シーナック(白内障進行抑制点眼薬:N-アセチルカルノシン)
シーナックは、水晶体の白濁を改善する抗酸化成分『N-アセチルカルノシン』を1.0%含有する点眼薬で、加齢性白内障の進行抑制や症状改善が期待できる製品です。加齢に伴い進行する白内障に対して、まだ手術までは踏み切れない段階の方に、手術を行わずに点眼でケアを試みる選択肢の一つとして注目されています。
1日2回の点眼を3〜6ヶ月間継続することで、白内障の進行を抑制し、水晶体の透明度の維持や、視機能(視力や眩しさ)の改善が報告されており、、点眼の潤滑成分により眼精疲労やドライアイなどの眼の不快症状を軽減するための補助的なケアとしても使用されています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Yuu総合病院で院内薬剤師として勤務し、糖尿病病棟の担当や講座開催を経験しました。その後は調剤薬局にて在宅訪問や無菌調剤にも携わり、幅広い現場での知識と実践を積んでいます。
また、食と健康のつながりを深めるため薬膳アドバイザーの資格も取得しています。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
シーナックの概要
- 有効成分N-アセチルカルノシン1.0%を含有する、白内障の進行抑制や症状改善が期待される点眼薬
- 白内障の進行が気になるが、まだ手術までは踏み切れない段階の方に、点眼で進行抑制や軽度改善が期待可能
- 1日2回の点眼を3〜6ヶ月間継続して使用する
- 眼精疲労やドライアイなど眼の不快症状にも使用可能
- インタスファーマシューティカルズ(Intas Pharmaceuticals)製
シーナックの製造元はインドのインタスファーマシューティカルズ(Intas Pharmaceuticals)です。インタスファーマシューティカルズ社はインドの大手製薬企業として幅広い医薬品を製造・販売しており、GMPなどを含む国際的な品質基準に準拠した製造体制を整えています。
| 商品名 | シーナック(C-NAC) |
|---|---|
| 内容量 | 10mL |
| 効果・効能 | ・白内障の進行抑制や症状改善が期待される ・眼精疲労やドライアイなどの不快症状の軽減 |
| 有効成分 | N-アセチルカルノシン 1.0% |
| 副作用 | ・目の炎症 ・かゆみ ・刺激感 ・不快感など |
| 形状・剤形 | 点眼液 |
| ブランド | インタスファーマシューティカルズ(Intas Pharmaceuticals) |
シーナックはこんな方におすすめ
- 白内障の進行が気になっている方
- 手術はすぐに検討していないが、白内障の進行抑制や視力・眩しさの改善を試したい方
- 眼精疲労やドライアイの不快症状を和らげたい方
- 加齢に伴う視界のぼやけやまぶしさを改善したい方
Yuu白内障は、加齢とともに水晶体のタンパク質が酸化・糖化などのダメージを受けることで生じる、非常に一般的な眼の変化です。
水晶体が少しずつ白く濁ることで、ものがかすんで見えたり、太陽光や照明がまぶしく感じたり、視力が徐々に低下することがあります。
シーナックは、白内障の進行抑制や症状の改善を試みる補助的な点眼ケアとして位置づけられます。
そのため、「まだ手術の段階ではないが、白内障の進行が気になる」という方にとっては、取り入れやすい選択肢のひとつといえるでしょう。
ただし、白内障が進行し、日常生活に支障をきたすほど視力が低下した場合は、水晶体置換手術を含めた眼科での治療方針を検討する必要があります。
シーナックの有効成分について
シーナックの有効成分は、天然のジペプチド「L-カルノシン」の構造を安定化した誘導体である「N-アセチルカルノシン(NAC)」です。
N-アセチルカルノシンは、点眼後眼内に移行し、その一部が水晶体周辺まで到達して、L-カルノシンへと分解されると考えられています。
L-カルノシンには強力な抗酸化作用があり、水晶体の透明性を保つタンパク質(クリスタリン)の酸化・糖化による変性を抑制する作用があるとされています。
