アジルスマート(高血圧症治療薬:アジルサルタンメドキソミル)
アジルスマート(Azilsmart)は、有効成分アジルサルタンメドキソミル40mgを配合したアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)です。
アジルサルタンメドキソミルは体内でアジルサルタンに変換されるプロドラッグであり、血圧を上昇させるアンジオテンシンIIの働きを選択的に遮断することで降圧効果を発揮します。1日1回の服用で24時間にわたり安定した血圧コントロールが期待でき、日本で広く処方されている「アジルバ」と同じ活性代謝物を持つ降圧薬です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
アジルスマートの概要
- アジルサルタンメドキソミル40mgを配合したARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
- 体内でアジルサルタンに変換されるプロドラッグ型の降圧薬
- 1日1回の服用で24時間にわたる安定した降圧効果
- 1箱30錠入り(約1か月分)
- ヒーリングファーマが製造
アジルスマートの製造元はヒーリングファーマ(Healing Pharma)です。ヒーリングファーマはインドに拠点を置く製薬企業で、ジェネリック医薬品を中心にさまざまな医薬品を製造・販売しています。
| 商品名 | アジルスマート(Azilsmart) |
|---|---|
| 内容量 | 30錠 |
| 効果・効能 | 高血圧症 |
| 有効成分 | アジルサルタンメドキソミル 40mg |
| 副作用 | ・めまい、ふらつき ・倦怠感 ・頭痛、下痢 ・肝機能検査値の上昇 |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | ヒーリングファーマ(Healing Pharma) |
Atsuアジルスマートは、日本国内で広く処方されている降圧薬「アジルバ」と同じ活性代謝物(アジルサルタン)を持つ医薬品です。
アジルバの有効成分がアジルサルタンであるのに対し、アジルスマートの有効成分はそのプロドラッグ型であるアジルサルタンメドキソミルになります。
プロドラッグとは、体内で活性型に変換されて初めて薬効を発揮する形態のことで、消化管からの吸収効率を高める目的で設計されたものです。
アジルバの添付文書(国内臨床試験データ)によると、アジルサルタン40mgを12週間投与した結果、収縮期血圧が平均約22.2mmHg、拡張期血圧が平均約14.3mmHg低下したと報告されています。
アジルスマートはこんな方におすすめ
- 高血圧症と診断され、降圧薬による治療を行いたい方
- 他のARBで十分な降圧効果が得られなかった方
- 1日1回の服用で安定した血圧コントロールを希望する方
- 血圧の日内変動が大きく、安定したコントロールが必要な方
- ARBによる治療をより手頃な価格で継続したい方
アジルスマートの有効成分について
アジルスマートには、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であるアジルサルタンメドキソミルが40mg配合されています。アジルサルタンメドキソミルは、体内で活性代謝物であるアジルサルタンに変換されるプロドラッグです。
血圧の調節において、アンジオテンシンIIは血管を収縮させ、アルドステロンの分泌を促進して血圧を上昇させる作用を持っています。アジルサルタンは、このアンジオテンシンIIがAT1受容体に結合するのを選択的に遮断し、血管の収縮を抑制することで血圧を低下させます。
アジルサルタンはAT1受容体への結合力が非常に強く、受容体からの解離が遅いという薬理学的特徴を持っています。この「持続的な受容体遮断」により、1日1回の服用で24時間にわたる安定した降圧効果が得られるとされています。
Atsuアジルサルタンの薬理学的特徴として、AT1受容体からの解離が非常に遅い点が挙げられます。
これは「乗り越え不能な拮抗作用(insurmountable antagonism)」と呼ばれ、受容体に強固に結合し続ける性質を意味しています。
この特性により、体内のアンジオテンシンII濃度が上昇しても降圧効果が維持されるのが特長です。
