パナドールエクストラ(解熱鎮痛薬:パラセタモール・カフェイン)
パナドールエクストラ(Panadol Extra)は、解熱鎮痛成分パラセタモール(アセトアミノフェン)500mgと、その効果を増強するカフェイン65mgを配合した解熱鎮痛薬です。
パラセタモールは脳の中枢神経系に作用して痛みの感覚を抑え、体温調節中枢に働きかけて解熱効果を発揮します。カフェインはパラセタモールの鎮痛作用を補助するとともに、拡張した脳血管を収縮させることで頭痛の緩和にも寄与するとされています。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と異なり、胃腸への負担が比較的少ないのがパラセタモールの特徴です。頭痛、生理痛、のどの痛み、筋肉痛、関節痛、発熱など幅広い症状に使用されており、世界的に広く流通しているOTC解熱鎮痛薬のひとつです。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
パナドールエクストラの概要
- パラセタモール(アセトアミノフェン)500mgとカフェイン65mgを配合した解熱鎮痛薬
- カフェインがパラセタモールの鎮痛作用を増強
- 頭痛、生理痛、筋肉痛、関節痛、発熱など幅広い症状に対応
- 胃腸への負担が少ない(NSAIDsと比較して)
- 1箱24錠入り
- ヘイリオン(Haleon)が製造・販売
パナドールエクストラの製造元はグラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline / GSK)です。GSKは英国に本社を置くグローバル製薬企業で、医療用医薬品からOTC医薬品まで幅広い製品を製造・販売しています。
なお、2022年にGSKはコンシューマーヘルスケア部門をヘイリオン(Haleon)として分社化しており、パナドールブランドは現在ヘイリオンが製造・販売しています。
| 商品名 | パナドールエクストラ(Panadol Extra) |
|---|---|
| 内容量 | 24錠 |
| 効果・効能 | ・頭痛(片頭痛を含む) ・生理痛 ・のどの痛み ・筋肉痛、関節痛 ・発熱時の解熱 |
| 有効成分 | パラセタモール(アセトアミノフェン)500mg カフェイン(含有量非公開) |
| 副作用 | ・吐き気、胃の不快感 ・眠気、めまい ・発疹 |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | ヘイリオン(Haleon) |
Atsuパラセタモール(paracetamol)とアセトアミノフェン(acetaminophen)は同一成分の異なる呼称です。
国際的にはパラセタモールの名称が広く用いられていますが、米国および日本ではアセトアミノフェンの名称が一般的に使用されています。
日本で処方される「カロナール®」も同じ有効成分を含む医薬品です。
パナドールエクストラを使用するうえで最も重要な注意点は、1日あたりのパラセタモール総摂取量を4,000mg(4g)以内に抑えることです。
市販の風邪薬や総合感冒薬にもアセトアミノフェンが配合されている製品は多く存在します。
パナドールエクストラとの併用により知らず知らずのうちに上限量を超えてしまうおそれがあるため、他の薬を服用中の方は必ず成分表示を確認してください。
パナドールエクストラはこんな方におすすめ
- 頭痛(片頭痛を含む)で日常生活に支障が出ている方
- 生理痛やのどの痛みをすばやく和らげたい方
- NSAIDs(ロキソプロフェンやイブプロフェン)で胃が荒れやすい方
- 風邪やインフルエンザに伴う発熱を下げたい方
- 筋肉痛や関節痛の症状を緩和したい方
パナドールエクストラの有効成分について
パナドールエクストラには、解熱鎮痛成分であるパラセタモール(アセトアミノフェン)500mgとカフェイン65mgが配合されています。
パラセタモールは、脳の中枢神経系において痛覚閾値を上昇させることで鎮痛作用を発揮するとされています。また、視床下部の体温調節中枢に作用し、皮膚の血管を拡張させて体外への熱の放出を促すことで解熱効果をもたらすのです。
カフェインは中枢神経を賦活することでパラセタモールの鎮痛効果を補助すると考えられているほか、脳血管のアデノシン受容体に拮抗して血管を収縮させることで、血管拡張が原因となる頭痛の緩和にも寄与します。
Atsuパラセタモール(アセトアミノフェン)は、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)とは異なる作用機序をもつ解熱鎮痛薬です。
