レビトラ(ED治療薬:バルデナフィル)
レビトラ(Levitra)は、有効成分バルデナフィル塩酸塩水和物を配合したPDE5阻害薬で、勃起不全(ED)の治療に用いられる先発医薬品です。
バルデナフィルは陰茎海綿体の平滑筋弛緩を促進することで勃起を補助する成分であり、性的刺激があった際に自然な勃起反応を補助します。服用後約15〜25分で効果が現れ始め、約4〜5時間にわたって持続するとされています。食事の影響を比較的受けにくい点も特徴のひとつです。
レビトラはバイエル薬品が開発した先発医薬品であり、2003年に欧州で承認され、日本では2004年に承認されました。国内では2021年10月に製造販売が中止されていますが、海外では現在も広く使用されています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
なお、レビトラの体験談インタビューもございますので、あわせてご覧ください。
レビトラの概要
- バルデナフィル塩酸塩水和物を配合したPDE5阻害薬の先発医薬品
- 服用後約15から25分で効果発現、持続時間は約4から5時間
- 食事の影響を比較的受けにくい
- 5mg・10mg・20mgの3規格あり
- バイエルが開発・製造
レビトラの開発元はバイエル(Bayer AG)です。バイエルはドイツ・レバークーゼンに本社を置く世界的な製薬・ライフサイエンス企業であり、医薬品・農薬・コンシューマーヘルスの各分野で事業を展開しています。レビトラは同社が開発したED治療薬として、世界各国で広く使用されています。
| 商品名 | レビトラ(Levitra) |
|---|---|
| 有効成分 | バルデナフィル塩酸塩水和物 |
| 規格 | ・5mg ・10mg ・20mg |
| 効果・効能 | 勃起不全(ED) |
| 用法・用量 | 性行為の約1時間前に1回10mgを服用(最大20mg) |
| 副作用 | ・頭痛 ・ほてり(顔のほてり) ・鼻づまり ・めまい |
| 形状・剤形 | フィルムコーティング錠 |
| ブランド | バイエル(Bayer AG) |
Atsuレビトラは、バイアグラ(シルデナフィル)に次いで世界で2番目に承認されたPDE5阻害薬です。
バイアグラと比較して効果発現が早い(約15〜25分)とされ、「即効性」を重視する方に選ばれる傾向があります。
日本では2021年にバイエル薬品がレビトラ錠の製造販売を中止しました。
この中止は原薬の安定供給に関する製造上の問題に起因するものであり、有効性や安全性上の懸念が理由ではありません。
バイエル薬品の公式発表でも、品質・安全性に問題が確認されたわけではないと明言されています。
なお、日本国内ではバルデナフィルの後発医薬品(ジェネリック医薬品)が複数社から発売されており、医療機関で処方を受けることが可能です。
海外ではレビトラの先発品も引き続き製造・販売されています。
レビトラはこんな方におすすめ
- 勃起不全(ED)でお悩みの方
- 効果の発現が早いED治療薬を希望する方
- 食事のタイミングを気にせずED治療薬を服用したい方
- バイアグラ(シルデナフィル)で十分な効果が得られなかった方
- 先発医薬品(レビトラ)を使用したい方
レビトラの有効成分について
レビトラには、PDE5阻害薬であるバルデナフィル塩酸塩水和物が配合されています。
勃起は、性的刺激を受けた際に陰茎海綿体の平滑筋が弛緩し、血液が流入することで生じます。この過程において、環状グアノシン一リン酸(cGMP)という物質が平滑筋の弛緩を促進する役割を担っています。
PDE5(ホスホジエステラーゼ5型)はcGMPを分解する酵素であり、バルデナフィルはこのPDE5の活性を選択的に阻害し、cGMPの分解を抑制します。その結果、陰茎海綿体への血流が増加し、勃起が維持されやすくなるという仕組みです。
AtsuバルデナフィルはPDE5に対する選択性が高く、他のPDEアイソザイム(PDE1、PDE6など)への影響が比較的少ないとされています。
ただし、PDE6への親和性はシルデナフィルより低いものの、完全にゼロではないため、視覚異常(青視症など)がまれに報告される点は押さえておく必要があります。
PDE5阻害薬は性的興奮がない状態では勃起を引き起こしません。
あくまでも性的刺激を受けた際の自然な勃起反応を補助する薬であり、催淫作用(性欲を高める作用)はない点にご注意ください。
バルデナフィルの最高血中濃度到達時間(Tmax)は空腹時で約0.7〜0.9時間(約45分〜1時間)であり、血中半減期(t1/2)は約4〜5時間です。