白内障は、水晶体のタンパク質が酸化ストレスや糖化などにより変性し、白く濁る病態であり、この酸化プロセスを軽減することが、進行抑制の鍵となります。
N-アセチルカルノシンは、角膜を比較的透過しやすい構造であるため、点眼によって水晶体に近いレベルまで成分を届けることが可能とされています。
水晶体に届いたL-カルノシンが活性酸素を除去し、水晶体の透明性の維持・白濁の進行抑制をサポートする可能性があるとされています。
ただし、重度の白内障や生活に支障がでるほど視力が低下した場合は、水晶体置換手術などの治療も検討する必要です。
Yuu水晶体が白く濁る原因のひとつは、紫外線や加齢によって発生する「活性酸素」です。
活性酸素は水晶体内のタンパク質を傷つけ、透明だった水晶体を少しずつ曇らせていきます。
シーナックに含まれるN-アセチルカルノシンは、角膜を比較的通りやすい構造をしているため、点眼で眼に落とすと水晶体に近いところまで届き、L-カルノシンに変化しながら活性酸素を抑える働きが期待されています。
つまり、「水晶体の酸化ストレスを軽減し、白内障の進行をゆるやかに保つ補助的なケア」が期待できます。
ただし、すでにかなり白く濁った水晶体を完全に透明に戻すものでもありません。
そのため、「まだ手術をするほどではないけれど、白内障の進行が気になる」や「毎日点眼ケアを試してみたい」という段階での補助選択肢として、シーナックは活用しやすい製品といえます。
視力が落ちて家事や運転に支障が出る場合は、眼科で「点眼+必要なら手術」という治療方針の相談をしましょう。
シーナックの効果・効能
- 加齢性白内障による水晶体の白濁の進行抑制
- 白内障に伴う視力低下の軽減や改善
- グレア感度(まぶしさ)の軽減や改善
- 眼精疲労やドライアイの不快症状の軽減や改善
シーナックの主な効果は、白内障による水晶体の白濁の進行を抑制し、視界のぼやけや眩しさを軽減することです。
臨床研究では、N-アセチルカルノシン1%点眼液を1日2回、6か月継続使用したところ、矯正視力やグレア感度の改善が報告されています。
白内障ケアに加え、日ごろパソコンやスマホの使いすぎで感じる眼精疲労やドライアイの不快症状に対しても、抗酸化作用による眼のコンディション調整に加え、点眼による一時的な潤いを与えることで不快感を軽減することが期待できます。
シーナックの使用方法
| 1回の点眼量 | 1〜2滴 |
|---|---|
| 1日の使用回数 | 白内障:原則として1日2回(朝・夜) 眼の不快症状:1日1回程度 |
| 使用間隔 | 朝と夜(約12時間間隔) |
| 推奨使用期間 | 3〜6ヶ月 |
使用上の注意
- 点眼前に手を清潔に洗ってください
- 容器の先端が目やまつげに触れないよう注意してください
- コンタクトレンズを装着している場合は、外してから点眼し、15分以上経過してから再装着してください
- 点眼後は目を閉じ、目頭の下あたりを軽く1分ほど押さえて薬液が鼻涙管から流れ落ちるのを防ぐと効果的です
Yuuシーナックは、継続して使用することで効果が期待できる点眼薬です。
白内障のケアには少なくとも3ヶ月、できれば6ヶ月程度の使用が望ましいとされています。
毎日決まった時間に点眼する習慣をつけると使い忘れを防ぎやすくなります。
朝の洗顔後と夜の就寝前に点眼するなど、日常の流れに組み込むタイミングを選ぶとよいでしょう。
ただし、症状に変化がある場合や、点眼後の不快感が長く続く場合は、使用を一時中止し、眼科医に相談してください。
シーナックの警告・禁忌・副作用
使用上の警告
- 点眼後に一時的に視界がぼやけることがあるため、車の運転や機械の操作は視界が回復してから行ってください
- 使用中に眼の痛みや充血が続く場合は、使用を中止し医療機関に相談してください
- 開封後は4週間以内に使い切ってください
使用禁忌
- N-アセチルカルノシンまたは本剤の成分に対して過敏症の既往がある方
- 眼の手術直後の方(使用前に医療機関に相談してください)
副作用
シーナックの副作用は比較的軽微なものがほとんどです。以下の症状が現れることがありますが、多くの場合は一時的です。
