ナシビン点鼻薬(鼻づまり治療薬:オキシメタゾリン)
ナシビン点鼻薬(Nasivin / Nasivion)は、有効成分オキシメタゾリン塩酸塩0.05%を含有する血管収縮性の点鼻スプレーです。鼻粘膜の血管を速やかに収縮させて鼻づまりを解消し、噴霧後数分で効果が現れ始め、最大12時間にわたって鼻腔の通りを維持します。
局所作用型の薬剤であるため、内服の抗ヒスタミン薬のような眠気が生じにくく、日中の仕事や運転中でも使用しやすい点が特徴です。風邪、花粉症、副鼻腔炎(蓄膿症)など、さまざまな原因による鼻づまりに幅広く対応します。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
ナシビン点鼻薬の概要
- オキシメタゾリン塩酸塩0.05%配合の血管収縮性点鼻スプレー
- 噴霧後数分で効果発現、最大12時間持続
- 眠気を起こしにくい局所作用型の薬剤
- 風邪・花粉症・副鼻腔炎など幅広い鼻づまりに対応
- 1本10ml入り
ナシビン点鼻薬の製造元はメルク(Merck KGaA、ドイツ・ダルムシュタット)です。メルクは1668年創業の世界最古級の製薬・化学企業であり、ヘルスケア、ライフサイエンス、エレクトロニクスの3事業を世界各国で展開しています。
ナシビンは同社のコンシューマーヘルス部門の製品として、多くの国で販売されてきました。
| 商品名 | ナシビン点鼻薬(Nasivin / Nasivion) |
|---|---|
| 有効成分 | オキシメタゾリン塩酸塩(Oxymetazoline HCl)0.05% |
| 内容量 | 10ml(1本) |
| 効果・効能 | ・鼻づまりの緩和(風邪・花粉症) ・副鼻腔炎の症状緩和 ・アレルギー性鼻炎に伴う鼻閉の改善 |
| 用法・用量 | 各鼻腔に1〜2回噴霧、1日2〜3回(10〜12時間以上の間隔) |
| 主な副作用 | ・鼻の刺激感・乾燥感 ・くしゃみ ・頭痛 |
| 形状・剤形 | 点鼻スプレー |
| 製造元 | メルク(Merck KGaA) |
Atsuナシビン点鼻薬は即効性に優れた鼻づまり治療薬ですが、連続使用は3〜5日間を目安とし、最長でも7日間にとどめてください。
使用期間を超えて使い続けると、鼻粘膜がオキシメタゾリンに対する感受性を失い、「薬剤性鼻炎(リバウンド鼻づまり)」を引き起こすことがあります。
これは薬を使わないとかえって鼻づまりが悪化する状態であり、治療に時間がかかる場合もあるため注意が必要です。
花粉症など長期間にわたる鼻づまりには、第二世代抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン、レボセチリジンなど)の内服やステロイド点鼻薬が治療の基本となります。
ナシビンは症状が特にひどいときの短期的な補助薬として位置づけましょう。
眠気を起こしにくい点は大きなメリットですが、使用日数の管理が最も重要です。
ナシビン点鼻薬はこんな方におすすめ
- 風邪や花粉症でひどい鼻づまりに悩んでいる方
- 内服薬の眠気が気になり、日中に使える鼻づまり薬を探している方
- 副鼻腔炎(蓄膿症)の鼻閉感を速やかに解消したい方
- 就寝前の鼻づまりで睡眠の質が低下している方
ナシビン点鼻薬の有効成分について
ナシビン点鼻薬の有効成分はオキシメタゾリン塩酸塩(Oxymetazoline Hydrochloride)です。オキシメタゾリンはイミダゾリン系のα-アドレナリン受容体作動薬(交感神経刺激薬)に分類されます。鼻粘膜の血管にあるα₁およびα₂アドレナリン受容体に作用して血管を収縮させ、粘膜の腫れを抑えて鼻腔の通りを改善する薬剤です。
鼻づまりは、炎症やアレルギー反応によって鼻粘膜の血管が拡張し、粘膜が腫脹することで起こります。オキシメタゾリンはこの拡張した血管を直接収縮させるため、鼻づまりに対して速やかな効果を発揮します。噴霧後数分で効果が現れ始め、最大12時間にわたって持続するのが特徴です。
