エリアス(花粉症・アレルギー治療薬:デスロラタジン)
エリアス(Aerius)は、花粉症やアレルギー性鼻炎、蕁麻疹などのアレルギー症状を緩和する第2世代抗ヒスタミン薬です。有効成分デスロラタジン5mgがヒスタミンH1受容体を選択的にブロックし、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・皮膚のかゆみといった不快な症状を抑えます。
エリアスは日本で処方されているデザレックス錠5mgと同一成分・同一用量の海外版であり、1日1回の服用で24時間にわたり効果が持続します。国内臨床試験では眠気の発現率がプラセボ(偽薬)と統計的に有意差がないことが示されており、日中の活動や車の運転への影響を気にされる方にも適した薬といえるでしょう。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
エリアスの概要
- デスロラタジン5mgを含有する第2世代抗ヒスタミン薬(日本のデザレックスと同一成分)
- 眠気の発現率がプラセボと有意差なし(添付文書記載)
- 1日1回の服用で24時間持続し、食事の影響を受けない
- MSD(Merck Sharp & Dohme)製
エリアスの製造元はMSD(Merck Sharp & Dohme)です。MSDは米国に本社を置く世界的な製薬会社であり、循環器・感染症・免疫など幅広い領域で革新的な医薬品を提供しています。日本ではMSD株式会社として事業展開しており、デザレックスも同社グループから製造販売されています。
| 商品名 | エリアス(Aerius) |
|---|---|
| 内容量 | 20錠(1箱) |
| 効果・効能 | ・アレルギー性鼻炎(季節性・通年性) ・蕁麻疹 ・皮膚疾患に伴うそう痒 |
| 有効成分 | デスロラタジン 5mg |
| 副作用 | 頭痛、口渇、倦怠感など(眠気の発現率はプラセボと有意差なし) |
| 形状・剤形 | フィルムコーティング錠 |
| ブランド | MSD(Merck Sharp & Dohme) |
Atsuエリアスの有効成分デスロラタジンは、日本では2016年にデザレックス錠5mgとして承認されました。
デスロラタジンはロラタジン(クラリチンの有効成分)が肝臓で代謝されて生じる「活性代謝物」であり、薬効本体を直接投与する仕組みになっています。
国内第III相試験(季節性アレルギー性鼻炎)において、デスロラタジン5mgの傾眠発現率は0.6%で、プラセボ群との間に統計的有意差は認められませんでした。
加えて、デザレックスの添付文書には自動車運転に関する注意記載がありません。
同様に運転制限のない第2世代抗ヒスタミン薬としてはフェキソフェナジン(アレグラ)やビラスチン(ビラノア)が挙げられますが、1日1回服用かつ食事の影響を受けないという点はデスロラタジンの利点のひとつです。
エリアスはこんな方におすすめ
- 花粉症やハウスダストによるくしゃみ・鼻水・鼻づまりに悩んでいる方
- 蕁麻疹や皮膚のかゆみを抑えたい方
- アレルギー薬の眠気が気になり、日中の活動や車の運転に支障を出したくない方
- 1日1回の服用で手軽にアレルギー対策を続けたい方
- 日本のデザレックスと同じ成分の薬を海外通販で購入したい方
エリアスの有効成分について
エリアスの有効成分はデスロラタジン(Desloratadine)です。デスロラタジンは第2世代抗ヒスタミン薬に分類され、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンH1受容体を選択的にブロックすることで症状を抑えます。
デスロラタジンは、クラリチン(クラリネックス)の有効成分であるロラタジンが肝臓で代謝されて生成される活性代謝物です。ロラタジンは服用後に体内で代謝を受けて初めて薬効を発揮しますが、デスロラタジンはその代謝後の物質を直接服用するため、肝臓での代謝に依存しない安定した効果が期待できます。
また、デスロラタジンにはヒスタミンH1受容体の遮断に加え、アレルギー反応に関与するケミカルメディエーター(ロイコトリエンC4やインターロイキン類など)の遊離を抑制する作用も認められています。これにより、鼻粘膜の炎症や気道のアレルギー反応をより包括的に抑えることが可能です。
デスロラタジンは脳血液関門を通過しにくいため、中枢神経への影響が極めて少なく、眠気の発現率がプラセボと有意差がないことが臨床試験で確認されています。
Atsuデスロラタジンは「ロラタジンの活性代謝物」と聞くと単なる後継品のように思えるかもしれませんが、薬物動態の面で重要な違いがあります。
ロラタジンは服用後、肝臓のCYP3A4およびCYP2D6によって代謝され、デスロラタジンへ変換されます。
このデスロラタジンが実際のH1受容体遮断作用を担う活性本体です。
