オベリット(肥満治療薬:ゼニカル ジェネリック)
オベリット(Obelit)は、肥満治療薬「ゼニカル」のジェネリック医薬品であり、有効成分オルリスタット60mgを配合した脂肪吸収阻害薬(リパーゼ阻害薬)です。
食事に含まれる脂肪を分解する消化酵素(リパーゼ)の働きを阻害することで、脂肪の約30%を未消化のまま体外へ排出させます。ゼニカル(120mg)の半量である60mgを含有しているため、効果がより穏やかで副作用のリスクも低減されている点が特徴です。
脂肪分の多い食事の際に服用するだけという手軽さから、食事制限が続きにくい方の体重管理をサポートします。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
オベリットの概要
- オルリスタット60mgを配合した脂肪吸収阻害薬(ゼニカルのジェネリック)
- 食事に含まれる脂肪の約30%を未消化のまま体外へ排出
- ゼニカル(120mg)の半量で、効果が穏やか・副作用リスクが低減
- 1箱30カプセル入り
- インタスファーマシューティカルズが製造
オベリットの製造元はインタスファーマシューティカルズ(Intas Pharmaceuticals Ltd.)です。インタスはインド・アーメダバードに本社を置く製薬企業で、ジェネリック医薬品を中心に世界70か国以上に医薬品を供給しています。
| 商品名 | オベリット(Obelit) |
|---|---|
| 内容量 | 30カプセル |
| 効果・効能 | ・肥満症の治療 ・体重管理のサポート |
| 有効成分 | オルリスタット 60mg |
| 副作用 | ・油性便、油漏れ ・おならの増加 ・排便回数の増加 ・脂溶性ビタミンの吸収低下 |
| 形状・剤形 | カプセル |
| ブランド | インタスファーマシューティカルズ (Intas Pharmaceuticals) |
Atsuオベリットは、先発薬ゼニカル(オルリスタット120mg)の半量である60mgを含有したジェネリック医薬品です。
日本では2024年に同じオルリスタット60mgを含有する「アライ」がダイレクトOTC医薬品(要指導医薬品)として発売されました。
アライは薬局・ドラッグストアにおいて薬剤師の対面指導のもとで購入できる医薬品であり、腹囲(へそ周り)が男性85cm以上、女性90cm以上の方を対象とする、内臓脂肪減少薬として承認されています。
オベリットはこのアライと同じオルリスタット60mgを含有しており、食事に含まれる脂肪の吸収を約30%抑制するとされています。
なお、オベリットを2カプセル(120mg)服用した場合、ゼニカルと同等の用量となりますが、自己判断での増量は副作用(油漏れ・油性便など)の増強につながる可能性があるため、推奨されません。
増量を検討する場合は医師にご相談ください。
オベリットはこんな方におすすめ
- 脂肪分の多い食事が好きで、食事制限が続かない方
- ゼニカルの副作用(油漏れなど)が気になり、穏やかな効果の薬を試したい方
- ダイエット目的の医薬品を使用するのが初めてで、まずは低用量から始めたい方
- 食事管理と運動に加えて、薬で体重管理を補助したい方
- ゼニカルと同等の効果をより手頃な価格で得たい方
オベリットの有効成分について
オベリットには、リパーゼ阻害薬であるオルリスタットが60mg配合されています。オルリスタットは、消化管内で脂肪の分解を担う酵素(膵リパーゼおよび胃リパーゼ)の活性部位に結合し、その働きを阻害する成分です。
食事に含まれる脂肪(トリグリセリド)は、リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに分解されて初めて小腸から吸収されます。オルリスタットがリパーゼを阻害すると、脂肪はトリグリセリドのまま消化されずに腸を通過し、そのまま便とともに体外へ排出されます。
オルリスタットは消化管内で局所的に作用し、体内にはほとんど吸収されません。このため、全身性の副作用が少ないのが特徴です。
Atsuオルリスタットの大きな特徴は、体内にほとんど吸収されずに消化管内で局所的に作用する点です。
食欲抑制剤のように中枢神経系に作用する成分ではないため、精神的な副作用(不安、不眠、動悸など)のリスクが低いとされています。
