トール(利尿薬:ルプラック ジェネリック)
食事や生活習慣に気をつけていても、むくみや高血圧が改善しないと悩む方は多いのではないでしょうか。これらの症状を放置すると、悪化する可能性があるため何らかの対応が必要です。
トールは、腎臓に作用して余分な水分を排出する利尿薬です。強力な作用を持つループ利尿薬に分類され、心臓や肝臓、腎臓の病気によるむくみや高血圧を改善させる働きがあります。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Nami総合病院での院内薬剤師として勤務。主に救急や外科系の患者を担当しておりました。現在はその経験を活かして、医療系記事の執筆を担当しております。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
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また、トールの口コミ・効果・感想(レビュー)もございますので、あわせてご覧ください。
トールの概要
- 強力な利尿作用を持つループ利尿薬のひとつ
- 腎臓にあるヘンレループに作用し、ナトリウムとともに余分な水分を尿として排出する
- 他のループ利尿薬と比べて体内のカリウムが失われにくい
- 利尿作用は約6〜8時間で、比較的効果が長く続く
トールは、製薬会社インタスファーマシューティカルズによって製造販売されており、有効成分はトラセミドです。日本ではルプラックという商品名で販売されています。
利尿作用が強力なループ利尿薬に分類され、比較的効果が長く続きます。カリウムを体の中に保つ作用も持ち合わせており、他のループ利尿薬で起きやすい低カリウム血症のリスクが低いのも特徴です。
| 商品名 | トール 5mg/20mg |
|---|---|
| 内容量 | 10錠(5mg)/15錠(20mg) |
| 効果・効能 | 心性浮腫・腎性浮腫・肝性浮腫・高血圧症 |
| 有効成分 | トラセミド 5mg/20mg |
| 副作用 | 肝機能障害・黄疸 低カリウム血症・高カリウム血症 など |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | インタスファーマシューティカルズ |
Namiトールは、ループ利尿薬の作用の他に抗アルドステロン作用も持っています。これには血中のカリウムの低下を防ぐ作用があり、ループ利尿薬の副作用である低カリウム血症が起きにくいといわれています。
しかし、臨床試験では低カリウム血症の報告もあり、必ずしも低カリウム血症が起きないわけではありません。効果や体調を確認しながら服用しましょう。
トールはこんな方におすすめ
- むくみが気になる方
- 高血圧が気になる方
- 強力な利尿効果を求めている方
- 効果が長く続くタイプの利尿薬をお求めの方
- 他の利尿薬で起こりやすい低カリウム血症が気になる方
トールの有効成分について
トールは、ベルギーにおいて開発された利尿薬です。日本では、医療用医薬品であるルプラックとして販売されています。有効成分であるトラセミドが、腎臓の尿細管にあるヘンレループに作用し、むくみの原因である余分な水分をナトリウムとともに尿として排泄させます。
トールの効果・効能
- 心臓・腎臓・肝臓の臓器疾患によるむくみ
- 高血圧症
トールの有効成分であるトラセミドは、腎臓の尿細管の一部であるヘンレループ上行脚に作用します。この部分にはNa+-K+-2Cl–共輸送体というタンパク質があり、ナトリウムなどの電解質を血液中に戻しています。
トラセミドはこのNa+-K+-2Cl–共輸送体をブロックしてナトリウムを尿中に排泄させると同時に水分も移動させ、尿量を増やすのです。その結果、むくみの改善や血圧の低下が期待できます。
Namiトラセミドは利尿作用によって体の血液量を減らし、血圧を低下させます。
海外ではむくみ以外に高血圧症にも使用されていますが、日本で同成分として販売されているルプラックの適応症は「むくみ」のみとなっています。
また、日本と海外では販売している規格が異なり、海外で用量が高めに設定されている点に注意してください。これは日本人がその他の人種と比べて体格や遺伝的要因が異なるためです。
少量から開始して、必要に応じて徐々に増量しましょう。
高血圧症治療ガイドラインでは、治療時に利尿薬を使用する場合はサイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド・トリクロルメチアジド)をまず選択するのが一般的といわれています。
トールなどのループ利尿薬は、降圧作用が比較的低いという報告もあります。むくみよりも高血圧が気になる方は他の薬剤を検討してもよいでしょう。
トールの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 5mgは1錠、20mgは1/4錠 |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 午前中の服用を推奨 |
使用上の注意
- 血圧の低下に伴い、めまいやふらつきがあらわれることがあります。高い所での作業や、自動車の運転は注意して行ってください。
- 服用後、トイレの回数が増えます。夜間に十分な休息が必要な場合は、午前中に服用するとよいでしょう。
- 効果が急激にあらわれて、脱水状態になることがあります。少量から開始して効果をみつつ、必要であれば少しずつ増量しましょう。
- 光・温度・湿度によって有効成分が変質し効果が損なわれる可能性があります。高温多湿や直射日光を避けて保管し、使用期限が過ぎたものは使用しないでください。
トールの警告・禁忌・副作用
警告
該当なし
禁忌
- 尿が全く出ない状態(無尿)の方
- 肝臓の機能が低下による意識障害(肝性昏睡)の状態の方
- 体内のナトリウムやカリウムが著しく低下している方
- デスモプレシン(商品名:ミニリンメルト)を服用中の方