エリアスはこの活性本体を直接投与するため、CYP酵素活性の個人差やCYP3A4阻害薬との相互作用による効果変動が起こりにくいという利点があります。
なお、デスロラタジンのH1受容体に対する結合親和性(Ki値ベース)はロラタジンと比較して高いことがin vitro試験で示されています。
エリアスの効果・効能
エリアスは以下のアレルギー性疾患に対して効果が期待できます。
- アレルギー性鼻炎(季節性・通年性):くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状を緩和
- 蕁麻疹:皮膚の発赤やかゆみ、膨疹の出現を抑制
- 皮膚疾患に伴うそう痒:湿疹や皮膚炎によるかゆみの軽減
デスロラタジンはヒスタミンH1受容体を選択的に遮断することで、アレルゲン(花粉・ハウスダスト・ダニなど)への曝露によって引き起こされるアレルギー症状を緩和します。服用後1〜3時間で効果の発現が認められ、24時間にわたって持続することが臨床試験で確認されています。
花粉症に使用する場合は、花粉が飛散する季節の約2週間前から服用を開始する「初期療法」も有効とされています。症状が本格化する前から服用を始めることで、シーズン中の症状を軽減できる可能性があります。
エリアスの服用方法
エリアスは、成人および12歳以上の方を対象とした内服薬です。以下の用法を守って服用してください。
| 1回の用量 | 1錠(デスロラタジンとして5mg) |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 食事に関係なくいつでも服用可能 |
服用時のポイント
- 錠剤はかみ砕かず、コップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用してください
- 食事の影響を受けないため、食前・食後いずれのタイミングでも問題ありません
- 毎日同じ時間帯に服用すると、血中濃度が安定しやすくなります
- 飲み忘れた場合は、気づいた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は飲み忘れた分を飛ばし、2回分を一度に服用しないでください
- 自己判断で増量しないでください。1日の最大用量は1錠(5mg)です
Atsuエリアスは食事の影響を受けないため、ご自身の生活リズムに合わせたタイミングで服用していただいて問題ありません。
朝食時や就寝前など、毎日同じ時間に服用する習慣をつけると飲み忘れ防止に効果的です。
デザレックスの添付文書には自動車運転に関する注意記載がない点も、日常生活で使いやすい理由のひとつといえるでしょう。
第2世代抗ヒスタミン薬の中で同様に運転制限のない薬剤としては、フェキソフェナジン(アレグラ)やビラスチン(ビラノア)が知られています。
ただし、ビラスチンは空腹時服用が求められるため、服用タイミングの自由度という面ではデスロラタジンに優位性があります。
他の第2世代抗ヒスタミン薬との比較
現在、日本で処方される主な第2世代抗ヒスタミン薬には複数の選択肢があります。それぞれの特徴を比較し、ご自身に合った薬を選ぶ際の参考にしてください。
| 比較項目 | エリアス (デスロラタジン) | ジルテック (セチリジン) | アレグラ (フェキソフェナジン) | クラリチン (ロラタジン) |
|---|---|---|---|---|
| 眠気 | プラセボと有意差なし | やや起こりやすい | プラセボと有意差なし | 少ない |
| 運転制限 | 注意記載なし | 注意記載あり | 注意記載なし | 注意記載あり |
| 効果持続時間 | 24時間 | 12〜24時間 | 12〜24時間 | 24時間 |
| 1日の服用回数 | 1回 | 1〜2回 | 2回 | 1回 |
| 食事の影響 | なし | なし | あり(高脂肪食で吸収低下の報告) | なし |
| 抗ヒスタミン力価 | 高い | 高い | 中程度 | 中程度 |
エリアス(デスロラタジン)の強みは、眠気がプラセボと有意差がなく、運転制限もない点にあります。同様に眠気が少ないアレグラ(フェキソフェナジン)は1日2回の服用が必要であり、高脂肪食の影響を受ける場合がある点がエリアスとの違いです。
ジルテック(セチリジン)は抗ヒスタミン作用が強力ですが、眠気が起こりやすく運転への注意記載があります。クラリチン(ロラタジン)はエリアスの前駆体にあたる成分であり、1日1回服用で食事の影響もありませんが、運転に関する注意記載があります。
エリアスの警告・禁忌・副作用
禁忌(服用できない方)
- デスロラタジンまたはロラタジンに対して過敏症の既往歴がある方
- 本剤の添加物に対して過敏症の既往歴がある方
慎重投与
- 重度の腎機能障害のある方(血中濃度が上昇するおそれがあります)