ただし、脂肪の吸収を阻害する作用に伴い、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収も低下するおそれがあります。
長期間服用する場合は、マルチビタミンサプリメントの併用を検討しましょう。
なお、ビタミンサプリメントを摂取する際は、オベリットの服用前後2時間以上の間隔を空けて摂取してください。
オベリットの効果・効能
- 肥満症の治療:食事由来の脂肪吸収を抑制し、カロリー摂取量を低減
- 体重管理のサポート:食事管理や運動と併用することで体重減少を促進
オルリスタットの効果は服用後約30分で現れ始め、食事に含まれる脂肪の約30%の吸収を阻害するとされています。体重減少の実感は、一般的に服用開始後2〜3週間で得られることが多いです。
ただし、オベリットは食事に含まれる脂肪にのみ作用する薬であり、糖質やタンパク質の吸収には影響しません。また、すでに体内に蓄積された脂肪を分解する作用もないため、食事管理や適度な運動との併用が重要です。
オベリットの服用方法・使用方法
オベリットは脂肪分を含む食事の際に、食事中または食後1時間以内に水またはぬるま湯で服用します。
| 用法・用量 | 1回1〜2カプセルを食事中または食後1時間以内に服用 |
|---|---|
| 1回の用量 | 1カプセル(60mg)または2カプセル(120mg) |
| 服用回数 | 1日最大3回(毎食時) |
| 服用タイミング | 脂肪分を含む食事の際のみ |
| 脂肪分の少ない食事時 | 服用不要 |
使用上の注意
- 脂肪分の少ない食事の場合は服用する必要はありません
- 長期間服用する場合は、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)を含むマルチビタミンサプリメントを併用してください
- ビタミンサプリメントはオベリットの服用から前後2時間以上の間隔を空けて摂取してください
- 食事1回あたりの脂肪摂取量は、総カロリーの約30%以下を目安にしてください(脂肪の過剰摂取は消化器系の副作用を増強します)
Atsuオベリットの副作用(油漏れ、油性便など)は、食事に含まれる脂肪量に比例して強くなる傾向があります。
脂肪分の多い食事(揚げ物、脂身の多い肉、バターをたっぷり使った料理など)と一緒に服用すると、未消化の油が便とともに排出されるため、油漏れや油性便の頻度が高まります。
副作用を最小限に抑えるには、1回の食事あたりの脂肪摂取量を総カロリーの約30%以下(目安として約15〜20g程度)に抑えるのが理想的です。
なお、飲み忘れた場合や脂肪分の少ない食事をとった場合は、その回の服用を省略しても問題ありません。
オベリットの警告・禁忌・副作用
禁忌(服用できない方)
- オルリスタットに対して過敏症の既往歴がある方
- 慢性吸収不良症候群の方
- 胆汁うっ滞のある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 18歳未満の方、65歳以上の高齢の方
副作用
オベリットで起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。これらの多くはオルリスタットが脂肪の吸収を阻害している過程で生じるものです。
- 油性便・脂肪便(便に油分が混じる)
- 油漏れ(便意と無関係に油分が肛門から漏れることがある)
- おならの増加(油分を伴うことがある)
- 排便回数の増加、排便の切迫感
- 下痢、軟便
- 腹痛、腹部膨満感
- 脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収低下
油漏れや油性便は、特に脂肪分の多い食事を摂った場合に顕著になります。これらの副作用は薬が正しく作用している証でもあり、食事中の脂肪摂取量を減らすことで軽減できます。
重篤な副作用
ごくまれに、以下のような重篤な副作用が報告されています。
- 肝機能障害(肝酵素の上昇)
- 胆石症
- 膵炎
- 腎障害(シュウ酸腎症)
Atsuオベリットの副作用として最も特徴的なのは、消化されなかった油分が便に混じって排出される「油性便」や「油漏れ」です。
これらは薬が正しく脂肪の吸収を阻害している結果であり、ただちに健康上の問題を引き起こす症状ではありません。
