ルパフィン(花粉症・抗アレルギー薬:ルパタジン)
ルパフィン(Rupafin)は、花粉症やアレルギー性鼻炎、蕁麻疹などのアレルギー症状を改善するための第2世代抗ヒスタミン薬です。従来の抗ヒスタミン作用に加え、「抗PAF(血小板活性化因子)作用」を併せ持ち、鼻水やくしゃみなど即効性の症状だけでなく、しつこい鼻づまり(遅発相反応)にも効果が期待できます。
1日1回の服用で約24時間効果が持続するため、日中だけでなく夜間の症状にも対応可能です。従来の第1世代抗ヒスタミン薬で問題となっていた口渇や排尿障害といった副作用が起こりにくいのも大きなメリットです。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Yuu総合病院で院内薬剤師として勤務し、糖尿病病棟の担当や患者さん向けの講座開催を経験しました。その後は調剤薬局にて在宅訪問や無菌調剤にも携わり、幅広い現場での知識と実践を積んでいます。
また、食と健康のつながりを深めるため薬膳アドバイザーの資格も取得しています。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
ルパフィンの概要
- 抗ヒスタミン作用と抗PAF(血小板活性化因子)作用の二重ブロック作用でアレルギー症状を抑制
- 1日1回の服用で約24時間効果が持続
- アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎に伴うかゆみに対応
- 症状に応じて1回20mg(2錠)まで増量が可能
- 第2世代の抗ヒスタミン薬のため、口渇や排尿障害が起こりにくい
製造販売元であるアブディイブラヒム(Abdi İbrahim)は、トルコに本社を置く製薬会社です。一般治療薬から中枢神経系治療薬まで幅広い分野の医薬品を手がけており、世界各国への輸出実績があります。
| 商品名 | ルパフィン |
|---|---|
| 内容量 | 20錠 |
| 効果・効能 | ・アレルギー性鼻炎 ・蕁麻疹 ・皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒 |
| 有効成分 | ルパタジン 10mg |
| 副作用 | 眠気、倦怠感、口渇、便秘、頭痛など |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | アブディイブラヒム(Abdi İbrahim) |
Yuu従来のアレルギー薬(第1世代)は、アレルギーを抑えるだけでなく、体内の「アセチルコリン」という物質の働きまでブロックする抗コリン作用があります。
これが口の渇きや便秘、尿が出にくいといった症状の原因です。
ルパフィンなどの第2世代は、この抗コリン作用を最小限に抑え、アレルギーの受容体にピンポイントで働きます。
そのため、喉の渇きが気になる方や、前立腺肥大などで排尿に不安がある方でも使いやすい薬です。
ルパフィンはこんな方におすすめ
- 花粉やハウスダストによる鼻水・くしゃみ・鼻づまりにお悩みの方
- 蕁麻疹が繰り返し出てお困りの方
- 湿疹やアトピー性皮膚炎に伴うかゆみが気になる方
- 既存の抗ヒスタミン薬では効果が不十分と感じている方
- 1日1回の服用で飲み忘れを防ぎたい方
ルパフィンの有効成分について
有効成分のルパタジンは、体内でアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」の働きをブロックする第2世代の抗ヒスタミン薬です。ヒスタミンが受容体に結合するのを防ぐことで、鼻水やくしゃみ、かゆみといった不快な症状を和らげます。
ルパタジンのもうひとつ大きな特徴は「抗PAF(血小板活性化因子)作用」です。PAFはアレルギー反応の遅発相(数時間後に出る症状)で炎症を引き起こす物質で、鼻づまりや皮膚の腫れに深く関わっています。ルパタジンはこのPAFの働きも抑えるため、ヒスタミンだけを抑える薬に比べて、より幅広いアレルギー症状に対応可能です。
そのため、鼻水やくしゃみだけでなく、夜間の鼻づまりや皮膚の炎症を伴うアレルギー症状にも改善効果が期待できます。
ルパフィンの効果・効能
- アレルギー性鼻炎(季節性・通年性)の症状改善
- 蕁麻疹の症状緩和
- 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うかゆみの改善
ルパフィンは服用後およそ1時間で血中濃度が最大に達し、速やかに効果を発揮します。半減期は約20時間と長いため、1日1回の服用で安定した効果が持続しやすいのが特徴です。
Yuuルパフィンは、第2世代抗ヒスタミン薬の中でも「効き始めの早さ」がトップクラスです。
服用後およそ1時間程度で効き始めるため、症状が出てからでも比較的早く効果を実感しやすくなっています。
花粉症シーズンでは、症状が本格化する前から服用を開始することで、より安定した効果が期待できます。
季節性のアレルギー性鼻炎の方は、花粉が飛び始める少し前から服用をスタートし、シーズンが終わるまで継続して服用しましょう。
ルパフィンの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 1錠(ルパタジン10mg) |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 就寝前の服用を推奨 |
通常、12歳以上の方はルパタジンとして1回10mgを1日1回服用します。症状が改善しない場合は、1回20mg(2錠)まで増量することが可能です。水またはぬるま湯で服用してください。
使用上の注意
- 眠気を催すことがあるため、服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作は控えてください。
- 季節性のアレルギー性鼻炎に対しては、アレルゲンが飛散する季節の直前から服用を開始し、シーズン終了まで継続してください。
- 症状の改善がみられない場合は、漫然と長期にわたって服用せず、医療機関に相談してください。