- 肝機能障害のある方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方(安全性が確立されていません)
- 授乳中の方(デスロラタジンは母乳中に移行するため、授乳を避けてください)
副作用
デスロラタジンは副作用の少ない薬として知られていますが、以下の副作用が報告されています。
- 頭痛
- 口渇(口の渇き)
- 倦怠感
- 咽頭痛
- 消化器症状(悪心、腹痛など)
国内臨床試験において、傾眠(眠気)の発現率は0.6%であり、プラセボ群と統計的に有意な差は認められていません。第2世代抗ヒスタミン薬の中でも特に中枢神経への影響が少ない薬に位置づけられます。
重篤な副作用
極めてまれですが、以下の重篤な副作用が報告されています。異常を感じた場合は直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
- ショック、アナフィラキシー:じんましん、全身の発赤、呼吸困難、血圧低下
- てんかん:けいれん発作
- 肝機能障害、黄疸:全身の倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる
Atsuエリアスは第2世代抗ヒスタミン薬の中でも副作用が比較的少ない薬剤に位置づけられます。
頭痛や口渇といった副作用は多くの場合一過性で、服用を継続するうちに軽減する傾向にあります。
重篤な副作用としてアナフィラキシーやけいれんが添付文書に記載されていますが、発現頻度は極めて低く、定められた用量を守っていれば過度に心配する必要はないでしょう。
一点注意が必要なのは、ロラタジン(クラリチン)でアレルギー反応を起こした経験がある方です。
デスロラタジンはロラタジンの活性代謝物であるため、構造的な類似性から交差反応が生じるおそれがあり、該当する方は服用を避けてください。
エリアスの注意事項
- 用法・用量を守り、自己判断で増量しないでください
- 重度の腎機能障害のある方は、血中濃度が上昇するおそれがあるため医師に相談のうえ服用してください
- 他のアレルギー薬(抗ヒスタミン薬)との併用は避けてください
- アルコールとの併用はデスロラタジンの作用に影響を与える可能性があるため控えてください
- 妊娠中・授乳中の方は服用前に医師に相談してください
- 小児(12歳未満)への投与については、錠剤の用量が適さない場合があるため医師に相談してください
- 直射日光や高温多湿を避け、室温で保管してください
- 使用期限を過ぎた薬は服用しないでください
エリアスのよくある質問
エリアスとデザレックスは同じ薬ですか?
エリアスとデザレックスは同一の有効成分(デスロラタジン5mg)を含む薬です。デザレックスは日本国内で処方される製品名であり、エリアスはMSDの海外ブランド名にあたります。
有効成分の種類と含有量が同じため、期待できる効果も同等です。
エリアスを服用しても車の運転はできますか?
日本のデザレックス添付文書には、自動車の運転に関する注意記載がありません。これは第2世代抗ヒスタミン薬の中でも限られた薬にしかない特徴です。
国内臨床試験において傾眠の発現率は0.6%でプラセボと有意差がなく、日常生活への影響は極めて少ないと考えられています。ただし、個人差はあるため、服用初期は体調の変化に注意してください。
エリアスはクラリチン(ロラタジン)と何が違いますか?
エリアスの有効成分デスロラタジンは、クラリチンの有効成分ロラタジンが体内で代謝された後に生じる「活性代謝物」です。つまり、ロラタジンの薬効を担う本体を直接服用する形になります。
デスロラタジンはロラタジンと比べてH1受容体への親和性が高く、肝臓での代謝に依存しない安定した効果が期待できます。また、デザレックスの添付文書には運転に関する注意記載がない一方、クラリチンには注意記載がある点も両者の違いです。
エリアスは食後に飲んだほうがよいですか?
エリアスは食事の影響を受けないため、食前・食後いずれのタイミングでも服用可能です。空腹時に服用しても効果や吸収速度に大きな変化はありません。
毎日同じ時間帯に服用することで血中濃度が安定しやすくなるため、ご自身の生活リズムに合わせた時間帯を決めて服用するとよいでしょう。
エリアスの副作用で眠くなりますか?
国内臨床試験において、エリアス(デスロラタジン5mg)の傾眠発現率は0.6%であり、プラセボ群と統計的に有意な差は認められていません。第2世代抗ヒスタミン薬の中でも特に眠気が起こりにくい薬に分類されます。
ただし、薬の感受性には個人差があります。服用を始めた直後は、眠気やだるさを感じないか注意しながら過ごしていただくとよいでしょう。
エリアスに関連する添付文書等の参考資料
以下は、エリアスの有効成分デスロラタジンに関する公的機関の資料です。