ファンゴラールクリーム(外用抗真菌薬:ニゾラールクリーム ジェネリック)
ファンゴラールクリーム(Fungoral Cream)は、有効成分ケトコナゾール2%を配合した外用抗真菌薬です。
真菌(カビ)の細胞膜を構成するエルゴステロールの合成を阻害することで抗真菌作用を発揮し、白癬(水虫・たむし・いんきんたむし)、皮膚カンジダ症、癜風(でんぷう)、脂漏性皮膚炎など幅広い皮膚真菌感染症に使用されます。
日本で処方されている「ニゾラールクリーム」と同じ有効成分・同じ濃度(ケトコナゾール2%)を含有する外用薬であり、1日1回から2回、症状に応じた頻度で塗布します。。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
ファンゴラールクリームの概要
- ケトコナゾール2%を配合した外用抗真菌薬(ニゾラールクリームと同成分・同濃度)
- 白癬、皮膚カンジダ症、癜風、脂漏性皮膚炎に有効
- 真菌の細胞膜合成を阻害して抗真菌作用を発揮
- 1本30g入り
- カロヘルスケアが販売
ファンゴラールクリームの販売元はカロヘルスケア(Karo Healthcare AB)です。カロヘルスケアはスウェーデン・ストックホルムに本社を置くヘルスケア企業で、スキンケア・フットケア・消化器領域を中心にブランド医薬品やOTC製品を欧州各国で展開しています。
| 商品名 | ファンゴラールクリーム(Fungoral Cream) |
|---|---|
| 内容量 | 30g(1本) |
| 効果・効能 | ・白癬(足白癬・体部白癬・股部白癬) ・皮膚カンジダ症 ・癜風(でんぷう) ・脂漏性皮膚炎 |
| 有効成分 | ケトコナゾール 2%(1g中20mg) |
| 副作用 | ・刺激感、かゆみ ・赤み、かぶれ ・発疹(まれ) |
| 形状・剤形 | クリーム(外用) |
| ブランド | カロヘルスケア(Karo Healthcare) |
Atsuファンゴラールクリームは、日本で処方されている「ニゾラールクリーム2%」と同じ有効成分ケトコナゾールを同濃度で含有する外用抗真菌薬です。
ニゾラールクリームの添付文書に記載された国内臨床試験データでは、白癬に対する有効率が約74%、皮膚カンジダ症に対して約85%、脂漏性皮膚炎に対して約79%と報告されています。
これらの数値は「やや改善」以上を有効と判定した結果であり、疾患の重症度や部位によって個人差がある点には留意が必要です。
ケトコナゾールはイミダゾール系抗真菌薬に分類され、真菌の細胞膜成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで効果を発揮します。
外用製剤は皮膚からの全身吸収がほとんどないため、経口ケトコナゾールで問題となる肝毒性のリスクは外用では極めて低いと考えられています。
なお、ファンゴラールクリームは海外製のジェネリック医薬品であり、添加物(基剤成分)が日本のニゾラールクリームと異なる可能性があります。
有効成分は同一ですが、使用感やアレルギー反応に違いが生じる場合がある点にはご注意ください。
ファンゴラールクリームはこんな方におすすめ
- 水虫(足白癬)やたむし(体部白癬)の症状がある方
- いんきんたむし(股部白癬)の治療を行いたい方
- 脂漏性皮膚炎による顔や頭皮のフケ・赤みに悩んでいる方
- 癜風(でんぷう)の治療薬を探している方
- ニゾラールクリームと同等の効果をより手頃な価格で得たい方
ファンゴラールクリームの有効成分について
ファンゴラールクリームには、イミダゾール系抗真菌薬であるケトコナゾールが2%(1gあたり20mg)配合されています。
ケトコナゾールは、真菌の細胞膜の主要構成成分であるエルゴステロールの合成過程を阻害することで抗真菌作用を発揮します。具体的には、エルゴステロール合成経路においてラノステロールの14α-脱メチル化を触媒する酵素CYP51(14α-デメチラーゼ)を阻害し、エルゴステロールへの変換を遮断します。
エルゴステロールの合成が阻害されると真菌の細胞膜の構造と機能が損なわれ、細胞の増殖が抑制されます。ケトコナゾールは白癬菌(Trichophyton属)、カンジダ(Candida属)、マラセチア(Malassezia属)など幅広い真菌に対して抗菌活性を示します。