NSAIDsは主に末梢の炎症部位でシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジンの合成を抑えることで鎮痛・抗炎症作用を発揮します。
一方、パラセタモールは主に中枢神経系に作用すると考えられており、末梢での抗炎症作用はほとんど期待できません。
その反面、胃腸粘膜を保護するプロスタグランジンの産生には影響しにくいため、NSAIDsと比較して消化管障害のリスクが低いという利点があります。
ただし、関節リウマチのように炎症そのものが痛みの主因となる疾患では、NSAIDsのほうがより適切な選択となる場合が多いでしょう。
症状や体質に応じた使い分けが重要です。
パナドールエクストラの効果・効能
- 鎮痛:頭痛(片頭痛を含む)、生理痛、のどの痛み、筋肉痛、関節痛、歯痛、神経痛
- 解熱:風邪やインフルエンザに伴う発熱
パラセタモールの効果は服用後約30分で現れ始め、約4〜6時間持続するとされています。カフェインの併用により、パラセタモール単独と比較してより速やかで強力な鎮痛効果が期待できます。
ただし、パナドールエクストラは症状を一時的に緩和する対症療法の薬であり、痛みや発熱の根本的な原因を治療するものではありません。症状が3日以上続く場合は、医療機関を受診してください。
パナドールエクストラの服用方法・使用方法
パナドールエクストラは1回1〜2錠を水またはぬるま湯で服用します。服用間隔は最低4時間以上空けてください。
| 用法・用量 | 1回1〜2錠を水またはぬるま湯で服用 |
|---|---|
| 服用間隔 | 最低4時間以上 |
| 1日の最大服用量 | 8錠(パラセタモール4000mg)を超えないこと |
| 食事の影響 | 空腹時の服用は避けることが望ましい |
使用上の注意
- 1日のパラセタモール総摂取量が4000mg(4g)を超えないようにしてください(肝障害のリスクが高まるため)
- 他の鎮痛薬や風邪薬と併用する場合は、パラセタモール(アセトアミノフェン)の重複に注意してください
- 服用中のアルコール摂取は避けてください(肝臓への負担が増大するため)
- 症状が3日以上改善しない場合は、医療機関を受診してください
Atsuパナドールエクストラを使用するうえで最も注意が必要なのは、パラセタモール(アセトアミノフェン)の過量投与による肝障害です。
パラセタモールは通常用量では安全性の高い成分ですが、1日4,000mgを超えて摂取した場合、肝臓の代謝過程で生じるNAPQI(N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン)が通常の解毒機構(グルタチオン抱合)の処理能力を超えて蓄積し、肝細胞を直接障害するおそれがあります。
日本で市販されている総合感冒薬の多くにもアセトアミノフェンが配合されています。
パナドールエクストラとの重複使用を避けるため、他の薬を併用する際は成分表示を必ず確認してください。
また、日常的に飲酒する習慣のある方は、アルコールによるCYP2E1の誘導を介してNAPQIの生成が増加し、肝障害のリスクが高まることが知られています。
服用期間中の飲酒は控えるようにしましょう。
パナドールエクストラの警告・禁忌・副作用
禁忌(服用できない方)
- パラセタモール(アセトアミノフェン)またはカフェインに対して過敏症の既往歴がある方
- 重度の肝機能障害のある方
- 重度の腎機能障害のある方
副作用
パナドールエクストラで起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。
- 吐き気、胃の不快感、腹痛
- 便秘
- 眠気、頭痛、めまい
- しびれ
- 発疹
パラセタモールは適正量での使用であれば副作用が比較的少ない成分です。ただし、異常を感じた場合は使用を中止して医師にご相談ください。
重篤な副作用
過量投与や長期連用により、以下のような重篤な副作用が生じるおそれがあります。
- 肝障害、劇症肝炎(パラセタモールの過量投与による)
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)
- 間質性肺炎
- 間質性腎炎
- 顆粒球減少症
Atsuパラセタモール(アセトアミノフェン)は適正量であれば安全性の高い成分ですが、過量投与は重篤な肝障害につながる危険性があります。
肝臓でパラセタモールが代謝される際、少量のNAPQI(N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン)が生成されます。
通常はグルタチオンによって速やかに無毒化されますが、過量投与によりグルタチオンが枯渇すると、NAPQIが肝細胞を直接傷害し、最悪の場合は劇症肝炎に至ることもあります。