- 飲み忘れた場合は気づいた時点で服用してください。次の服用時間が近い場合は1回分を飛ばし、2回分を一度に服用しないでください。
Yuuルパフィンは就寝前の服用が推奨されています。
これは、副作用である眠気のピークを睡眠中にすることで、日中への影響を最小限に抑えつつ、安定した効果を持続させるためです。
また、夜間の鼻づまりを改善することで、睡眠の質が向上するのも大きなメリットです。
特に、「モーニングアタック」と呼ばれる明け方の症状悪化に対しても、就寝前の服用は有効な対策となります。
さらにルパフィンは食事の影響をほとんど受けないため、夕食時間に関わらず、ご自身のタイミングで習慣化していただくのが良いでしょう。
ルパフィンの抗PAF作用について
ルパフィンが他の第2世代抗ヒスタミン薬と大きく異なる点は、抗PAF(血小板活性化因子)作用を持っていることです。
アレルギー反応には、ヒスタミンが関わる「即時相」と、PAFなどの炎症物質が関わる「遅発相」の2段階があります。即時相ではくしゃみや鼻水が起こり、遅発相では鼻づまりや皮膚の腫れといった症状が現れます。
一般的な抗ヒスタミン薬はヒスタミンのみをブロックするため、即時相には効果的ですが遅発相への対応は限定的です。ルパフィンはヒスタミンとPAFの両方をブロックすることで、即時相と遅発相の両方のアレルギー反応を抑えることが期待できます。
そのため、鼻水やくしゃみだけでなく、他の薬では改善しにくかった夜間の鼻づまりや持続的な皮膚の炎症にも効果を発揮しやすいのが特徴です。
Yuu鼻づまりの正体は、鼻の粘膜にある血管から水分が漏れ出し、粘膜自体が腫れて空気の通り道を塞いでしまうことです。
このような「血管から水分を漏らす(血管透過性を高める)」作用が、ヒスタミンよりも強力なのがPAFです。
ルパフィンはPAFを直接抑えるため、物理的な粘膜の腫れを強力に鎮めます。
「鼻水は止まったけれど、鼻が詰まって苦しい」という方に、特にルパフィンの抗PAF作用が効果を発揮します。
ルパフィンの警告・禁忌・副作用
警告
- 眠気を催すことがあるため、本剤の服用中は自動車の運転等、危険を伴う機械の操作をしないでください。
- アルコールとの併用で中枢神経抑制作用が増強されるおそれがあります。服用中の飲酒は控えてください。
禁忌
- ルパタジンまたは本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある方
副作用
ルパフィンの主な副作用として、眠気(傾眠)が報告されており、発現率は9.3%です。第2世代の抗ヒスタミン薬のなかではやや眠気が出やすい傾向がありますが、就寝前に服用することで日中への影響を軽減しやすくなります。
そのほかの副作用として、倦怠感、口渇、便秘、AST・ALT上昇(肝機能検査値の変動)、尿蛋白、尿糖、CPK上昇などが0.1〜5%未満の頻度で報告されています。頭痛、しびれ感、めまい、下痢、腹部不快感、発疹、浮腫などの症状が0.1%未満でみられることがあります。
これらの副作用は多くの場合、軽い症状で収まり、服用を続けるうちに自然に改善することがほとんどです。もし症状が長引いたり悪化したりする場合は、服用を中止して医療機関に相談してください。
ルパフィンの他の薬との相互作用
併用しないこと
現時点で、ルパフィンとの併用が禁止されている薬剤はありません。
併用に注意すること
CYP3A4阻害剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ケトコナゾールなど)
- ルパタジンは肝臓の代謝酵素CYP3A4で代謝されます。これらの薬剤と併用すると、ルパタジンの血中濃度が上昇し、副作用が強まるおそれがあります。
グレープフルーツジュース
- グレープフルーツジュースにはCYP3A4を阻害する成分が含まれており、ルパタジンの血中濃度が上昇するおそれがあります。服用中はグレープフルーツジュースの摂取を避けてください。
アルコール
- アルコールとの併用により、中枢神経系への影響が強まり、眠気や注意力低下といった副作用が増強されるおそれがあります。
ルパフィンの注意事項
- てんかんの既往歴がある方は、痙攣を誘発するおそれがあるため、服用前に医療機関に相談してください。
- 腎機能障害または肝機能障害のある方は、薬の代謝や排泄に影響が出る可能性があるため、慎重に服用してください。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方は、服用を避けることが望ましいとされています。
- 授乳中の方は、本剤の成分が乳汁中に移行する可能性があるため、服用中は授乳を避けてください。
- 高齢の方は、眠気やふらつきなどの副作用が出やすい傾向があるため、転倒等に十分注意してください。
- アレルギー皮膚検査を受ける方は正しい判定を妨げるおそれがあるため、検査を実施する3〜5日前から服用を中止してください。
ルパフィンのよくある質問
ルパフィンはどのくらいで効き始めますか?
服用後およそ1時間程度で効果が現れ始めます。効果は約24時間持続するため、1日1回の服用で十分な効果が期待できます。
ルパフィンを飲むと眠くなりますか?
眠気の副作用は9.3%の方に報告されています。就寝前に服用することで日中の眠気を軽減できます。服用中は自動車の運転など危険を伴う作業は避けてください。
ルパフィンは他の抗ヒスタミン薬と何が違いますか?
ルパフィンは抗ヒスタミン作用に加えて抗PAF作用を持つ点が大きな違いです。そのため、鼻水やくしゃみだけでなく、鼻づまりや皮膚の炎症にも幅広く効果が期待できます。
ルパフィンは食前と食後、どちらに飲めばいいですか?
食事のタイミングに関する指定はありません。就寝前の服用が推奨されていますので、毎日同じ時間帯に服用することを心がけてください。
ルパフィンを飲み忘れた場合はどうすればいいですか?
気づいた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は飲み忘れた分は服用せず、2回分を一度に服用しないようにしてください。