血圧の日内変動、特に早朝に血圧が急上昇するモーニングサージの抑制にも寄与するとされており、24時間を通じた安定した血圧管理に適した薬剤といえるでしょう。
なお、ARBは一般的にACE阻害薬と比べて空咳の副作用が少ないとされています。
ACE阻害薬で空咳が問題となった方の代替薬としても広く用いられている薬効群です。
アジルスマートの効果・効能
- 高血圧症の治療:血圧を低下させ、高血圧に伴う合併症(脳卒中、心疾患、腎臓病など)のリスクを軽減
アジルバの添付文書(国内臨床試験データ)によると、アジルサルタン40mgを12週間投与した結果、プラセボ群と比較して収縮期血圧が平均約22.2mmHg、拡張期血圧が平均約14.3mmHg低下したと報告されています。
降圧効果は服用開始後1〜2週間で現れ始め、4〜8週間で安定した効果が得られるとされています。ただし、高血圧症は継続的な治療が必要な疾患であり、血圧が下がっても自己判断で服用を中止しないでください。
アジルスマートの服用方法・使用方法
アジルスマートは1日1回、水またはぬるま湯で服用します。通常はアジルサルタンとして20mg(アジルスマート半錠)から開始し、効果が不十分な場合に40mg(1錠)へ増量します。
| 用法・用量 | 1日1回、水またはぬるま湯で服用 |
|---|---|
| 開始用量 | 20mg(アジルスマート半錠) |
| 最大用量 | 40mg(アジルスマート1錠) |
| 服用タイミング | 食事の有無を問わず服用可能 |
| 服用回数 | 1日1回 |
使用上の注意
- 通常は20mg(半錠)から開始してください(医師の指示がない限り、最初から40mgを服用しないでください)
- 毎日なるべく同じ時間帯に服用してください(効果が安定しやすくなります)
- 服用開始初期や増量時にめまいやふらつきが現れることがあるため、車の運転には注意してください
- 血圧が下がっても自己判断で服用を中止しないでください
Atsuアジルスマートは1錠あたりアジルサルタンメドキソミル40mgを含有していますが、通常は半錠(20mg相当)から服用を開始するのが一般的です。
アジルバの添付文書でも、通常の開始用量はアジルサルタン20mgとされており、効果が不十分な場合にのみ40mgへの増量が検討されます。
半錠に分割する際は、ピルカッターなどを使用するとよいでしょう。
飲み忘れに気づいた場合は、できるだけ早く服用してください。
ただし、次の服用予定時刻が近い場合はその回を飛ばし、次の通常の時間に1回分を服用するようにしてください。
2回分をまとめて服用することは避ける必要があります。
アジルスマートの警告・禁忌・副作用
禁忌(服用できない方)
- アジルサルタンメドキソミルまたはアジルサルタンに対して過敏症の既往歴がある方
- 妊婦または妊娠している可能性のある方
- アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病の方(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の方を除く)
慎重投与(服用前に医師に相談が必要な方)
- 両側性腎動脈狭窄のある方、または片腎で腎動脈狭窄のある方
- 高カリウム血症の方
- 重度の腎機能障害のある方
- 肝機能障害のある方
- 脱水症状のある方、利尿剤で治療中の方
- 高齢の方
副作用
アジルスマートで起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。
- めまい、ふらつき
- 倦怠感
- 頭痛
- 下痢
- 肝機能検査値の上昇(AST・ALT)
- 血中カリウム値の上昇
これらの副作用の多くは軽度で一時的なものです。ただし、血圧が過度に低下した際のめまいや立ちくらみには特に注意が必要です。症状が長引く場合や日常生活に支障が出る場合は、医師にご相談ください。
重篤な副作用
ごくまれに、以下のような重篤な副作用が報告されています。
- 血管浮腫(顔面、唇、舌、咽頭の腫脹)
- ショック、失神
- 急性腎障害
- 高カリウム血症
- 肝機能障害
- 横紋筋融解症
AtsuARBの副作用として特に注意すべきなのは、過度な血圧低下と高カリウム血症の2点です。