この半減期から、効果の持続もおおむね4〜5時間と考えられています。
同じPDE5阻害薬であるシルデナフィル(バイアグラ)やタダラフィル(シアリス)と比較した場合、バルデナフィルは効果発現の速さに優位性があるとされています。
食事の影響については、シルデナフィルが高脂肪食で顕著にCmaxが低下するのに対し、バルデナフィルは通常の食事ではほぼ影響を受けません。
ただし、高脂肪食(総カロリーの50%以上が脂肪)摂取後はTmaxの延長やCmaxの低下が報告されているため、「食事の影響をまったく受けない」わけではない点にご留意ください。
レビトラの効果・効能
- 勃起不全(ED)の治療:性的刺激があった際の勃起を補助し、勃起の維持を改善
国内臨床試験(第III相試験)では、バルデナフィル10mg群および20mg群において、プラセボ群と比較して勃起の硬さ(IIEF-EFドメインスコア)の有意な改善が確認されています。
効果は服用後約15から25分で現れ始め、約4から5時間持続するとされています。ただし、効果の持続時間には個人差があります。
レビトラの服用方法
レビトラは性行為の約1時間前に1回10mgを水またはぬるま湯で服用します。効果や忍容性に応じて5mgへの減量または20mgへの増量が可能です。
| 1回の服用量 | 10mg(効果・忍容性に応じて5mgまたは20mgに調整) |
|---|---|
| 服用タイミング | 性行為の約1時間前 |
| 効果発現 | 服用後約15から25分 |
| 効果持続時間 | 約4から5時間 |
| 1日の最大服用量 | 20mg(24時間に1回まで) |
| 食事の影響 | 通常の食事であればほぼ影響なし(高脂肪食は避けることが望ましい) |
服用上の注意
- 24時間以内に2回以上の服用は避けてください
- グレープフルーツ(ジュースを含む)との同時摂取は避けてください。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類がCYP3A4を阻害し、バルデナフィルの血中濃度が上昇するおそれがあります。
- アルコールの過度な摂取はED治療薬の効果を低下させるおそれがあります
- 65歳以上の方、肝機能障害のある方(Child-Pugh分類AまたはB)、および中等度の腎機能障害のある方は5mgからの開始が推奨されます。
Atsuレビトラは食事の影響を比較的受けにくいPDE5阻害薬ですが、高脂肪食(脂肪含有量の多い食事)の直後に服用すると効果発現が遅延する場合があります。
最も確実な効果を得るには、空腹時または軽い食事の後に服用するのがよいでしょう。
なお、初めてレビトラを服用する方は10mgから開始してください。
10mgで効果が不十分と感じた場合に20mgへの増量を検討し、副作用が気になる場合は5mgへの減量を検討してください。
レビトラの警告・禁忌・副作用
禁忌(服用できない方)
- 硝酸剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル等)を使用中の方(併用により過度な血圧低下を引き起こすおそれがあります)
- バルデナフィルに対して過敏症の既往歴がある方
- 重度の肝障害(Child-Pugh分類C)のある方
- 血液透析を要する腎障害のある方
- コントロール不良の不整脈、低血圧(安静時収縮期血圧90mmHg未満)の方
- 直近6か月以内に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞を発症した方
- 網膜色素変性症の方
副作用
レビトラで起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。
- 頭痛
- ほてり(顔のほてり)
- 鼻づまり
- めまい
- 消化不良
- 動悸
これらの副作用の多くは軽度で一時的なものであり、薬の効果が消失するとともに解消します。ただし、4時間以上持続する勃起(持続勃起症)が生じた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
重篤な副作用
ごくまれに、以下のような重篤な副作用が報告されています。
- 持続勃起症(4時間以上の持続する勃起)
- 突発性難聴
- 非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)
- QT延長
AtsuPDE5阻害薬で最も注意すべきなのは、硝酸剤との併用禁忌です。
