アバミス点鼻液(アレルギー性鼻炎治療薬:フルチカゾンフランカルボン酸エステル)
アバミス点鼻液(Avamys Nasal Spray)は、有効成分フルチカゾンフランカルボン酸エステルを配合したステロイド系の点鼻薬で、アレルギー性鼻炎の治療に用いられる先発医薬品です。
鼻腔内の炎症を強力に抑える作用を持ち、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといったアレルギー性鼻炎の三大症状を改善します。鼻症状の改善を介して、アレルギー性鼻炎に伴う目のかゆみや充血の軽減も報告されています。 1日1回の噴霧で24時間にわたり効果が持続するため、使用の継続が容易です。
日本では「アラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用/112噴霧用」としてGSK(グラクソ・スミスクライン)から販売されており、アレルギー性鼻炎の鼻噴霧用ステロイド薬として広く処方されています。アバミスはこのアラミストの海外版にあたる製品です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
アバミス点鼻液の概要
- フルチカゾンフランカルボン酸エステルを配合した鼻噴霧用ステロイド薬の先発医薬品
- アレルギー性鼻炎(季節性・通年性)のくしゃみ・鼻水・鼻づまりを改善
- 1日1回の噴霧で24時間効果が持続
- 1本10ml(約120噴霧分)※海外版アバミスの規格。日本のアラミストは56噴霧用(4g)と112噴霧用(8g)
- GSK(グラクソ・スミスクライン)が製造
アバミス点鼻液の製造元はGSK(GlaxoSmithKline plc)です。GSKは英国に本社を置くグローバル製薬企業で、医療用医薬品、ワクチン、コンシューマーヘルスケアの各分野で事業を展開しています。日本ではGSK株式会社がアラミスト点鼻液として製造販売を行っています。
| 商品名 | アバミス点鼻液(Avamys Nasal Spray) |
|---|---|
| 内容量 | 10ml(約120噴霧分) |
| 効果・効能 | アレルギー性鼻炎(季節性・通年性) |
| 有効成分 | フルチカゾンフランカルボン酸エステル 0.05% |
| 副作用 | ・鼻出血 ・鼻の刺激感、乾燥感 ・頭痛 |
| 形状・剤形 | 点鼻液(スプレー) |
| ブランド | GSK(GlaxoSmithKline) |
Atsuアバミス点鼻液は、日本で広く処方されている「アラミスト点鼻液27.5μg」の海外版にあたる製品です。
有効成分であるフルチカゾンフランカルボン酸エステルの種類・1噴霧あたりの送達量(27.5μg)は同一であり、品質に差はありません。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、従来のフルチカゾンプロピオン酸エステル(フルナーゼ等)と比較して、グルココルチコイド受容体への結合親和性が高いことがin vitro試験で示されています(Salter M, et al. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2007;293:L660-L667)。
この特性により、低用量でも強力な局所抗炎症作用が期待できます。
アラミストの添付文書(国内臨床試験データ)によると、季節性アレルギー性鼻炎を対象とした試験で、鼻症状合計スコア(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)のプラセボに対する有意な改善が確認されました。
鼻噴霧用ステロイド薬は、「鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版」においてアレルギー性鼻炎治療の中心的薬剤として位置づけられており、中等症以上の症例では第一選択として推奨されています。
軽症例でも鼻閉を伴う場合には積極的な使用が考慮されます。
アバミス点鼻液はこんな方におすすめ
- 花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)のくしゃみ・鼻水・鼻づまりに悩んでいる方
- ハウスダストやダニなどによる通年性アレルギー性鼻炎の方
- 抗ヒスタミン薬の内服では鼻づまりが十分に改善しない方
- アレルギー性鼻炎に伴う目のかゆみや充血も改善したい方
- 日本のアラミスト点鼻液と同等の効果をより手頃な価格で得たい方
アバミス点鼻液の有効成分について
アバミス点鼻液には、鼻噴霧用ステロイド薬であるフルチカゾンフランカルボン酸エステルが0.05%配合されています。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、鼻腔内のグルココルチコイド受容体に結合し、アレルギー反応に関与する炎症性サイトカインやケミカルメディエーターの産生を抑制します。これにより、鼻粘膜の炎症や浮腫が軽減され、鼻づまり、くしゃみ、鼻水といった症状が改善されます。
