9月29日から10月1日の3日間、岡山県倉敷市において日本性機能学会の第22回学術総会が開催されました。
テーマは「ラブ・サイエンス」
日本性機能学会とは、インポテンス研究会を前身として1978年に組織された、長い歴史をもつ由緒正しい学会のことです。
今回で22回目を数える日本性機能学会主催の学術総会は、テーマを「ラブ・サイエンス」と題し、男女の幸福な性を科学するという方向性に基づいて、様々な研究発表や講演が行われました。性機能学というと、とかくED・勃起不全・勃起障害のみに目を向けられ、医学的な研究であるにも関わらず偏見めいた捉え方で誤解されがちな傾向がありますが、今学会の内容は、そういった狭く偏った見方を改めるのに十分な内容の豊かさと濃さを感じさせてくれるものでした。
私たちの生活に深く関わる性機能学
まず、開催初日の特別講演では、脳科学的なアプローチで、男女の脳の性差についての発表がなされたほか、糖尿病、肥満、前立腺がん、男性の草食化や女性の性機能障害など、枚挙に暇ないほどバラエティに富んだ内容が講演テーマとして並んでいました。このことからも、私たちの生活に身近な事柄は、私たちが思っている以上に性機能学に関係が深く、それらも含めたうえでの性機能学なのだということがよく分かります。
連日の講演には、日本国内の有名医大教授らが、EDやED治療、あるいは先ほど挙げた幅広い関連事象についての興味深い研究結果を報告したほか、海外からも講師として性機能学に精通した医学博士を招き、同時通訳を交えての講演が行われ、海外でのED治療の現状や、経口ED治療薬とそれ以外のED治療薬を混用した治療方法の効果などが紹介されました。各講演や研究発表の後には、会場にいる学会員医師らから質問が飛び、演題に対するさらなる情報共有や、新たな課題発見につながる議論が交わされるなど、白熱した空気が会場を包んでいました。
日本のED治療はまだまだ研究すべきことが多いのは明らかです。しかし、こういった学会があり、粘り強く熱心な研究者がいてくれるおかげで、ED治療は日々進化を続けていきます。今以上により良い治療法や治療薬が日本で発見され、世界中に広がっていくことも夢ではないことを感じさせてくれる学会でした。
今回のこの学術総会での詳しい内容は、後日このトピックスで順次ご紹介していきます。