オキシメタゾリンは鼻粘膜に局所的に作用するため、全身への吸収は限定的であり、内服の抗ヒスタミン薬でみられるような眠気やだるさが生じにくい点がメリットといえます。
Atsuオキシメタゾリンは鼻づまりに対する効果が非常に高い成分ですが、連続使用すると鼻粘膜の血管がα受容体の感受性低下(ダウンレギュレーション)を起こし、薬への反応が鈍くなっていきます。
その結果、薬の効果が切れた際に鼻粘膜の血管がかえって拡張しやすくなり、使用前よりも鼻づまりが悪化する「リバウンド現象(薬剤性鼻炎:rhinitis medicamentosa)」が生じます。
この悪循環は使用日数が長くなるほど起こりやすくなるため、注意が必要です。
連続使用は3〜5日間を目安とし、最長でも7日間までとしてください。
7日間使用した場合は、少なくとも同程度以上の休薬期間を設けることが望ましいでしょう。
花粉症やアレルギー性鼻炎など慢性的な鼻づまりの治療には、鼻噴霧用ステロイド薬(モメタゾン、フルチカゾンなど)や第二世代抗ヒスタミン薬のほうが適しています。
ナシビン点鼻薬の効果・効能
ナシビン点鼻薬は以下の症状における鼻づまり(鼻閉)の緩和に使用されます。
- 急性鼻炎(風邪に伴う鼻づまり)
- アレルギー性鼻炎(花粉症、ハウスダストなど)
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
- 上気道疾患における鼻粘膜の充血・うっ血の緩和
| 効果発現時間 | 噴霧後 数分以内 |
|---|---|
| 効果持続時間 | 最大12時間 |
| 眠気の有無 | 生じにくい(局所作用型・抗ヒスタミン成分を含まない) |
ナシビン点鼻薬の使用方法
ナシビン点鼻薬は各鼻腔に1〜2回噴霧し、1日2〜3回使用します。
| 1回の使用量 | 各鼻腔に1〜2回噴霧 |
|---|---|
| 1日の使用回数 | 2〜3回 |
| 使用間隔 | 10〜12時間以上あける |
| 連続使用上限 | 7日間まで |
| 休薬期間 | 7日間使用後は最低2週間休む |
正しい使い方
- 使用前に軽く鼻をかんで鼻腔内を清潔にしてください
- ボトルを軽く振り、ノズルを片方の鼻腔に入れて2〜3回噴霧します
- もう片方の鼻腔にも同様に噴霧します
- 使用後はノズルを拭いてキャップをしっかり閉めてください
- 衛生上、他の方との共有は避けてください
Atsuナシビン点鼻薬は就寝前の使用が特に効果的です。
鼻づまりによる口呼吸は睡眠の質を大きく低下させますが、就寝前に使用すれば効果が夜間を通じて持続し、快適な睡眠を確保しやすくなります。
ただし、1日の使用回数は2〜3回を超えないようにし、使用間隔は10〜12時間以上あけるようにしてください。
鼻づまりが改善したら早めに使用を中止し、漫然と使い続けないことが大切です。
ナシビン点鼻薬の副作用
一般的な副作用
以下の症状は使用直後に一時的に現れることがありますが、通常は軽度で短時間で治まります。
| 副作用 | 症状の詳細 | 頻度 |
|---|---|---|
| 鼻の刺激感 | 噴霧直後のピリピリ・ヒリヒリ感 | 比較的多い |
| 鼻の乾燥感 | 鼻腔内が乾く感覚 | 比較的多い |
| くしゃみ | 噴霧直後のくしゃみ | ときにみられる |
| 頭痛 | 軽度の頭痛 | ときにみられる |
| 鼻水 | 反応性の鼻水 | ときにみられる |
薬剤性鼻炎(リバウンド鼻づまり)
7日間を超えて連続使用すると、薬剤性鼻炎(リバウンド鼻づまり)を引き起こすリスクが高まります。薬を使わないときにかえって鼻づまりが悪化し、薬に依存する悪循環に陥るおそれがあります。
- 連続使用は最長7日間まで
- 7日間使用後は最低2週間の休薬期間を設けてください
