昨年(2018年)、ED治療業界に大混乱を巻き起こしたレビトラ供給停止の問題。同年の12月頃になって、バイエル薬品から供給再開のアナウンスがあり、ようやくこの問題も解決したと思ったのも束の間、最近またしても「供給ストップ」の通達があったようです。いったい何が起きているのでしょうか。

お知らせ
現在レビトラは供給停止中です。レビトラ後発薬(ジェネリック)として、レビトラと同じ有効成分(バルデナフィル)を含み、同じ効き目を持つように作られたジェネリック医薬品をご検討ください。
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レビトラジェネリック

目次

またもレビトラが供給停止に

2019年3月18日、バイエル薬品から医療機関向けに発表があり、レビトラの供給が停止することがわかりました。2018年につづき2回目です。

2019年レビトラ供給停止バイエル製薬通知

レビトラを扱っている医療機関や関係者の話では、ドイツのレバークーゼンにある生産工場がレビトラの製造を中止することになったため、再度の供給停止となった模様です。

2018年12月の供給再開から、わずか4ヶ月足らずでの供給"再"停止であり、またしてもあの「レビトラ不足」がやってくるのでしょうか。

レビトラが再び供給停止になった具体的な背景は?

一部の病院や医療関係者の話では、今回の供給停止の原因は、他の薬剤の生産を優先するためだといわれています。

複数の錠剤

前回の供給停止は、薬品を製造する工場の安全性や設備的な問題が指摘され、それを根本的に解決するための改修工事が原因と考えられています。改修工事の間は、どうしても生産ラインを止めないといけないのでレビトラの供給がストップしたわけですが、今回は工場自体は稼動させながらも、生産する薬を切り換えたということなのでしょう。

当然、工場そのものは動いているワケですから、改修工事ほど長期間におよぶ生産ストップとはならない可能性が高いですが、公式にも再開目処は発表されていませんから、いつ頃にレビトラが再供給されるのかは、かなり不透明な状況です。

今後また深刻な「レビトラ不足」がやってくる?

レビトラの生産がドイツ本国で止まったということは、今年もまた、あの悪夢のような「レビトラ不足」がやってくるのでしょうか?

頭を抱える男性

生産されなければ出回るレビトラの絶対数は増えないわけですから、理屈からすれば、また同じことになるという可能性は低くないといえます。

幸いにも今のところは、生産を停止したというバイエル薬品からの通知が医療機関に向けて発せられたばかりの状況であるため、深刻なレビトラ不足が発生しているとい段階ではありませんが、今後、医療機関に納品されるレビトラ錠が途絶えてしまえば、また同じ混乱が起こることになりそうです。

早期に再開されなければ5月中には在庫が枯渇!? 供給再開は?

こうなると気になるのは供給の再開時期ですが、今のところ目処は立っていないようです。

カレンダー

バイエル薬品からの通達は3月の18日付けですから、今月中は大きな混乱は起こらないかもしれませんが、4月以降は、徐々にレビトラの在庫を切らしてしまっている病院が出てくることが予想され、それでも供給が再開されなければ5月末頃には「レビトラ難民」が発生することも考えられます。

治療薬の在庫をどの程度かかえているかについては、各病院によってまちまちです。ED治療をメインで行っているクリニックなどはある程度ストックしていることが考えられるので、そういったクリニックをチェックしておくことも大切になってくるかもしれません。

レビトラを処方してくれる病院一覧

現在、レビトラの在庫があり、処方してもらえる医療機関をできるだけ調べてまとめました。

レビトラ処方に関してお困りの方はぜひご参考ください。

【ご注意】
2021年1月調査時点での情報となりますので、在庫切れや取り扱いナシとなっている場合、処方価格や初診料が突然変更されている場合がございます。ご迷惑をおかけしますが、予めご了承ください。

あらためてレビトラとは? 効果や副作用をおさらい

レビトラはバイアグラに続いて二番目に承認されたED治療薬で、バイアグラとの大きな違いは食事の影響を受けにくく、空腹でなくとも服用可能であることや、服用後15~20分程度で効果を発揮する点にあります。効果の持続は4~6時間程度で持続力はバイアグラとほとんど変わりはありません。

