アルダクトン(利尿・降圧薬:スピロノラクトン)
アルダクトン(Aldactone)は、有効成分スピロノラクトン100mgを配合したカリウム保持性利尿薬(抗アルドステロン薬)です。
腎臓においてアルドステロンの作用に拮抗することで、体内の余分な水分やナトリウムの排出を促しながら、カリウムの排泄を抑制するのが特徴です。一般的な利尿薬(チアジド系やループ利尿薬)ではカリウムが失われやすいのに対し、アルダクトンはカリウムを保持しながら利尿・降圧効果を発揮します。
高血圧症、各種浮腫(心性・腎性・肝性)、原発性アルドステロン症の治療に広く使用されており、1960年に米国で承認されて以来、半世紀以上の臨床使用実績を持つ薬剤です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
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また、アルダクトンの口コミ・効果・感想(レビュー)もございますので、こちらもぜひご覧ください。

アルダクトンの概要
- スピロノラクトン100mgを配合したカリウム保持性利尿薬の先発医薬品
- アルドステロンの作用に拮抗し、カリウムを保持しながら利尿・降圧効果を発揮
- 高血圧症、各種浮腫、原発性アルドステロン症の治療に使用
- 1箱16錠入り
- アリライフ社が製造
アルダクトンの製造元はアリライフ(Ali Raif İlaç Sanayi A.Ş.)です。アリライフは1928年に設立されたトルコ・イスタンブールに本社を置く製薬企業で、250種類以上の医薬品を製造・販売しています。
| 商品名 | アルダクトン(Aldactone) |
|---|---|
| 内容量 | 16錠 |
| 効果・効能 | ・高血圧症(本態性、腎性など) ・心性浮腫(うっ血性心不全) ・腎性浮腫 ・肝性浮腫 ・原発性アルドステロン症の診断および症状の改善 |
| 有効成分 | スピロノラクトン 100mg |
| 副作用 | ・女性型乳房 ・食欲不振、吐き気 ・めまい、倦怠感 ・高カリウム血症 |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | アリライフ(Ali Raif İlaç Sanayi) |
Atsuアルダクトンは、カリウム保持性利尿薬の中でも歴史が長く、臨床実績が豊富な薬剤です。
日本国内では「アルダクトンA」(ファイザー社)として長年にわたり処方されてきました。
チアジド系利尿薬やループ利尿薬を単独で使用すると低カリウム血症を引き起こすことがありますが、アルダクトンはカリウムの排泄を抑制するため、このリスクを軽減できる点が大きな利点といえます。
特に肝硬変に伴う腹水の管理では、アルドステロンの分泌亢進が病態に関与しており、各種ガイドラインにおいてスピロノラクトンが第一選択薬として推奨されています。
アルダクトンはこんな方におすすめ
- 高血圧症の治療を行いたい方
- むくみ(浮腫)の症状を改善したい方
- 他の利尿薬で低カリウム血症が心配な方
- 原発性アルドステロン症と診断された方
- うっ血性心不全でむくみの管理が必要な方
アルダクトンの有効成分について
アルダクトンには、抗アルドステロン薬であるスピロノラクトンが100mg配合されています。スピロノラクトンは、腎臓の遠位尿細管や集合管に存在するアルドステロン受容体(ミネラルコルチコイド受容体)に競合的に結合し、アルドステロンの作用を阻害する成分です。
アルドステロンは副腎皮質から分泌されるホルモンで、腎臓においてナトリウムと水の再吸収を促進し、カリウムの排泄を促す作用があります。アルドステロンの作用が過剰になると、体内に水分とナトリウムが蓄積して浮腫や血圧上昇を引き起こします。
スピロノラクトンはこのアルドステロンの作用を遮断することで、ナトリウムと水分の排出を促しつつカリウムの排泄を抑制し、利尿作用と降圧作用を発揮します。
Atsuスピロノラクトンはミネラルコルチコイド受容体(MR)だけでなく、アンドロゲン受容体やプロゲステロン受容体にも親和性を持つ非選択的な薬剤です。
この性質が、女性型乳房(男性)や月経不順(女性)といった内分泌系副作用の原因と考えられています。
こうした副作用を軽減する目的で開発されたのがエプレレノン(セララ)であり、MRへの選択性が高いことが特徴です。
ただし、スピロノラクトンのほうが抗アルドステロン作用は強力とされており、臨床現場では用量や症状に応じて使い分けが行われています。