鼻腔に局所投与されたフルチカゾンフランカルボン酸エステルの全身への吸収は極めて少なく、経鼻投与時のバイオアベイラビリティは約0.5%と報告されています(アラミスト添付文書「薬物動態」の項より)。このため、ステロイドの全身性副作用が生じるリスクは非常に低いとされています。
Atsuフルチカゾンフランカルボン酸エステルは、フルチカゾンプロピオン酸エステル(フルナーゼ等に配合)の後継として開発された成分です。
グルココルチコイド受容体への親和性がプロピオン酸エステルよりも高いとされており、より低い用量で効果を発揮します。
また、鼻噴霧用ステロイド薬は内服の抗ヒスタミン薬と比較して、特に鼻閉(鼻づまり)に対する効果が優れている点が大きな特徴です。
抗ヒスタミン薬はくしゃみや鼻水には効果的ですが、鼻づまりの改善は限定的であることが多いのです。
なお、鼻噴霧用ステロイド薬の効果は即効性ではなく、十分な効果が得られるまでには数日から1週間程度の継続使用が必要です。
花粉シーズンの開始前から予防的に使用を開始することが推奨されています。
アバミス点鼻液の効果・効能
- アレルギー性鼻炎(季節性・通年性):くしゃみ、鼻水(鼻汁)、鼻づまり(鼻閉)の改善
アラミストの添付文書(国内臨床試験データ)によると、季節性アレルギー性鼻炎を対象とした試験において、プラセボ群と比較して鼻症状スコア(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)が有意に改善したと報告されています。
鼻症状だけでなく、アレルギー性鼻炎に伴う目のかゆみ、充血、涙目といった眼症状の改善も報告されています。ただし、眼症状への効果は鼻腔内の炎症抑制を介した間接的な効果と考えられており、点眼薬の代替として使用することはできません。眼症状が強い場合は、抗アレルギー点眼薬の併用を医師にご相談ください。
アバミス点鼻液の使用方法
アバミス点鼻液は1日1回、左右の鼻腔に各2噴霧ずつ使用します。毎日なるべく同じ時間帯に使用してください。
| 用法・用量 | 1日1回、左右各2噴霧ずつ(計4噴霧) |
|---|---|
| 使用回数 | 1日1回 |
| 使用タイミング | 毎日同じ時間帯(朝の使用が一般的) |
| 効果発現 | 使用開始後8時間以内に効果が現れ始める |
| 最大効果 | 数日から1週間の継続使用で最大効果 |
使用上の注意
- 使用前に鼻をかんで鼻腔を清潔にしてください
- 初めて使用する場合や長期間使用していなかった場合は、空噴霧(6回程度)を行ってからご使用ください
- 噴霧後は鼻から息を吸い込まず、口から呼吸してください(薬剤が鼻腔内にとどまりやすくなります)
- 症状が改善しても、医師の指示があるまで使用を続けてください
Atsuアバミス点鼻液の効果を最大限に発揮するには、正しい使用方法と継続使用が重要です。
噴霧する際は、ノズルを鼻中隔(鼻の中央の壁)に向けないようにしてください。
鼻中隔に直接噴霧し続けると、鼻中隔穿孔(鼻の壁に穴が開く)のリスクが高まるおそれがあります。
効果は使用開始後8時間程度で現れ始めますが、十分な効果を得るには数日から1週間の継続使用が必要です。
花粉症の方は、花粉の飛散が始まる1から2週間前から使用を開始すると、シーズン中の症状を効果的に抑えることが期待できます。
アバミス点鼻液の警告・禁忌・副作用
禁忌(使用できない方)
- フルチカゾンフランカルボン酸エステルに対して過敏症の既往歴がある方
慎重投与(使用前に医師に相談が必要な方)
- 鼻腔内に感染症がある方
- 鼻の手術を受けた直後の方、鼻に外傷のある方
- 結核または全身性の真菌感染症がある方
- 他のステロイド薬(内服・吸入・注射)を使用中の方
副作用
アバミス点鼻液で起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。
- 鼻出血(最も多い副作用)
- 鼻の刺激感、乾燥感、痛み
- 頭痛
- 鼻腔内の潰瘍形成(まれ)
鼻出血はステロイド系点鼻薬に共通する副作用であり、多くの場合は軽度で一時的なものです。持続的な鼻出血や鼻の痛みが続く場合は、使用を中止して医師にご相談ください。
重篤な副作用
ごくまれに、以下のような重篤な副作用が報告されています。
- アナフィラキシー(発疹、蕁麻疹、血管浮腫、呼吸困難)
- 鼻中隔穿孔
Atsu鼻噴霧用ステロイド薬で最も一般的な副作用は鼻出血です。
これは鼻粘膜への局所的な影響によるもので、ほとんどの場合は軽度であり、使用を中止するほどの深刻な出血になることはまれです。
