アキャンプタス(アルコール依存症治療薬:レグテクト ジェネリック)
アキャンプタス(Acamptas)は、アルコール依存症における断酒維持をサポートする断酒補助薬です。有効成分アカンプロサートカルシウム333mgを含有し、先発医薬品レグテクト錠のジェネリック医薬品として、インタスファーマシューティカルズ(Intas Pharmaceuticals)が製造しています。
長期間の飲酒によって亢進した脳内の興奮性神経伝達を抑え、飲酒欲求を和らげることで断酒を続けやすい状態をサポートします。心理社会的治療(カウンセリングや認知行動療法など)と併用することで、より高い断酒維持効果が期待できるとされています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
また、アキャンプタスの口コミ・効果・感想(レビュー)もございますので、こちらもぜひご覧ください。

Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
アキャンプタスの概要
- 先発医薬品レグテクトのジェネリックとして、同等の効果を低価格で提供
- 有効成分アカンプロサートカルシウムが飲酒欲求を抑制
- 国内臨床試験で断酒維持率47.2%を達成(プラセボ群36.0%と比較)
- 心理社会的治療と併用することで効果を発揮
- アルコールへの嫌悪反応を起こさず、抗酒薬(ジスルフィラム)とは異なる作用機序
アキャンプタスは、お酒をやめたい・断酒を続けたいという意志がある方を対象とした断酒補助薬です。飲酒を続けることを前提とした使用には適していません。
| 商品名 | アキャンプタス(Acamptas) |
|---|---|
| 内容量 | 100錠 |
| 効果・効能 | アルコール依存症における断酒維持の補助 |
| 有効成分 | アカンプロサートカルシウム 333mg |
| 副作用 | 下痢、腹部膨満、嘔吐、傾眠、悪心など |
| 形状・剤形 | 腸溶性フィルムコーティング錠(白色・円形) |
| ブランド | インタスファーマシューティカルズ(Intas Pharmaceuticals) |
Atsuアキャンプタスの有効成分アカンプロサートは、抗酒薬(ジスルフィラム、シアナミド等)とは根本的に異なるアプローチで断酒を支援します。
抗酒薬は、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)を阻害することで、飲酒時にアセトアルデヒドを蓄積させ、悪心・嘔吐・顔面紅潮・動悸などの不快反応(ジスルフィラム-エタノール反応)を意図的に引き起こす薬剤です。
一方、アカンプロサートは脳内の興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の過剰な活動を抑制することで、飲酒欲求そのものを軽減すると考えられています。
そのため、服用中に飲酒しても抗酒薬のような不快反応は生じません。
ただし、不快反応が起きないからといって飲酒してよいわけではなく、断酒の意志を持って服用を継続することが重要です。
アキャンプタスはこんな方におすすめ
- お酒をやめたい、断酒を続けたいという意志がある方
- アルコール依存症の治療に取り組んでいる方
- 飲酒欲求を抑えて断酒を継続しやすくしたい方
- カウンセリングや自助グループなどの心理社会的治療と併せて薬物療法を希望される方
- 先発薬レグテクトと同等の効果を費用を抑えて得たい方
アキャンプタスの有効成分について
アキャンプタスの有効成分はアカンプロサートカルシウムです。
アカンプロサートの正確な作用機序は完全には解明されていませんが、主にNMDA型グルタミン酸受容体や代謝型グルタミン酸受容体(mGluR5)に作用し、グルタミン酸作動性神経の過剰な興奮を抑制すると考えられています。
なお、「NMDA受容体拮抗薬」という分類は厳密ではなく、グルタミン酸神経伝達の調節薬として位置づけるのがより正確です。
長期間の飲酒により、脳内では抑制性神経伝達(GABA系)の機能が低下し、代償的に興奮性神経伝達(グルタミン酸系)が亢進した状態となります。
この状態で飲酒を中断すると、興奮性の亢進が表面化し、不安・焦燥感・落ち着かなさなどが生じ、飲酒欲求につながると考えられています。
アカンプロサートはこの興奮性の亢進を抑えることで、飲酒欲求を軽減させます。
アキャンプタスの効果・効能
- アルコール依存症における断酒維持の補助
