ストレスはED、特に心因性EDの原因の一つとして挙げられます。日本では労働者の約6割が仕事に関するストレスを持っていると言われています。EDの心配をする男性にとって、ストレスは決して見過ごすことができないものです。今回はその「職業性ストレスとED」に関する調査結果です。
時間の自由度で性機能に変化が
東邦大学医療センターの研究チームは、就業上のストレスの原因となる「責任の重さ」「時間の自由度」がストレス反応及び男性の性機能へ与える影響について検討しました。その結果わかったことは「30代の男性性機能障害の危険因子は”時間の自由度”である」ということです。つまり自由な時間があるか無いかで、なんと「性機能にも異常が現れる可能性がある」ということです。
ストレスと性機能の関係
この調査は一般企業の男性従業員1589人を対象に行われました。更に30代以上の男性従業員1001名には、加齢男性性腺機低下症候群の診断に用いられる質問票調査も行いました。
ストレス反応については、年代ごとに比較すると、19歳未満はストレス反応が高く、60歳以上はストレスが低下する傾向だったそうです。20~50代ではストレス反応に大きな差は出ませんでした。続いて、「責任の重さ」でストレスの度合いを比較してみると、責任が重くても軽くてもストレス反応に差は出なかったようです。しかし、「時間の自由度」で比較した場合、”自由な時間がある”人の方が明らかにストレス反応が低下していました。そして性機能の評価ですが、性機能を年代ごとに比較してみると、年代が上がるに従いスコアが悪化しました。そして、全ての年代において「責任の重さ」と性機能には特に相関は認められませんでした。しかし「時間の自由度」と性機能では”自由な時間が無い”人ほど、性機能についてのスコアの悪化が認められました。特にこの現象は30代に多かったようです。更に”自由な時間がある”人でも、会社滞在時間が長くなると性機能のスコアは悪化しました。一方で、40代や50代では「時間の自由度」と性機能では有意な相関は無かったそうです。
30代と言えば結婚をしたり子供ができたりして、「家族を養う」という立場になる男性が増える世代です。また、出世のチャンスが巡ってくる人もいるでしょう。あまりにも仕事を頑張りすぎると「知らず知らずのうちにストレスが溜まってEDになってしまった」ということにもなりかねません。時間を上手に使って自由な時間を充実させることが、ストレスによるED対策の一つとして大切なのかもしれません。