を考慮して、薬液を調合し、実際の処方量の7~8割程度の薬液を医師が陰茎に注射しました。
その結果、テスト実施後10分後、完全勃起が得られたのは121例中75例(62.0%)、挿入可能な勃起を得られたのが27例(22.3%)、無効は19例(15.7%)でした。
糖尿病でも自己注射で性交に満足
このオフィステストの際に、自己注射法の実技、留意点などの指導を行い、実際に処方に至った例は110例(90.9%)。その後自己注射により性交に「十分に満足した」が63例(57.3%)、「満足した」44例(40.0%)、「満足に至らなかった」3例(2.7%)でした。この3例は薬液が十分に陰茎内に入る前に、注射筒を抜いてしまったためでした。
このことから、糖尿病性EDに対してICI療法を用いることにより満足のいく結果が得られました。また、その他の器質性EDなどで、ED治療薬が効かない症例に対しても、ICI療法は有用である治療法ではないかということです。
ペニスに注射を打つということは勇気がいるかと思いますが、ED治療薬が効きにくい、飲めないという方は検討してみる価値がありそうです。