クレサー(高血圧症治療薬:ミカルディス ジェネリック)
クレサー(Cresar)は、高血圧症治療薬ミカルディスのジェネリック医薬品です。有効成分テルミサルタンを含有し、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)に分類される降圧薬として、世界中で広く使用されています。
1日1回の服用で24時間にわたり安定した血圧コントロールが可能な点が特徴です。テルミサルタンは脂溶性が高く、体内での作用時間が長いため、服用忘れがあっても急激な血圧上昇が起こりにくいとされています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
クレサーの概要
- ミカルディスと同一成分(テルミサルタン)を含有するジェネリック医薬品
- ARB(アンジオテンシンII受容体ブロッカー)に分類される降圧薬
- 1日1回の服用で24時間効果が持続
- 臓器保護作用も期待できる長時間作用型の降圧薬
- インドの大手製薬会社シプラ(Cipla)が製造
クレサーは、高血圧症治療に使用されるARBのジェネリック医薬品です。有効成分テルミサルタンは、血管を収縮させる物質(アンジオテンシンII)の受容体への結合を選択的にブロックすることで、血圧を下げる効果を発揮します。
先発品のミカルディスは日本ベーリンガーインゲルハイムが販売しており、国内臨床試験で81.4%の有効率が報告されています。クレサーは先発品と同等の効果が期待できるジェネリック医薬品であり、費用面でのメリットがあります。
| 商品名 | クレサー(Cresar) |
|---|---|
| 内容量 | 20mg:15錠 40mg:15錠 80mg:10錠 |
| 効果・効能 | 高血圧症 |
| 有効成分 | テルミサルタン(Telmisartan)20mg/40mg/80mg |
| 副作用 | めまい、ふらつき、頭痛、低血圧など |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | シプラ(Cipla) |
Atsuテルミサルタンは、ARBの中でも半減期が最も長い薬剤の一つです。
ミカルディスの添付文書によれば、テルミサルタン40mg・80mgの半減期はおよそ20〜25時間と報告されており、1日1回の服用で24時間を通じた安定した降圧効果が期待できます。
また、テルミサルタンにはPPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)に対する部分的な活性化作用があることが知られています。
この作用を介したインスリン感受性の改善が基礎研究や一部の臨床研究で示唆されており、代謝面への好影響が期待される降圧薬として注目されてきました。
臓器保護作用については、臨床試験において、心血管ハイリスクの方に対するテルミサルタンの心血管イベント予防効果がラミプリル(ACE阻害薬)と同等であったことが示されています。
クレサーはこんな方におすすめ
- 高血圧症の治療を続けている方
- 降圧薬の費用を抑えたい方
- 1日1回の服用で血圧をコントロールしたい方
- ACE阻害薬で咳の副作用が出た経験のある方
- 心臓や腎臓への負担も考慮した降圧薬を探している方
クレサーの有効成分について
クレサーの有効成分であるテルミサルタンは、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)に分類される降圧成分です。血圧を上昇させるホルモンであるアンジオテンシンIIがAT1受容体に結合するのを選択的にブロックすることで、血管の収縮を抑え、血圧を下げる効果を発揮します。
テルミサルタンはARBの中でも特に長い半減期(約20〜25時間)を持つ薬剤として知られており、1日1回の服用で24時間にわたる安定した降圧効果が期待できます。また、脂溶性が高いため組織への移行性に優れ、AT1受容体との結合が長時間持続する特徴があります。
クレサーの効果・効能
- 高血圧症の治療
クレサーは、アンジオテンシンII受容体(AT1受容体)に選択的に結合し、血管収縮作用やアルドステロン分泌を抑制することで血圧を下げます。服用後約1〜2時間で効果が発現し始め、約2〜4時間で血中濃度がピークに達します。効果は約24時間持続するとされています。
先発品ミカルディスの国内臨床試験では、高血圧症に対して81.4%の有効率が報告されています。長期間にわたって服用を継続することで、心血管イベント(脳卒中・心筋梗塞など)のリスク低減が期待できます。
また、テルミサルタンにはPPARγ部分活性化作用を介したインスリン感受性の改善が基礎研究や臨床研究で示唆されています。そのため、糖尿病を合併した高血圧の方にとっても選択肢の一つとなりえます。
Atsu高血圧症は自覚症状に乏しく、「サイレントキラー」とも呼ばれる疾患です。
治療目標は単に血圧を下げることだけではなく、脳卒中・心筋梗塞・慢性腎臓病といった臓器障害の予防にあります。
テルミサルタンを含むARBは降圧効果に加え、レニン-アンジオテンシン系(RAS)の抑制を通じた臓器保護効果が期待できる薬剤群です。
血圧が目標値まで下がっても自己判断で服用を中止せず、主治医の指示に従って継続することが合併症予防の観点から極めて重要です。
クレサーの服用方法
| 1回の用量 | 40mg(1錠)から開始 必要に応じて20〜80mgに調整 |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 毎日決まった時間(食事の影響を受けにくい) |
クレサーは、通常1日1回40mgから開始し、効果や忍容性に応じて20〜80mgの範囲で調整します。食事の影響を受けにくいため、食前・食後を問わず服用できます。毎日同じ時間に服用することで、安定した血圧コントロールが期待できます。
服用上の注意
- 肝機能に障害のある方は、最大用量が1日40mgに制限される場合があります
- 服用を開始した直後や増量時は、めまいやふらつきが起こりやすいため、車の運転や高所作業には注意が必要です