アキャンプタスは、断酒を開始した後に飲酒欲求を和らげ、断酒を続けやすくする効果があります。国内で実施された臨床試験では、24週間の投与期間における完全断酒率が本剤群47.2%、プラセボ群36.0%と、本剤の優越性が確認されています。
ただし、本剤は単独で使用するものではなく、カウンセリングや認知行動療法などの心理社会的治療と併用することで効果を発揮します。また、アルコール離脱症状(手の震え、不安、不眠など)の治療を目的としたものではありません。
Atsuアカンプロサートは、あくまで「断酒を維持するための補助薬」であり、飲酒量を減らす目的(減酒)には適応がありません。
減酒を目的とする場合は、ナルメフェン(セリンクロ錠)が国内で適応を有しており、目的に応じた薬剤選択が重要となります。
アカンプロサートの効果は、断酒の意志を持ち、心理社会的治療に取り組んでいる方において最大限に発揮されるものです。
また、本剤の臨床試験は心理社会的治療との併用下で実施されているため、薬剤の服用のみで断酒を達成することは想定されていません。
主治医やカウンセラーとの連携のもとで使用することが大切です。
アキャンプタスの服用方法
| 1回の用量 | 2錠(666mg) |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 3回 |
| 服用するタイミング | 食後 |
| 投与期間 | 原則24週間 |
通常、成人は1回2錠(アカンプロサートカルシウムとして666mg)を1日3回、食後に服用します。本剤は食事の影響を受けやすく、食後投与での有効性・安全性が確認されているため、必ず食後に服用してください。
服用上の注意
- 本剤は腸溶性フィルムコーティング錠のため、噛んだり、割ったり、砕いたりせずにそのまま服用してください
- 空腹時に服用すると、食後投与と比較して血中濃度が上昇するおそれがあります
- 投与期間は原則24週間ですが、治療上の有益性が認められる場合には延長可能です
- 離脱症状(手の震え、不安、不眠など)がある場合は、離脱症状の治療を終了してから使用を開始してください
アキャンプタスと抗酒薬の違い
アルコール依存症の治療には、アキャンプタス(アカンプロサート)のような断酒補助薬と、ジスルフィラム(ノックビン)のような抗酒薬(嫌酒薬)があります。両者は作用機序が異なります。
| 項目 | アキャンプタス(断酒補助薬) | ジスルフィラム(抗酒薬) |
|---|---|---|
| 作用機序 | 脳内の神経バランスを整え、飲酒欲求を軽減 | アルコール代謝を阻害し、飲酒時に不快反応を誘発 |
| 飲酒時の反応 | 不快反応なし | 悪心・嘔吐・頭痛・動悸などの不快反応 |
| 目的 | 飲酒欲求を和らげ断酒を継続しやすくする | 飲酒への嫌悪感を形成する |
| 併用治療 | 心理社会的治療と併用が必須 | 心理社会的治療との併用が推奨 |
アキャンプタスは飲酒欲求そのものを和らげるため、服用中に飲酒しても不快反応は生じません。一方、抗酒薬は服用中に飲酒すると強い不快反応が起こるため、飲酒を抑制する効果がありますが、服用の継続が難しい場合もあります。
アキャンプタスの警告・禁忌・副作用
警告
- 本剤との因果関係は明らかではありませんが、自殺念慮、自殺企図が報告されています。服用中は気分の落ち込みや考え方の変化に注意し、異常があらわれた場合は使用を中止してください
- 家族や周囲の方も、服用される方の状態の変化に注意してください
禁忌(使用できない方)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある方
- 重度の腎機能障害がある方(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)
副作用
国内臨床試験での副作用発現頻度は17.2%でした。主な副作用は以下の通りです。
重大な副作用
- アナフィラキシー(頻度不明):全身性皮疹、発疹、蕁麻疹、口内炎、喉頭痙攣、息切れなどの症状
- 血管浮腫(頻度不明):舌腫脹、リンパ節腫脹などの症状
その他の副作用
- 消化器症状(5%以上):下痢(14.1%)
- 消化器症状(1〜5%未満):腹部膨満、嘔吐
- 消化器症状(1%未満):便秘、悪心、鼓腸、過敏性腸症候群、口内炎
- 精神神経系(1〜5%未満):傾眠
- 精神神経系(1%未満):不安、頭痛、精神運動亢進
- 肝臓(1%未満):γ-GTP増加
