ED治療薬の登場により、これまでよりもEDは治療しやすいものとなりました。しかし、加齢に伴いEDは増加し、また心因性EDに比べて生活習慣病などが原因で引き起こされてしまう器質性EDでは、ED治療薬が効きにくい場合もあると言われています。そこで、ある泌尿器科外来で、高齢者や生活習慣病患者のうち、勃起障害の治療を受けた患者を対象に、レビトラ20mgの有効性、安全性の検証を行いました。
年齢と効果の有無は関係ない
対象となったのは125名で、そのうち64歳以下の非高齢者が79名、65歳以上の高齢者が46名でした。何れもIIEF5スコア(国際勃起機能スコア)に有意差は無かったので、EDの症状の程度は同程度ということになります。
レビトラ20mgの治療効果は、性交可能となったもの、性交不可であったものとに分けると、非高齢者では68名(86.1%)が性交可能となり、11名(13.9%)が不可能だったようです。そして高齢者では性交可能=42名(91.3%)、性交不可能=4名(8.7%)という結果になり、年齢によるレビトラ20mgの効果の大きな差は見られませんでした。
一方副作用については、7.2%(頭痛:5名、ほてり:4名)に認められましたが、何れも軽微だったということです。
器質性ED患者にも有効
次にこの125名のうち、生活習慣病とは直接関係の無い病気の患者28名を除く97名を対象に、生活習慣病やメタボリック症候群を有する44名(以下、A郡)と、特に健康上問題の無い53名(以下、B郡)に分けて比較検討しました。A郡の平均年齢は、B郡と比べて約8歳高く、IIEF5スコア(国際勃起機能スコア)もB郡と比べて有意に低かったそうです。このことにより、生活習慣病などを持っている患者は高齢であり、EDの程度が重症であるということがわかります。
しかしながら結果は、性交可能になったものはA郡で95.5%でB群では96.2%となり、生活習慣病などが原因の器質性EDで、症状が強く出ている患者にもレビトラ20mgの有効性が認められました。
検証を行なった医師らは、”今回対象となった人には、重症の生活習慣病患者がいなかった為、このような結果になった可能性がある”としていますが、「高齢だから」「生活習慣病だから」とED治療を諦めかけていた方には、とても心強い検証結果なのではないでしょうか?また、低用量のED治療薬で思ったほどの効果が現れず、自ら治療をやめてしまう人も少なくないといいます。低用量で効果が出なかった人も、高用量に変更すれば効果が期待できるかもしれないので、一度医師に相談してみることをおすすめします。