ただし、外出時や仕事中の油漏れは日常生活に支障をきたすことがあるため、服用開始当初は生理用ナプキンなどで下着を保護しておくと安心です。
なお、脂肪の吸収が阻害されることで、急激な体重減少に伴い胆石のリスクがわずかに高まるとの報告があります。
右上腹部の痛みや黄疸が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
オベリットの他の薬との相互作用
併用に注意すること
抗凝固薬
オルリスタットはビタミンKの吸収を低下させるため、ワルファリンの抗凝固作用に影響を及ぼすおそれがあります。
- ワルファリン(ワーファリン):INR値のモニタリングが必要
シクロスポリン
オルリスタットとの併用によりシクロスポリンの血中濃度が低下するおそれがあります。やむを得ず併用する場合は、シクロスポリンの服用とオベリットの服用の間隔を3時間以上空けてください。
- シクロスポリン(ネオーラル等):血中濃度の低下に注意
甲状腺ホルモン製剤
オルリスタットとの併用により、レボチロキシンの吸収が低下し、甲状腺機能低下症のコントロールが不良になるおそれがあります。
- レボチロキシン(チラーヂンS):服用間隔を4時間以上空ける
その他の併用注意薬
以下の薬剤との併用は、オルリスタットにより吸収が低下するおそれがあるため注意が必要です。
- アミオダロン:血中濃度が低下するおそれがあります
- 抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム等):効果が減弱するおそれがあります
- 脂溶性ビタミン含有サプリメント:服用前後2時間以上の間隔を空けてください
オベリットの注意事項
- 脂溶性ビタミン(A・D・E・K)を含むサプリメントを併用してください(服用から2時間以上空ける)
- 妊娠中・授乳中の方は服用できません
- 胆石症の既往がある方は、使用前に医師にご相談ください
- 脂肪分を含まない食事の場合は、服用する必要はありません
- 体重減少は食事管理と運動の併用で効果が高まります
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
オベリットのよくある質問
オベリットとゼニカルの違いは何ですか?
オベリットはゼニカルと同じ有効成分オルリスタットを含むジェネリック医薬品ですが、含有量が異なります。ゼニカルが1カプセル120mgであるのに対し、オベリットは60mgです。
効果はゼニカルよりも穏やかですが、油漏れなどの消化器系の副作用も軽減されるため、初めての方に適しています。2カプセル服用すればゼニカルと同等の効果が期待できます。
糖質やタンパク質にも効果がありますか?
オベリットは食事に含まれる脂肪の吸収のみを阻害する薬であり、糖質やタンパク質の吸収には影響しません。
糖質の吸収を抑えたい場合は、α-グルコシダーゼ阻害薬(アカルボースなど)が別途必要になります。
油漏れが心配ですが対策はありますか?
油漏れは、食事中の脂肪摂取量を総カロリーの約30%以下に抑えることで軽減できます。脂肪分の多い食事を避けることが最も効果的な対策です。
また、服用開始当初は生理用ナプキンなどで下着を保護しておくと安心です。脂肪分の少ない食事の場合はオベリットの服用を省略しても問題ありません。
どのくらいで効果が出ますか?
体重減少の実感は、一般的に服用開始後2〜3週間で得られるとされています。ただし、オベリットは食事管理や運動と併用することで効果が高まる薬です。
オベリットの服用だけで劇的な体重減少を期待するのではなく、バランスのよい食事と適度な運動を併せて実践してください。
ビタミンサプリメントは必ず飲む必要がありますか?
長期間(数か月以上)服用する場合は、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)を含むマルチビタミンサプリメントの併用が望ましいです。オベリットは脂肪とともに脂溶性ビタミンの吸収も低下させるためです。
ビタミンサプリメントはオベリットの服用から前後2時間以上の間隔を空けて摂取してください。
オベリットに関連する添付文書等の参考資料
オベリットの有効成分(オルリスタット)に関する参考資料を以下に掲載します。