Atsuケトコナゾールはイミダゾール系に属する広域スペクトルの抗真菌薬で、白癬菌(Trichophyton属)、カンジダ(Candida属)、マラセチア(Malassezia属)など多くの真菌種に対して抗菌活性を示します。
同じアゾール系外用抗真菌薬にはミコナゾール(フロリード)やクロトリマゾール(エンペシド)などがありますが、ケトコナゾールは特にマラセチア属に対する抗菌力が強いことが臨床上の特徴です。
マラセチア属は脂漏性皮膚炎や癜風の主要な原因菌であり、この点がケトコナゾールに脂漏性皮膚炎の適応がある根拠となっています。
外用ケトコナゾールは角質層への移行性が高い一方、経皮吸収による全身への移行はほとんど認められません。
そのため、経口ケトコナゾールで報告されている肝機能障害やCYP3A4阻害に基づく薬物相互作用といった全身性のリスクは、外用製剤では臨床上問題とならないと考えられています。
ファンゴラールクリームの効果・効能
- 白癬:足白癬(水虫)、体部白癬(たむし)、股部白癬(いんきんたむし)
- 皮膚カンジダ症:指間びらん症、間擦疹など
- 癜風(でんぷう):マラセチア属真菌による皮膚感染症
- 脂漏性皮膚炎:顔面や頭皮のフケ・赤み・かゆみ
ニゾラールクリームの添付文書(国内臨床試験データ)によると、白癬に対する有効率は約74%、皮膚カンジダ症に対しては約85%、脂漏性皮膚炎に対しては約79%と報告されています。
効果が現れるまでの期間は症状や部位によって異なりますが、一般的に1から2週間で改善の兆候がみられ始めます。ただし、白癬の場合は再発を防ぐために症状の改善後も含めて十分な期間(一般的に最低4週間)塗布を継続することが推奨されています。
ファンゴラールクリームの使用方法
ファンゴラールクリームは患部を清潔にした後、適量を薄く塗布します。症状や部位によって塗布回数や治療期間が異なります。
| 適応症 | 塗布回数 | 治療期間の目安 |
|---|---|---|
| 白癬(水虫・たむし・いんきんたむし) | 1日1回 | 最低4週間 |
| 皮膚カンジダ症 | 1日1回 | 2から3週間 |
| 癜風(でんぷう) | 1日1回 | 2から3週間 |
| 脂漏性皮膚炎 | 1日2回 | 2〜4週間(症状に応じて延長) |
使用上の注意
- 患部とその周囲を清潔にしてから塗布してください(入浴後の使用が効果的です)
- 症状が改善しても、指定された期間は塗布を継続してください(途中で中止すると再発のおそれがあります)
- 眼や口腔内、粘膜部位への使用は避けてください
- 塗布後は手をよく洗ってください(患部に触れた手で他の部位に触れないようにするため)
Atsuファンゴラールクリームを使用するうえで最も大切なポイントは、症状が治まったように見えても所定の治療期間を守って塗り続けることです。
皮膚表面の症状が消失しても、角質層の深部に真菌が残存しているケースは珍しくありません。
自己判断で早期に中止すると、残った真菌が再増殖して再発につながるおそれがあります。
特に足白癬では角質層が厚いため、治療期間の遵守が再発予防の鍵を握ります。
塗布の際は患部だけでなく、その周囲2cmほどの範囲にも薄く広げるようにしてください。
真菌は目に見える症状がない周辺部にも分布していることが多く、患部のみの塗布では不十分になる場合があるためです。
入浴後など皮膚が清潔で角質が柔らかくなっている状態での塗布が、薬剤の浸透性の観点から効果的といえるでしょう。
ファンゴラールクリームの警告・禁忌・副作用
禁忌(使用できない方)
- ケトコナゾールに対して過敏症の既往歴がある方
副作用
ファンゴラールクリームで起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。
- 塗布部位の刺激感、ヒリヒリ感
- かゆみ
- 赤み(紅斑)
- かぶれ(接触皮膚炎)
- 皮膚の乾燥、落屑(皮がむける)
これらの副作用の多くは軽度で一時的なものです。症状が強い場合や長引く場合は使用を中止し、医師にご相談ください。
重篤な副作用