- 薬を増やしても効果が感じられなくなった場合は、薬剤性鼻炎の可能性があります
その他の注意すべき副作用(まれ)
- 動悸 ─ 心拍数の増加を感じる場合は使用を中止してください
- 不眠 ─ 交感神経刺激作用による入眠困難
- 血圧上昇 ─ 高血圧の方は慎重に使用してください
禁忌(使用できない方)
- オキシメタゾリンに対してアレルギーのある方
- 2歳未満の乳幼児
- MAO阻害薬を服用中または中止後2週間以内の方
ナシビン点鼻薬と他の薬との相互作用
ナシビン点鼻薬は局所作用の外用薬のため全身的な薬物相互作用は少ないですが、以下の薬剤との併用には注意が必要です。
MAO阻害薬(モノアミン酸化酵素阻害薬)
セレギリンなどのMAO阻害薬との併用により、血圧の急激な上昇(高血圧クリーゼ)を引き起こす危険性があります。
- MAO阻害薬との併用は禁忌です
- MAO阻害薬の中止後2週間はナシビンを使用しないでください
他の血管収縮性点鼻薬
ナファゾリンなど他の血管収縮成分を含む点鼻薬との併用は、効果の増強や副作用のリスクが高まります。
- 血管収縮成分を含む他の点鼻薬との同時使用は避けてください
抗ヒスタミン薬(内服)との併用
アレグラやザイザルなどの抗ヒスタミン薬(内服)とナシビン点鼻薬の併用は問題ありません。作用機序が異なるため、相乗的な鼻づまり改善が期待されます。
- 花粉症シーズンなど、抗ヒスタミン薬の内服と併用することでより効果的に症状をコントロールできます
ナシビン点鼻薬の注意事項
- 連続使用は7日間までとし、7日間使用後は最低2週間休薬してください
- 高血圧、心臓疾患、甲状腺機能亢進症、糖尿病の方は使用前に医師に相談してください
- 妊娠中・授乳中の方は使用前に医師に相談してください
- 2歳未満の乳幼児には使用しないでください
- 衛生上、家族であっても他の方とスプレーを共有しないでください
- 高温多湿・直射日光を避け、涼しい場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
ナシビン点鼻薬のよくある質問
ナシビン点鼻薬はどのくらいで効きますか?
噴霧後約1〜5分で鼻づまりが改善し始め、6〜8時間効果が持続します。
即効性に優れているため、ひどい鼻づまりで呼吸が苦しいときにすぐに効果を実感できます。
花粉症のシーズン中ずっと使っても大丈夫ですか?
連続使用は7日間までに限定してください。7日間を超えて使い続けると、薬剤性鼻炎(リバウンド鼻づまり)を引き起こし、薬なしでは鼻づまりが悪化する状態になります。
花粉症シーズンの長期的な鼻づまり対策には、抗ヒスタミン薬(アレグラ、ザイザルなど)の内服やステロイド点鼻薬が適しています。ナシビンは症状がひどいときの短期的な補助薬としてお使いください。
眠くなりますか?
ナシビン点鼻薬には抗ヒスタミン成分が含まれていないため、眠気は生じにくいです。
日中の仕事中や車の運転前でも使用できます。ただし、まれに頭痛やめまいが現れることがあるため、初めて使用する際は体の反応を確認してください。
花粉症の飲み薬と一緒に使えますか?
アレグラやザイザルなどの抗ヒスタミン薬との併用は問題ありません。ナシビンは鼻粘膜の血管を収縮させる局所作用型、抗ヒスタミン薬はアレルギー反応を全身的に抑える薬であり、作用機序が異なるため併用できます。
併用することで鼻づまりと鼻水・くしゃみの両方を効果的にコントロールできます。
子どもにも使えますか?
0.05%濃度のナシビンは2歳以上から使用可能ですが、小児への使用は成人より少ない用量で行い、保護者の管理のもとで使用してください。
2歳未満の乳幼児には使用できません。小児用に0.025%濃度の製品もありますが、メドノアでは取り扱っていません。
ナシビン点鼻薬に関連する添付文書等の参考資料
ナシビン点鼻薬の有効成分オキシメタゾリンに関する参考資料を以下に掲載します。