ヒルドイドフォルテジェル(保湿剤:ヘパリン類似物質)
ヒルドイドフォルテジェル(Hirudoid Forte Jel)は、有効成分ヘパリン類似物質を高濃度に配合した医療用保湿剤です。乾燥肌や手荒れ、傷跡の改善から血行促進まで、幅広い皮膚トラブルに対応します。
ヘパリン類似物質は皮膚の角質層に浸透して水分を保持する作用に優れており、日本の皮膚科でも「ヒルドイド」の名で長年処方されてきた実績のある成分です。ジェルタイプはクリームに比べてべたつきが少なく、夏場や顔への使用にも適しています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
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Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
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ヒルドイドフォルテジェルの概要
- ヘパリン類似物質を有効成分とする医療用保湿・血行促進外用剤
- 乾燥肌、手荒れ、あかぎれ、しもやけ、傷跡の改善に幅広く対応
- ジェルタイプでべたつきが少なく、顔や夏場の使用にも適している
- サンタファルマ(Santa Farma)製
ヒルドイドフォルテジェルを製造するサンタファルマ(Santa Farma İlaç Sanayii A.Ş.)は、トルコのイスタンブールに本社を置く製薬会社です。ヒルドイドはもともと1949年にドイツのルイトポルド・ヴェルク社によって開発された歴史ある外用薬で、現在は各国でライセンスに基づき製造・販売されています。日本ではマルホ株式会社が製造販売元となっています。
| 商品名 | ヒルドイドフォルテジェル(Hirudoid Forte Jel) |
|---|---|
| 内容量 | 40g |
| 効果・効能 | ・皮脂欠乏症(乾皮症) ・進行性指掌角皮症 ・凍瘡 ・肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防 ・血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患 ・外傷後の腫脹・血腫 |
| 有効成分 | ヘパリン類似物質 (Heparinoid)445mg/100g |
| 副作用 | ・皮膚炎 ・かゆみ ・発赤 ・発疹 ・潮紅 |
| 形状・剤形 | ジェル(外用薬) |
| ブランド | サンタファルマ(Santa Farma) |
Atsuヒルドイドフォルテジェルは、日本の皮膚科で広く処方されている「ヒルドイド」と同じヘパリン類似物質を有効成分とする外用薬です。
日本のヒルドイドゲル0.3%が100gあたり300mgの含有であるのに対し、本製品は100gあたり445mg(約0.445%)と約1.5倍の濃度で配合されています。
そのため、より高い保湿効果や血行促進効果が期待できるでしょう。
ジェルタイプは水分ベースの基剤のため、塗布後にさらっとした使用感が得られ、日中の使用や化粧下地としても使いやすいのが利点です。
ヒルドイドフォルテジェルはこんな方におすすめ
- 乾燥肌や手荒れ、あかぎれを繰り返しやすい方
- 傷跡やケロイドの見た目を改善したい方
- 保湿クリームのべたつきが苦手で、さっぱりした使用感を好む方
- 打ち身や捻挫後の腫れ・あざを早く治したい方
- 日本のヒルドイドと同等の保湿剤を手軽に入手したい方
ヒルドイドフォルテジェルの有効成分について
ヒルドイドフォルテジェルの有効成分はヘパリン類似物質(Heparinoid / ムコ多糖体多硫酸エステル)です。ヘパリン類似物質には「保湿」「血行促進」「抗炎症」の3つの作用があり、皮膚科領域で幅広く使用されています。
保湿作用については、ヘパリン類似物質が角質層に浸透して水分子と結合し、皮膚の水分保持力を高めます。塗布後比較的早い段階から皮膚の水分量に改善が見られ始め、継続使用によってバリア機能の回復が期待できるでしょう。
血行促進作用では、塗布部位の毛細血管を拡張して血流を改善します。これにより新陳代謝が活発になり、傷跡の修復や凍瘡(しもやけ)の改善にも有効です。