- 皮膚(1%未満):湿疹、乾癬、蕁麻疹、そう痒症
- その他(1%未満):浮腫、末梢性浮腫
Atsu最も頻度の高い副作用は下痢であり、国内臨床試験では14.1%の発現率が報告されています。
アカンプロサートは腸溶性製剤として設計されており、腸管内で有効成分が放出されるため、消化器症状が比較的多く認められます。
下痢の多くは軽度から中等度で、服用を継続するうちに軽減する傾向がありますが、脱水や電解質異常のリスクもあるため、症状が強い場合や持続する場合は主治医に相談してください。
自己判断での中止は避け、医療従事者の指示を仰ぐことが重要です。
また、添付文書上の警告として、本剤との因果関係は明らかではないものの自殺念慮・自殺企図の報告があります。
アルコール依存症自体がうつ病や自殺リスクと関連が深い疾患であるため、気分の変調や希死念慮があらわれた場合は、ためらわず医療機関に連絡してください。
ご家族や周囲の方も、日頃から状態の変化に気を配っていただくことが大切です。
アキャンプタスの注意事項
- 心理社会的治療との併用が必須:本剤は単独では十分な効果が期待できません。カウンセリング、認知行動療法、自助グループへの参加など、心理社会的治療と併せて使用してください
- 断酒の意志がある方のみ対象:飲酒を続けることを前提とした使用には適していません
- 離脱症状の治療薬ではありません:手の震え、不安、不眠などの離脱症状がある場合は、まず離脱症状の治療を行ってから使用してください
- 腎機能障害がある方:中等度の腎機能障害がある方は減量が必要です。重度の腎機能障害がある方は使用できません
- 高齢の方:血中濃度が上昇しやすいため、減量を考慮し、慎重に服用してください
- 妊娠中・授乳中の方:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください
アキャンプタスのよくある質問
アキャンプタスを服用中にお酒を飲んでしまった場合はどうなりますか?
アキャンプタスは抗酒薬(ジスルフィラム)とは異なり、服用中に飲酒しても不快反応は起こりません。ただし、断酒を目的とした薬剤のため、飲酒した場合でも服用を継続し、断酒に向けた取り組みを続けてください。
アキャンプタスはどのくらいの期間服用すればよいですか?
投与期間は原則として24週間です。国内臨床試験でも24週間の投与による有効性・安全性が確認されています。治療上の有益性が認められる場合には投与期間を延長できますが、漫然と服用を続けることは避けてください。
アキャンプタスは離脱症状(禁断症状)に効きますか?
アキャンプタスは離脱症状の治療薬ではありません。手の震え、不安、不眠、発汗などの離脱症状がある場合は、まず離脱症状に対する治療を行い、症状が落ち着いてからアキャンプタスの使用を開始してください。
アキャンプタスと抗酒薬(ノックビン等)を併用できますか?
アキャンプタスと抗酒薬(ジスルフィラム)の併用については、臨床試験で安全性が確認されています。作用機序が異なるため、併用によって相乗効果が期待できる場合もありますが、個別の状況に応じて判断してください。
アキャンプタスを飲み忘れた場合はどうすればよいですか?
飲み忘れに気づいた場合は、気づいた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、1回分を飛ばして次の通常の服用時間に服用してください。2回分を一度に服用しないでください。
アキャンプタスの口コミ・効果・感想(レビュー)
当サイトが独自に取材したアキャンプタスの口コミ・効果・感想(レビュー)もございますので、こちらもぜひご覧ください。

アキャンプタスに関連する添付文書等の参考資料
- アルコール依存症断酒補助剤 レグテクト錠333mg – PMDA
- 医療用医薬品:レグテクト – KEGG
- レグテクト錠333mg – JAPIC(PDF)
- CAMPRAL (acamprosate calcium) Delayed-Release Tablets – FDA(PDF)
※本ページでは日本語の公的資料(JAPIC/PMDA等)や、英語の公的資料(EMA/FDA等)を記載しています。いずれも基本的に各国規制当局等が発行する一次ソースですが、国・地域ごとに適応症・警告・禁忌・推奨用量などが異なるため、内容をよく比較のうえご判断ください。
※服用前には必ず輸入品に記載されている英文の説明も確認し、不明点は医師・薬剤師にご相談ください。