- 結膜充血(目が赤くなる)
- 目のかゆみ
- 刺激感・痛み
- 異物感・不快感
- 一時的な視力のぼやけ
Yuuシーナックで報告されている副作用は多くは軽い症状です。
点眼直後に、軽いかゆみや刺激感、灼熱感、異物感を感じることがありますが、これは薬液が眼に触れた際の一時的な反応であり、多くの場合数分〜数十分で自然に落ち着きます。
もし症状が長く続いたり、眼の痛みや充血がひどくなった場合は、使用を中止して眼科を受診してください。
シーナックの他の薬との相互作用
シーナックは点眼薬であり、全身に吸収される量はごく少量です。そのため、内服薬との重大な相互作用は報告されていません。ただし、他の点眼薬と併用する場合は以下の点にご注意ください。
併用に注意すること
他の点眼薬
複数の点眼薬を同時に使用すると、薬液が混ざり合い、効果が弱まったり、局所的な刺激や不快感が強まることがあります。
- 他の点眼薬を使用する場合は、シーナックの点眼後に少なくとも5〜10分の間隔を空けてください
- 点眼の順番や使用量について不明な点がある場合は、眼科医や薬剤師に相談してください
シーナックの注意事項
- 開封後は4週間以内に使い切ってください。開封後は防腐効果が低下し、雑菌が繁殖するおそれがあります
- 直射日光を避け、涼しい場所(15〜25°C)で保管してください
- 容器の先端が目やまつげ、手に触れないようにし、清潔な状態を保ってください
- コンタクトレンズを着用している方は、点眼前に外し、点眼後15分以上経過してから再装着してください
- 点眼後しばらくは視界がぼやけることがあるため、車の運転や精密な作業は視界が回復してから行ってください
- 妊娠中や授乳中の方は、使用前に医療機関に相談してください
シーナックのよくある質問
シーナックはどのくらいの期間で効果を実感できますか?
一般的には3〜6ヶ月間の継続使用が望ましいとされています。臨床研究では、6ヶ月間の使用で矯正視力やグレア感度の改善が報告されています。
ただし、効果の実感には個人差があるため、まずは3ヶ月を目安に毎日の点眼を続けてみてください。
シーナックは犬など動物の白内障にも使えますか?
N-アセチルカルノシン点眼薬は、犬の白内障に使用されることもあります。動物の白内障に対しても同様のメカニズムで改善が期待されており、海外では獣医領域でも活用されています。
ただし、ペットへの使用については必ず獣医師に相談してください。
シーナックを使用中にコンタクトレンズは着けられますか?
点眼時はコンタクトレンズを外す必要があります。点眼後は少なくとも15分以上経過してからコンタクトレンズを再装着してください。
薬液の成分がレンズに付着すると、レンズの変質や眼への刺激の原因となるおそれがあります。
シーナックで白内障は完全に治りますか?
シーナックは白内障の進行を抑制し、症状の改善を図るための点眼薬です。臨床研究では視力やグレア感度の改善が報告されていますが、白内障を完全に消失させるものではありません。
白内障の進行が著しい場合や視力低下が日常生活に支障をきたしている場合は、眼科医に手術を含めた治療方針を相談してください。
シーナックに関連する添付文書等の参考資料
- N-acetylcarnosine (NAC) drops for age-related cataract – PMC
- Efficacy of N-acetylcarnosine in the treatment of cataracts – PubMed
- N-Acetylcarnosine sustained drug delivery eye drops to control the signs of ageless vision – PMC
- Generation of reactive oxygen species in the anterior eye segment – PMC
- On the Anticataractogenic Effects of L-Carnosine – PMC