抗炎症作用は、打撲や捻挫による腫れ・痛みを抑えるのに役立ちます。血栓性静脈炎など血管の炎症に対しても使用されることがあります。
Atsuヘパリン類似物質は、天然のヘパリンと化学構造が似ている合成ムコ多糖体です。
ヘパリンには血液を固まりにくくする作用がありますが、ヘパリン類似物質は外用で使うため全身への影響はほとんどありません。
この成分は1949年にドイツで開発されて以来70年以上にわたって世界中で使用されており、安全性と有効性が十分に確認されています。
日本の皮膚科ではアトピー性皮膚炎の保湿にも処方されるほど刺激が少なく、赤ちゃんから高齢の方まで幅広い年齢層で使用できるのが特徴です。
ヒルドイドフォルテジェルの効果・効能
- 皮脂欠乏症(乾皮症)
- 進行性指掌角皮症(手荒れ)
- 凍瘡(しもやけ)
- 肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防
- 血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患
- 外傷(打撲・捻挫・挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎
- 血栓性静脈炎(痔核を含む)
ヘパリン類似物質の保湿作用は、一般的な保湿クリームとは異なり、皮膚の内側から水分を保持する仕組みで乾燥を改善します。角質層に浸透したヘパリン類似物質が水分子と結合することで、塗布部位の水分量を持続的に高めます。
また、血行促進作用により傷跡やケロイドの組織が柔らかくなり、肥厚性瘢痕の赤みや盛り上がりを徐々に改善していく効果が期待できます。打ち身やあざの治りを早める目的でも広く活用されています。
ヒルドイドフォルテジェルの使用方法
ヒルドイドフォルテジェルを効果的に使用するために、以下の使用方法をご確認ください。
| 1回の使用量 | 適量(人差し指の先端から第一関節まで=約0.5gが目安) |
|---|---|
| 1日の使用回数 | 1~数回 |
| 使用方法 | 患部に直接塗布し、やさしくなじませる |
| 使用タイミング | 入浴後、肌が乾ききる前に塗布するのが効果的 |
使用上のポイント
- 入浴後の肌がしっとりしている状態で塗ると、保湿効果が高まります
- すり込むのではなく、やさしく伸ばすように塗布してください
- 広い範囲に使う場合は、数か所に点置きしてから全体に伸ばすと均一に塗れます
- 顔にも使用できますが、目や口の周りの粘膜部分は避けてください
- 継続的に使用することで効果が安定します。乾燥を感じなくなっても保湿ケアとして続けてください
Atsuヒルドイドフォルテジェルは入浴後、肌が乾ききらないうちに塗布するのが効果的です。
入浴直後は角質層が水分を含んで柔らかくなっているため、ヘパリン類似物質が浸透しやすい状態にあります。
使用量の目安は「人差し指の先端から第一関節まで」で約0.5g、これで手のひら約2枚分の面積をカバーできます。
塗る量が少なすぎると十分な保湿効果が得られないため、しっかりと適量を使うことが大切です。
ティッシュが貼りつく程度の量を目安にするとわかりやすいでしょう。
ヒルドイドフォルテジェルとクリームタイプの違い
ヒルドイドには「ジェル」と「クリーム」の2つのタイプがあり、有効成分(ヘパリン類似物質)と効果は同じですが、使用感に違いがあります。
ジェルタイプは水分ベースの基剤のため、塗布後にすっとなじんでべたつきが残りません。日中のメイク下地として使いたい場合や、汗をかきやすい夏場の使用に適しています。一方、クリームタイプは油分を多く含むため保湿力がやや高く、乾燥がひどいときや冬場の使用に向いています。
季節や肌の状態に合わせて使い分けるのも効果的な方法です。夏はジェル、冬はクリームというように選ぶとよいでしょう。
ヒルドイドフォルテジェルの警告・禁忌・副作用
禁忌
以下に該当する方はヒルドイドフォルテジェルを使用できません。
- 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)のある方
- わずかな出血でも重大な結果が予想される方
使用上の注意