服用開始時や増量時には血圧が急に下がることがあるため、急に立ち上がる動作は避けるよう心がけてください。
また、ARBにはカリウムの排泄を抑制する作用があり、血中カリウム値が上昇する場合があります。
カリウム保持性利尿薬やカリウム製剤を併用している方、腎機能が低下している方ではリスクが高まるため、定期的な血液検査でカリウム値をモニタリングすることが重要です。
アジルスマートの他の薬との相互作用
併用禁忌
- アリスキレンフマル酸塩(ラジレス):糖尿病の方では併用禁忌です(腎機能障害、高カリウム血症、低血圧のリスクが増大)
併用に注意すること
カリウム保持性利尿薬・カリウム製剤
アジルサルタンのアルドステロン分泌抑制作用により、カリウム保持性利尿薬やカリウム製剤と併用すると高カリウム血症のリスクが高まるおそれがあります。
- スピロノラクトン(アルダクトン)、エプレレノン(セララ)
- カリウム製剤(スローケー、アスパラカリウムなど)
利尿降圧剤
利尿剤による脱水・低ナトリウム血症がある場合、アジルスマートの初回服用時に過度な血圧低下が生じるおそれがあります。
- フロセミド(ラシックス)、ヒドロクロロチアジドなどの利尿剤
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
NSAIDsはプロスタグランジンの産生を抑制し、ARBの降圧効果を減弱させるおそれがあります。また、腎機能障害のリスクが高まることがあります。
- ロキソプロフェン(ロキソニン)、ジクロフェナク(ボルタレン)、イブプロフェンなど
リチウム製剤
ARBとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を引き起こすおそれがあります。
- 炭酸リチウム(リーマス)
アジルスマートの注意事項
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方は服用できません(胎児に障害を引き起こすおそれがあるため)
- 授乳中の方は、服用中の授乳を避けてください
- 服用中は定期的に血圧測定と血液検査(腎機能・カリウム値)を受けてください
- 血圧が下がっても自己判断で服用を中止しないでください
- めまいやふらつきが現れることがあるため、車の運転には注意してください
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
アジルスマートのよくある質問
アジルスマートとアジルバの違いは何ですか?
アジルスマートの有効成分はアジルサルタンメドキソミル(プロドラッグ型)であり、アジルバの有効成分はアジルサルタンです。いずれも体内で同じ活性代謝物(アジルサルタン)として作用するため、降圧効果は同等と考えられています。
プロドラッグ型は消化管からの吸収効率を高める目的で用いられる形態です。
1錠まるごと飲んでもよいですか?
通常は半錠(アジルサルタン20mg相当)から服用を開始してください。アジルバの添付文書でも、開始用量はアジルサルタン20mgとされています。
20mgで効果が不十分と判断された場合にのみ、40mg(1錠)への増量が検討してください。
血圧が下がったら服用をやめてもよいですか?
自己判断で服用を中止しないでください。高血圧症は継続的な治療が必要な疾患であり、服用を中止すると血圧は元の水準に戻ってしまいます。
減量や中止については、定期検査の結果をもとに医師が判断します。
いつ飲めばよいですか?
アジルスマートは食事の影響を受けにくいため、朝・夕いずれのタイミングでも服用できます。大切なのは、毎日なるべく同じ時間帯に服用する習慣をつけることです。
1日1回の服用で24時間にわたり降圧効果が持続するため、服用時間を決めておくことで安定した血圧コントロールが期待できます。
他の降圧薬と併用できますか?
Ca拮抗薬(アムロジピンなど)やサイアザイド系利尿薬との併用は、高血圧治療ガイドラインでも推奨されている組み合わせです。
ただし、ACE阻害薬やアリスキレンとの併用は避ける必要があります。併用する薬がある場合は、必ず医師にご相談ください。
アジルスマートに関連する添付文書等の参考資料
アジルスマートの有効成分(アジルサルタン)に関する参考資料を以下に掲載します。