- 自己判断で服用を中止せず、継続して服用することが重要です
- 血圧が安定しても、服用を続けることで合併症予防の効果が維持されます
クレサーとミカルディスの比較
クレサーは、先発品ミカルディスと同じ有効成分(テルミサルタン)を含有するジェネリック医薬品です。両者の主な違いは以下の通りです。
| 項目 | クレサー | ミカルディス |
|---|---|---|
| 分類 | ジェネリック医薬品 | 先発医薬品 |
| 有効成分 | テルミサルタン | テルミサルタン |
| 製造元 | シプラ(Cipla) | ベーリンガーインゲルハイム |
| 入手方法 | 個人輸入 | 医療機関での処方 |
クレサーは先発品と同一の有効成分・同一の含有量で製造されているため、同等の効果が期待できます。ジェネリック医薬品として、費用を抑えながら高血圧症の治療を継続できる点がメリットといえます。
クレサーの警告・禁忌・副作用
警告
- 妊娠中または妊娠の可能性のある方は服用できません(胎児に重篤な障害を引き起こす可能性があります)
- 妊娠が判明した場合は、直ちに服用を中止してください
禁忌(服用できない方)
- 本剤の成分に過敏症の既往歴がある方
- 妊婦または妊娠している可能性のある方
- 胆汁分泌が極めて悪い方または重篤な肝障害のある方
- アリスキレン(ラジレス)を服用中の糖尿病の方
副作用
クレサーの主な副作用は以下の通りです。多くの場合、軽度で一時的なものですが、症状が持続する場合は服用を中止してください。
よくみられる副作用(1%以上)
- めまい、ふらつき
- 頭痛
- 背部痛
- 副鼻腔炎
- 下痢
重大な副作用(まれ)
- 血管浮腫(顔面、唇、舌、のどの腫れ)
- 高カリウム血症
- 腎機能障害
- 低血圧
- 肝機能障害
AtsuARBはACE阻害薬と異なり、ブラジキニンの分解を抑制しないため、空咳(乾性咳嗽)の副作用がほとんど生じません。
ACE阻害薬で咳の副作用を経験した方にとって、ARBへの切り替えは有用な選択肢の一つです。
一方で、ARBに特有の注意点として高カリウム血症があります。
特に腎機能が低下している方、カリウム保持性利尿薬やカリウム製剤を併用している方では、定期的な血清カリウム値のモニタリングが推奨されます。
また、服用開始時や増量時には一過性の低血圧が生じることがあり、めまい・ふらつきに注意が必要です。
体液量が減少している方(利尿薬使用中、高齢者、脱水傾向のある方など)ではリスクが高まるため、低用量から開始するなどの慎重な対応が求められます。
クレサーの他の薬との相互作用
併用禁忌(併用できない薬)
アリスキレン(糖尿病の方のみ)
糖尿病の方がテルミサルタンとアリスキレンを併用すると、腎機能障害、高カリウム血症、低血圧のリスクが高まります。
併用注意(注意が必要な薬)
ジゴキシン
テルミサルタンとの併用により、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性があります。併用する場合は、ジゴキシンの血中濃度モニタリングが推奨されます。
リチウム製剤
ARBとリチウム製剤の併用により、リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を引き起こす可能性があります。
カリウム保持性利尿薬、カリウム製剤
高カリウム血症のリスクが高まる可能性があります。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
イブプロフェンなどのNSAIDsとの併用により、降圧効果が減弱したり、腎機能が悪化する可能性があります。
クレサーの注意事項
- 高温多湿を避け、室温(15〜30℃)で保管してください
- テルミサルタンは湿気に弱いため、服用直前まで包装から取り出さないでください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
- 脱水状態では低血圧のリスクが高まるため、適切な水分摂取を心がけてください
- 授乳中の方は服用を避けるか、服用する場合は授乳を中止してください
- 定期的に血圧を測定し、効果を確認しながら服用を続けてください
クレサーのよくある質問
クレサーの効果はいつ頃から実感できますか?
クレサーは服用後約2〜4時間で血中濃度がピークに達します。血圧への効果は服用開始から数時間で現れ始めますが、安定した降圧効果を得るには少なくとも2週間以上の継続服用が必要です。効果を実感しにくくても、自己判断で中止せず継続してください。
クレサーは食事と一緒に服用してもよいですか?
テルミサルタンは食事の影響を受けにくいため、食事の前後を問わず服用できます。毎日同じ時間に服用することで、血中濃度が安定し、より効果的な血圧コントロールが可能になります。
クレサーの服用を忘れた場合はどうすればよいですか?
服用を忘れた場合は、気付いた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飛ばして次の通常の服用時間に1回分を服用してください。2回分を一度に服用しないでください。
他のARB(降圧薬)との違いは何ですか?
テルミサルタンはARBの中でも特に長い半減期(約20〜25時間)を持つ薬剤です。
このため、1日1回の服用で安定した降圧効果が得られ、服用を忘れた場合でも急激な血圧上昇を起こしにくい特徴があります。
また、脂溶性が高く組織への移行性に優れているほか、PPARγ部分活性化作用によるインスリン感受性改善効果が示唆されている点も、他のARBにはないテルミサルタンの特徴といえます。
血圧が下がったら服用をやめてもよいですか?
血圧が正常化しても、自己判断で服用を中止しないでください。降圧薬は血圧を下げているだけであり、高血圧の原因を治しているわけではありません。服用を中止すると血圧は再び上昇します。継続して服用することで、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を予防できます。