ごくまれに、以下のような重篤な副作用が報告されています。
- 過敏症(蕁麻疹、血管浮腫)
- 重度の接触皮膚炎
Atsuケトコナゾール外用薬の副作用は、そのほとんどが塗布部位に限局した局所反応です。
全身性の副作用が生じるリスクは、経皮吸収がほとんどない外用製剤では極めて低いと考えられています。
塗布開始直後に軽い刺激感やかゆみを感じることがありますが、多くの場合は一過性で、使用を続けるうちに軽減します。
ただし、塗布後に強いかゆみ・腫れ・水疱・びらんなどが出現した場合は、薬剤自体へのアレルギー反応(接触皮膚炎)の可能性があるため、直ちに使用を中止し医療機関を受診してください。
なお、ケトコナゾールは抗真菌薬であり、ステロイド外用薬ではありません。
そのため、ステロイド外用薬の長期使用で懸念される皮膚萎縮・毛細血管拡張・リバウンド現象といった副作用は生じません。
脂漏性皮膚炎のように長期的な管理が必要な疾患では、この特性が臨床上の重要な利点となります。
ファンゴラールクリームの他の薬との相互作用
ケトコナゾール外用薬は皮膚から体内への吸収がほとんどないため、全身性の薬物相互作用が生じるリスクは極めて低いとされています。ただし、以下の点にはご注意ください。
他の外用薬との併用
同じ部位に複数の外用薬を塗布する場合、互いの吸収や効果に影響を与えるおそれがあります。
- ステロイド外用薬との併用:医師の指示のもとで使用してください
- 他の抗真菌外用薬との重複使用は避けてください
ファンゴラールクリームの注意事項
- 眼や口腔内、粘膜部位には使用しないでください
- 症状が改善しても、指定された治療期間は使用を続けてください
- 妊娠中・授乳中の方は使用前に医師にご相談ください
- 塗布後に強い刺激感やアレルギー症状が現れた場合は、使用を中止してください
- 患部を清潔にしてから塗布し、塗布後は手をよく洗ってください
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
ファンゴラールクリームのよくある質問
ファンゴラールクリームとニゾラールクリームの違いは何ですか?
ファンゴラールクリームとニゾラールクリームは同じ有効成分ケトコナゾールを同じ濃度(2%)で含有しており、効果は同等と考えられています。
製造元が異なり、添加物(基剤)の組成にも違いがある可能性がありますが、有効成分の種類・濃度・作用機序は同一です。使用感や肌との相性に若干の差が生じることがある点はご了承ください
水虫にはどのくらいの期間使えばよいですか?
白癬(水虫)の場合は、1日1回の塗布を最低4週間継続してください。
症状が改善しても、真菌が角質層の深部に残存している可能性があるため、自己判断で使用を中止しないでください。再発を防ぐためにも、治療期間を守ることが重要です。
脂漏性皮膚炎に使えますか?
ケトコナゾールは脂漏性皮膚炎の原因菌であるマラセチア属に対して強い抗菌活性を持っており、脂漏性皮膚炎の治療に適しています。
脂漏性皮膚炎の場合は1日2回の塗布を2〜4週間(症状に応じて延長)継続します。ステロイド外用薬と異なり皮膚萎縮のリスクがないため、長期使用にも適した薬剤です。
顔に塗っても大丈夫ですか?
ファンゴラールクリームは顔の皮膚に塗布することが可能です。脂漏性皮膚炎は鼻の周囲や眉間、額などの顔面にも生じることがあり、これらの部位への使用が想定されています。
ただし、眼の周囲や粘膜部位への直接塗布は避けてください。万が一目に入った場合は、すぐに水で洗い流してください。
ステロイド外用薬との違いは何ですか?
ステロイド外用薬は炎症を抑える薬であり、ファンゴラールクリームは真菌を殺滅する薬です。目的が根本的に異なります。
脂漏性皮膚炎の場合、ステロイドは炎症を速やかに鎮静しますが、長期使用では皮膚萎縮や毛細血管拡張、中止時のリバウンドが懸念されます。一方、ケトコナゾールは原因菌であるマラセチアに直接作用する抗真菌薬であり、こうしたリスクを伴わないため長期管理に適した選択肢といえるでしょう。
ファンゴラールクリームに関連する添付文書等の参考資料
ファンゴラールクリームの有効成分(ケトコナゾール)に関する参考資料を以下に掲載します。