以下に該当する方は、使用前に医師にご相談ください。
- 妊娠中または授乳中の方(外用薬のため基本的に安全ですが、念のため医師にご相談ください)
- ヘパリン類似物質またはその他の配合成分に対してアレルギーがある方
副作用
ヒルドイドフォルテジェルは肌への刺激が少ない外用薬ですが、まれに以下の症状が現れることがあります。
- 皮膚:皮膚炎、かゆみ、発赤、発疹、潮紅
これらの症状は塗布部位の乾燥が激しい場合やかき傷がある場合に現れやすい傾向にあります。使用を続けることで軽減される場合もありますが、症状がひどい場合や改善しない場合は使用を中止し、医療機関にご相談ください。
Atsuヒルドイドフォルテジェルはステロイドを含まない外用薬であるため、長期間の使用による皮膚の萎縮や副腎機能への影響といった心配はありません。
ただし、ヘパリン類似物質には血液を固まりにくくする作用があるため、出血性の疾患をお持ちの方は必ず使用を避けてください。
また、ただれた状態の肌やジュクジュクした傷口には塗らないようにしましょう。
乾燥がひどい部位に初めて使うときは、ごく少量を試してから範囲を広げると安心です。
ヒルドイドフォルテジェルの他の薬との相互作用
併用しないこと(併用禁忌)
ヒルドイドフォルテジェルと併用が禁止されている薬剤は現在報告されていません。
併用に注意すること(併用注意)
以下の薬剤を使用している方は、ヒルドイドフォルテジェルの使用前に医師にご相談ください。
抗凝固薬(ワルファリンなど)
血液を固まりにくくする内服薬です。ヘパリン類似物質にも同様の作用があるため、理論上は出血リスクがわずかに高まる可能性があります。
- 外用薬のため全身への影響は極めて小さいですが、広範囲に使用する場合は注意してください
- 内出血やあざが増えた場合は使用を中止し、医師に相談してください
他の外用薬との同時使用
同じ部位にステロイド外用薬や他の保湿剤を重ね塗りする場合は、塗る順序や間隔に注意が必要です。
- 一般的には保湿剤(ヒルドイド)を先に塗り、その後にステロイド外用薬を重ねます
- 塗り方については処方医の指示に従ってください
ヒルドイドフォルテジェルの注意事項
- ただれた肌や表面がジュクジュクしている傷には使用しないでください(治りが遅くなる場合があります)
- 目、口腔粘膜、鼻粘膜、膣などの粘膜部分には塗布しないでください
- 強くすり込むと皮膚への刺激となるため、やさしく塗り広げてください
- 25度以下の室温で保管し、こどもの手が届かない場所に置いてください
- 使用期限を過ぎた製品は使用せず、適切に廃棄してください
ヒルドイドフォルテジェルのよくある質問
ヒルドイドフォルテジェルは顔にも使えますか?
はい、顔にも使用できます。ヘパリン類似物質は刺激が少ない成分であるため、顔の乾燥対策や保湿ケアとしても広く使われています。
ただし、目の周りや唇などの粘膜に近い部分は避けてください。ジェルタイプはべたつきがないため、化粧下地としても使いやすいのが利点です。
日本のヒルドイドと成分は同じですか?
有効成分はどちらもヘパリン類似物質です。日本でマルホが製造するヒルドイドゲル0.3%と同じ成分ですが、ヒルドイドフォルテジェルは100gあたり445mgと含有量がやや高い処方となっています。
効果の方向性は同一で、保湿・血行促進・抗炎症の3つの作用が得られます。品質はサンタファルマ社がライセンスに基づいて製造しています。
傷跡(ケロイド)にはどのくらいの期間使えば効果がありますか?
傷跡やケロイドの改善には、一般的に数か月間の継続使用が必要です。ヘパリン類似物質の血行促進作用により傷跡の組織が柔らかくなり、赤みや盛り上がりが徐々に改善していきます。
効果を実感するまでには個人差がありますが、少なくとも3ヶ月程度は毎日塗り続けることが目安です。改善が見られない場合は皮膚科を受診してください。
ヒルドイドフォルテジェルにステロイドは含まれていますか?
いいえ、ステロイドは含まれていません。有効成分はヘパリン類似物質のみで、ステロイド特有の副作用(皮膚の萎縮や毛細血管の拡張など)の心配はありません。
長期間にわたる保湿ケアにも安心して使用できます。アトピー性皮膚炎の方がステロイド外用薬と併用して保湿目的で使うケースも一般的です。