丸い剤形で黄色味を帯びた茶色をしており、容量は5mg、10mg、20mgがあります。低容量の5mgは日本国内ではあまり一般的ではなく、10mgか20mgを処方することがほとんどです。食事の影響を受けにくく、効果発現までの時間が短い点などで使い勝手がよく、服用者が力強い勃起感を得たと体感することが多いため、人気を博しています。ただし、服用後の効果には個人差があるため、レビトラを服用すれば必ず同じような効果・実感が得られるということではありませんのでご注意ください。

副作用は、基本的にはバイアグラと同じでほてりや鼻づまり、頭痛などを感じる場合があります。服用者したら全員がそのような副作用を感じるというわけではありません。副作用を感じることなく効果を実感できる人もいます。

心臓に持病がある方でニトロ系(硝酸剤)の治療薬を常用している場合は併用禁忌となっていますのでご注意ください。また、重度の肝機能障害、腎臓疾患による透析治療を受けている方、最近のうちに脳卒中や心筋梗塞を発症された方も禁忌となっていますので処方することができません。

レビトラに関する詳しい説明はこちらもご参照ください。
レビトラについての解説

レビトラに国内正規ジェネリックはありません。個人輸入などは高リスクなので注意!

レビトラが枯渇した状態が長く続いて手に入らないため、ジェネリック薬で代用しようと考える人も実際にはいますが、日本国内で正式に認可されたレビトラのジェネリック薬はありませんのでご注意ください。

薬品には成分特許が設定されており、その期限が切れない限りジェネリック医薬品を製造販売することができません。日本国内でレビトラが正式に認可されたのは2004年であり、期限はまだ切れていません。世界初のED治療薬となったバイアグラは既に成分特許期限が切れているので、既にいろいろなメーカーからジェネリックバイアグラが発売されていますが、レビトラの場合はまだ先のことになりそうです。

日本以外の国では認可のタイミングが異なったり、医薬品をめぐる法律が異なる場合があるので、現在すでにレビトラのジェネリック薬が発売されている国もあります。そういった国から個人輸入などを利用することでレビトラのジェネリック薬を入手することも可能ではありますが、ニセモノが出回っていたり、効果がないばかりか健康被害を蒙るケースも少なくないため、かなりのリスクを伴います。

また、レビトラ自体は日本国内では医師の診察・処方がなければ服用できない薬となっていますので、法律的な懸念も生じます。ハイリスクな海外医薬品の個人輸入にはうかつに手を出さないよう、くれぐれもご注意ください。

※厚生労働省のHPでも注意喚起の呼びかけがなされています。
医薬品等を海外から購入しようとされる方へ

レビトラ供給停止(2回目)についてのまとめ

2019年3月の現時点では、いつが供給再開なのかがまったく不透明な状況ですから、とれる対策を講じておくのがベストといえるでしょう。前回(工場の改修工事)ほど長期間には及ばないだろう、というのが大方の見通しのようですが、楽観は禁物です。

前回の供給停止のときも、3~4ヶ月ほどで回復するのでは? 夏頃には再開するのでは? という予想がありましたが、フタを開けてみれば10ヶ月近く待たされることになりました。工場の改修ではないとはいえ、短期間の供給停止で済むとは限りません。

レビトラでED治療をしている人にとっては重大な問題ですから、早めの対策が必要です。かかりつけの病院やクリニックにレビトラの在庫があるうちに、多めに処方してもらったり、在庫が切れてしまった場合の新たな受診先も探しておくといいかもしれません。

もしも本格的に手に入らなくなってしまった場合には、バイアグラやシアリスなど、他の正規ED治療薬への乗り換えも視野に入れておくのも、いざというときには有効でしょう。

いずれにせよ、2019年のレビトラ供給停止も、早いうちに供給が再開されることを祈るばかりです。