鼻出血のリスクを軽減するには、噴霧時にノズルを鼻中隔ではなく鼻の外側壁に向けることが重要です。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは全身への吸収が極めて少ないため、内服ステロイドで懸念される副作用(骨粗鬆症、副腎抑制、血糖上昇など)が生じるリスクは非常に低いとされています。
ただし、他のステロイド薬(吸入薬や内服薬)と併用している場合は、合算したステロイドの総曝露量が増加する可能性があるため、医師に相談してください。
アバミス点鼻液の他の薬との相互作用
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは鼻腔内で局所的に作用し、全身への吸収が極めて少ないため、薬物相互作用が生じるリスクは低いとされています。ただし、以下の点にはご注意ください。
CYP3A4阻害薬
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは主にCYP3A4で代謝されるため、強力なCYP3A4阻害薬との併用により血中濃度が上昇し、全身性のステロイド副作用が生じるおそれがあります。
- リトナビル(ノービア):併用は推奨されません
- ケトコナゾール、イトラコナゾール:併用時は注意が必要です
他のステロイド薬
吸入ステロイド薬や内服ステロイド薬と併用する場合、ステロイドの総曝露量が増加し、副腎抑制などの全身性副作用のリスクが高まるおそれがあります。
- 吸入ステロイド薬(フルチカゾンプロピオン酸エステル、ブデソニドなど)
- 内服ステロイド薬(プレドニゾロンなど)
アバミス点鼻液の注意事項
- 噴霧時にノズルを鼻中隔に向けないでください(鼻中隔穿孔のリスク)
- 症状が改善しても自己判断で使用を中止しないでください
- 鼻腔内に感染症がある場合は使用前に医師にご相談ください
- 妊娠中・授乳中の方は使用前に医師にご相談ください
- 使用期間中に鼻出血が頻繁に起こる場合は、使用を中止してください
- 開封後は使用期限にかかわらず、2か月以内に使い切ってください
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
アバミス点鼻液のよくある質問
アバミス点鼻液とアラミスト点鼻液の違いは何ですか?
アバミスとアラミストは同じ有効成分(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)を同じGSK社が製造する同一成分の製品です。
日本では「アラミスト」、海外では「アバミス(Avamys)」という名称で販売されているだけの違いであり、有効成分の種類と1噴霧あたりの送達量(27.5μg)に違いはありません。
ただし、添加物の組成やデバイス(噴霧器)の仕様が完全に同一であるかは公開情報からは確認できないため、その点はご留意ください。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
使用開始後8時間程度で効果が現れ始めるとされていますが、十分な効果を得るには数日から1週間程度の継続使用が必要です。
即効性を期待する場合は、医師に相談のうえ抗ヒスタミン薬の内服との併用を検討してください。花粉シーズンの1から2週間前から使用を開始すると、シーズン中の症状を効果的に抑えられます。
ステロイドの副作用は心配ありませんか?
アバミス点鼻液は鼻腔内で局所的に作用し、全身への吸収が極めて少ない薬剤です。バイオアベイラビリティは0.5%程度と報告されており、内服ステロイドで懸念される副作用(骨粗鬆症、血糖上昇、副腎抑制など)が生じるリスクは非常に低いとされています。
鼻噴霧用ステロイド薬は長期使用においても安全性が高いとされており、ガイドラインでもアレルギー性鼻炎の治療に推奨されています。
抗ヒスタミン薬と一緒に使っても大丈夫ですか?
抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン、セチリジンなど)との併用は可能であり、鼻アレルギー診療ガイドラインでも推奨されている組み合わせです。
鼻噴霧用ステロイド薬は特に鼻づまりに効果が高く、抗ヒスタミン薬はくしゃみや鼻水に即効性があるため、併用により幅広い症状をカバーできます。
鼻血が出やすくなりましたが、使い続けても大丈夫ですか?
軽度の鼻出血は鼻噴霧用ステロイド薬に共通する副作用であり、多くの場合は使用を続けても問題ありません。
ただし、鼻出血が頻繁に起こる場合や出血量が多い場合は、使用を中止して医師に相談してください。噴霧時にノズルを鼻中隔に向けないよう注意することで、鼻出血のリスクを軽減できます。
アバミス点鼻液に関連する添付文書等の参考資料
アバミス点鼻液の有効成分(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)に関する参考資料を以下に掲載します。