硝酸剤(ニトログリセリン、硝酸イソソルビド等)とPDE5阻害薬はいずれも血管を拡張する作用を持つため、併用すると血圧が過度に低下し、失神やショックなど生命に関わる事態を引き起こすおそれがあります。
狭心症でニトログリセリンの舌下錠やスプレーを使用している方は、レビトラを絶対に服用しないでください。
また、持続勃起症(4時間以上勃起が持続する状態)は放置すると陰茎海綿体の組織が不可逆的に損傷し、永続的なEDにつながる可能性があるため、直ちに泌尿器科を受診する必要があります。
レビトラの他の薬との相互作用
硝酸剤(併用禁忌)
硝酸剤との併用は禁忌です。過度な血圧低下を引き起こし、生命に危険を及ぼすおそれがあります。
- ニトログリセリン(舌下錠・スプレー・貼付剤)
- 硝酸イソソルビド(ニトロール等)
- 亜硝酸アミル(ポッパー等の娯楽用薬物を含む)
α遮断薬
α遮断薬との併用により、血圧が過度に低下するおそれがあります。
- タムスロシン(ハルナール)、シロドシン(ユリーフ)等:レビトラとの服用間隔を十分にあけてください
CYP3A4阻害薬
バルデナフィルは主にCYP3A4で代謝されるため、CYP3A4を強力に阻害する薬剤との併用によりバルデナフィルの血中濃度が上昇するおそれがあります。
- ケトコナゾール、イトラコナゾール:併用時はバルデナフィルを5mgに減量
- リトナビル、インジナビル等のHIVプロテアーゼ阻害剤:併用注意
- エリスロマイシン、クラリスロマイシン:併用時は注意が必要
他のED治療薬
他のPDE5阻害薬(シルデナフィル、タダラフィル等)との併用はしないでください。副作用が増強されるおそれがあります。
- バイアグラ(シルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)、ステンドラ(アバナフィル)
レビトラの注意事項
- 硝酸剤を使用中の方は絶対に服用しないでください
- 心血管系疾患のある方は、性行為自体のリスクについて医師にご相談ください
- 4時間以上の持続勃起が生じた場合は直ちに医療機関を受診してください
- 視力の急激な変化や片眼の視力喪失が生じた場合は使用を中止してください
- 女性への使用は適応外です
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
レビトラのよくある質問
レビトラとバイアグラの違いは何ですか?
レビトラとバイアグラはいずれもPDE5阻害薬ですが、有効成分が異なります。レビトラの有効成分はバルデナフィル、バイアグラはシルデナフィルです。
レビトラはバイアグラと比較して効果発現が早く(約15から25分 vs 約30から60分)、食事の影響をやや受けにくいとされています。一方、効果の持続時間はバイアグラとほぼ同等(約4から5時間)です。
食事と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
通常の食事であれば、レビトラの効果にほぼ影響はありません。
ただし、高脂肪食(揚げ物や脂身の多い肉料理など)の直後に服用すると、効果の発現が遅れる場合があります。最も確実な効果を得るには、空腹時または軽い食事の後の服用が望ましいでしょう。
レビトラは日本で販売中止になったのですか?
日本ではバイエル薬品がレビトラの製造販売を2021年に中止しました。これは原薬の安定供給に関する製造上の問題に起因するものであり、有効性や安全性上の問題ではありません。
なお、日本国内ではバルデナフィルの後発医薬品(ジェネリック医薬品)が複数メーカーから発売されており、医療機関で処方を受けることが可能です。海外では現在もレビトラの先発品が製造・販売されています。
5mg・10mg・20mgのどれを選べばよいですか?
初めてレビトラを使用する方は10mgから開始することが推奨されています。
10mgで効果が不十分な場合は20mgへの増量を、副作用が気になる場合は5mgへの減量を検討してください。65歳以上の方や肝機能に不安のある方は5mgからの開始が望ましいでしょう。
毎日飲む薬ですか?
レビトラは毎日服用する薬ではありません。性行為の前に必要に応じて服用する「頓用」タイプの薬です。
24時間以内に2回以上服用することは避け、必ず前回の服用から24時間以上の間隔をあけてください。
レビトラの体験談インタビュー
当サイトが独自に取材したレビトラの体験談インタビューもございますので、あわせてご覧ください。
レビトラに関連する添付文書等の参考資料
レビトラの有効成分(バルデナフィル)に関する参考資料を以下に掲載します。