- 有効成分のトラセミドに対して過敏症を起こしたことがある方
- スルフォンアミド誘導体に対し過敏症を起こしたことがある方
Namiスルフォンアミド誘導体は医薬品として広く利用されている化合物です。
さまざまな分野の医薬品に多く使用されており、抗生物質(サルファ剤)や利尿薬(フロセミドなど)、糖尿病薬(グリメピリドなど)が主な医薬品です。
トールの有効成分も、スルフォンアミドに構造が似ています。スルフォンアミド誘導体で過敏症を起こしたことがある方は、トールの服用で同様の症状があらわれるかもしれません。
過去に医薬品で過敏症を経験した方は、医師や薬剤師に相談の上使用するようにしてください。
副作用
重大な副作用
- 肝機能障害
- 黄疸
- 血小板減少
- 低カリウム血症、高カリウム血症
他にも副作用として、以下が報告されています。
- 頭痛
- めまい
- 手足のしびれ
- 口渇
- 動悸
- 頻尿
トールの他の薬との相互作用
併用しないこと
- デスモプレシン(商品名:ミニリンメルト)を服用中の方
夜間多尿による頻尿治療薬であるデスモプレシンは、その作用から低ナトリウム血症を引き起こすことがあります。トールも同様にナトリウムの排泄を促すため、ナトリウムが必要以上に低下するおそれがあり併用は認められていません。
併用に注意すること
- 降圧薬
トールは利尿により血圧を下げるため、同様の作用がある降圧薬を服用すると血圧が下がりすぎる可能性があります。
- セファロスポリン系抗生物質(セファレキシン・セファクロル・セフジニルなど)
- アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン・アミカシンなど)
ループ利尿剤投与により、間接的にセファロスポリン系抗生物質の濃度が上昇し、毒性が増強するおそれがあります。
- 糖尿病薬
トールによる体内のカリウム量の変動によって、糖尿病薬の作用が低下するおそれがあります。
- 非ステロイド系消炎鎮痛剤(インドメタシン・ロキソプロフェンなど)
非ステロイド系消炎鎮痛剤によって腎臓へ流れる血流量が減少することで、トールの本来の作用が弱くなる可能性があります。
- サリチル酸誘導体(アスピリンなど)
トールとアスピリンが同じ場所から排泄される関係から、併用するとサリチル酸誘導体の排泄が遅れて中毒症状が起きる可能性があります。
- ジギタリス製剤(ジギトキシン・ジゴキシンなど)
トールによる低カリウム血症によりジギタリス製剤の効果が増強し、不整脈や中毒症状が起きるおそれがあります。
- 尿酸排泄促進薬(プロベネシドなど)
トールが尿酸排泄促進薬の作用を低下させて、高尿酸血症を引き起こす可能性があります。
- カルバマゼピン
どちらもナトリウムを排泄する作用があり、低ナトリウム血症があらわれる可能性があります。
- 炭酸リチウム
併用によって炭酸リチウムの血中の量が上昇し、リチウム中毒を起こすおそれがあります。
トールの注意事項
- 重篤な冠動脈硬化症や脳動脈硬化症の方は、トールの急激な利尿作用によって血栓ができやすくなるおそれがあります。
- 本人や両親、兄弟に痛風や糖尿病がある方は、痛風発作や糖尿病が悪化するおそれがあります。
- 下痢や嘔吐がある方は、服用することで電解質異常が生じるおそれがあります。
- 減塩療法を受けている方は、低ナトリウム血症が起きる可能性があります。
- 腎機能障害がある方は、腎機能が悪化して排泄が遅れ、効果が強くあらわれる可能性があります。
- 妊婦の方がトールを服用したい場合は、医師や薬剤師に相談してください。
- 授乳婦の方がトールを内服した場合、授乳は避けましょう。動物実験でトールの乳汁移行が認められています。
- 高齢者の方は、トールの作用が強く出て薬が効きすぎる可能性があります。少量から服用を開始しましょう。
トールのよくある質問
食事の影響はありますか?
食事の影響はないと考えられています。臨床試験でトールの吸収や体内への分布、排泄に大きな差がなく、尿量にも影響がないという報告がされています。
どれくらいで効きはじめ、効果が続きますか?
おおよそ1時間以内に効果があらわれ始め、約6〜8時間効果が持続します。ただし、効果の発現や持続時間には個人差があります。
他のループ利尿薬(フロセミドなど)との違いは何ですか?
以下の違いがあります。
- より強力な利尿作用と抗浮腫作用がある
代表的なループ利尿薬であるフロセミドと比べると、利尿作用は約10〜30倍、抗浮腫作用は約10倍といわれています。
- 低カリウム血症のリスクが低い
トールはカリウムを保持するはたらきがあります(抗アルドステロン作用)。フロセミドにはこの作用はありません。そのため、ループ利尿薬の代表的な副作用である低カリウム血症が起こりにくいといわれています。
これにより、筋肉のけいれんや脱力感といった低カリウム血症に伴う副作用のリスクを軽減できます。
低カリウム血症にはならないのは本当ですか?
他のループ利尿薬と比べて低カリウム血症になりにくいのは確かです。しかし、臨床試験では低カリウム血症の報告もされており、必ずしも起きないわけではありません。体の中の電解質バランスが乱れていると、低カリウム血症が起こりやすいため注意しましょう。
飲み忘れた場合はどうすればよいですか?
飲み忘れに気がついたのがその日のうちの場合は、気がついたときにその日の分を服用してください。次の服用時間に近い場合は、飲み忘れた分はスキップします。飲み忘れたからといって、2回分を一度に服用するのは避けましょう。
感染したかもしれないのでPEPを行いたいのですが
感染の可能性のある行為の後で72時間以内に始める必要があります。継続期間は28日間続ける必要があります。適切な治療を行うためには、遺伝子検査による薬剤耐性を把握することも大切ですので、医療機関の受診を推奨します。
トールの口コミ・効果・感想(レビュー)
当サイトが独自に取材したトールの口コミ・効果・感想(レビュー)もございますので、あわせてご覧ください。