過量服用が疑われる場合は、自覚症状の有無にかかわらず直ちに医療機関を受診してください。
パラセタモール中毒の初期(8〜24時間以内)には自覚症状がほとんど現れないことが多く、症状が出てからでは手遅れになるおそれがあります。
解毒薬としてN-アセチルシステイン(NAC)が存在しますが、過量服用から8〜10時間以内の投与が最も効果的とされており、早期受診が予後を大きく左右します。
パナドールエクストラの他の薬との相互作用
併用に注意すること
ワルファリンなどの抗凝固薬
パラセタモールの長期使用や高用量での使用は、ワルファリンの抗凝固作用を増強し、出血リスクを高めるおそれがあります。
- ワルファリン(ワーファリン):INR値のモニタリングが必要
他のパラセタモール(アセトアミノフェン)含有製品
風邪薬や総合感冒薬にはパラセタモール(アセトアミノフェン)が含まれていることが多いため、併用すると過量投与のリスクが高まります。
- 市販の風邪薬、総合感冒薬、鎮痛薬など(成分表示を確認してください)
アルコール
アルコールはパラセタモールの肝毒性を増強するおそれがあります。日常的に飲酒される方は、パラセタモールによる肝障害のリスクが高くなるため注意が必要です。
- 服用中の飲酒は控えてください
その他の併用注意薬
以下の薬剤との併用は、相互に作用を強めたり弱めたりする可能性があるため注意が必要です。
- 抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピンなど):パラセタモールの肝毒性が増強されるおそれ
- 抗菌薬(イソニアジドなど):肝毒性のリスク増大
- β遮断薬:カフェインにより降圧効果が減弱するおそれ
- 気管支拡張薬(テオフィリン):カフェインとの相互作用に注意
パナドールエクストラの注意事項
- 1日のパラセタモール総摂取量が4000mgを超えないようにしてください
- 他の鎮痛薬・風邪薬との併用時はアセトアミノフェンの重複に注意してください
- 服用中のアルコール摂取は避けてください
- 肝機能に障害がある方は服用前に医師にご相談ください
- 妊娠中・授乳中の方は服用前に医師にご相談ください
- 症状が3日以上改善しない場合は、医療機関を受診してください
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
パナドールエクストラのよくある質問
パナドールエクストラとカロナールの違いは何ですか?
どちらもパラセタモール(アセトアミノフェン)を有効成分とする解熱鎮痛薬ですが、パナドールエクストラにはカフェインが追加配合されています。
カフェインはパラセタモールの鎮痛効果を増強するとされており、単独のパラセタモール製剤と比較してより強い鎮痛効果が期待できます。
ロキソニンやイブプロフェンとどちらがよいですか?
パナドールエクストラとNSAIDs(ロキソニン、イブプロフェン)では、作用機序や特徴が異なります。パラセタモールは胃腸への負担が少ない一方、抗炎症作用はほとんどありません。
胃が弱い方や消化管潰瘍の既往がある方にはパナドールエクストラが適していますが、炎症を伴う痛み(関節リウマチなど)にはNSAIDsが有効です。
風邪薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
多くの市販の風邪薬にはアセトアミノフェン(パラセタモール)が含まれているため、パナドールエクストラとの併用は避けてください。
併用すると1日の最大摂取量(4000mg)を超えるリスクがあり、肝障害を引き起こすおそれがあります。風邪薬の成分表示を必ず確認してください。
お酒を飲んでも大丈夫ですか?
パナドールエクストラ服用中のアルコール摂取は避けてください。アルコールはパラセタモールの肝毒性を増強するおそれがあります。
特に日常的に飲酒される方は、パラセタモールによる肝障害のリスクが高まるため注意が必要です。
カフェインが含まれていますが、眠れなくなりませんか?
パナドールエクストラには1錠あたり65mgのカフェインが含まれているため、カフェインに敏感な方は就寝前の服用を避けることが望ましいでしょう。
2錠服用した場合のカフェイン摂取量は130mgとなり、これはコーヒー約1〜1.5杯分に相当します。他のカフェイン含有飲料(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)との摂りすぎにもご注意ください。
パナドールエクストラに関連する添付文書等の参考資料
パナドールエクストラの有効成分(パラセタモール / アセトアミノフェン)に関する参考資料を以下に掲載します。