アルダクトンの効果・効能
- 高血圧症:本態性高血圧症、腎性高血圧症の治療(多くの場合、他の降圧薬との併用)
- 各種浮腫の改善:心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、特発性浮腫、悪性腫瘍に伴う浮腫および腹水
- 原発性アルドステロン症:診断および症状の改善
大規模臨床試験(RALES試験)では、重症心不全の方にスピロノラクトンを追加投与したところ、全死亡率が30%低下したと報告されており、心不全治療における有用性が確認されています。
利尿効果は服用開始後数日で現れ始めますが、降圧効果が安定するまでには2〜4週間程度の継続服用が必要とされています。
アルダクトンの服用方法・使用方法
アルダクトンは1日50〜100mgを分割して食後に水またはぬるま湯で服用します。症状や疾患によって用量が異なるため、医師の指示に従ってください。
| 用法・用量 | 1日50〜100mgを分割して食後に服用 |
|---|---|
| 服用回数 | 1日1〜2回(症状により調整) |
| 服用タイミング | 食後(なるべく午前中の服用が望ましい) |
| 用量の調整 | 症状に応じて適宜増減 |
使用上の注意
- なるべく午前中に服用してください(夕方以降の服用は夜間頻尿の原因となるため)
- 服用中は定期的にカリウム値や腎機能の検査を受けてください
- カリウムを多く含む食品(バナナ、オレンジジュース、干しぶどうなど)の過剰摂取に注意してください
- カリウム含有の代替塩は使用しないでください
Atsuスピロノラクトンは食後に服用することでバイオアベイラビリティが向上することが知られています。
空腹時と比較して吸収率が有意に上昇するため、食後の服用を心がけてください。
また、利尿作用により夜間にトイレに起きることを避けるためにも、午前中の服用が望ましいでしょう。
なお、アルダクトン100mg錠は必要に応じて半錠に分割して服用することも可能です。
50mgから開始し、効果と副作用を確認しながら用量を調整していく方法が一般的に用いられています。
アルダクトンの警告・禁忌・副作用
禁忌(服用できない方)
- 無尿または急性腎不全の方
- 高カリウム血症の方
- アジソン病の方
- スピロノラクトンに対して過敏症の既往歴がある方
- タクロリムス、エプレレノン、エサキセレノン、ミトタンを服用中の方
副作用
アルダクトンで起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。
- 女性型乳房(男性で約9%。用量依存性であり、服用中止により回復)
- 乳房の腫れ・痛み
- 食欲不振、吐き気、口渇
- めまい、倦怠感、頭痛
- 月経不順、性欲減退
- 高カリウム血症(特に腎機能低下時や併用薬がある場合に注意)
- 肝機能検査値の上昇
女性型乳房はスピロノラクトンで最も特徴的な副作用であり、用量が増えるほど発現頻度が高くなる傾向があります。服用を中止すると通常は回復するとされています。
重篤な副作用
ごくまれに、以下のような重篤な副作用が報告されています。
- 電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、代謝性アシドーシス)
- 急性腎障害
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)
Atsuアルダクトンで最も注意すべき副作用は高カリウム血症です。
血中カリウム値が過度に上昇すると、不整脈や心停止など生命を脅かす事態を招くおそれがあります。
特に腎機能が低下している方、ACE阻害薬やARBを併用している方、カリウム製剤を使用している方ではリスクが高まります。
定期的な血液検査でカリウム値をモニタリングすることが不可欠です。
手足のしびれ、筋力低下、脈の乱れといった症状が現れた場合は高カリウム血症の可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
アルダクトンの他の薬との相互作用
併用禁忌
- タクロリムス(プログラフ):高カリウム血症が生じるおそれ
- エプレレノン(セララ):高カリウム血症が生じるおそれ
- エサキセレノン(ミネブロ):高カリウム血症が生じるおそれ
- ミトタン(オペプリム):ミトタンの作用が減弱するおそれ
併用に注意すること
カリウム製剤・カリウム保持性利尿薬
アルダクトンにはカリウムの排泄を抑制する作用があるため、カリウム製剤やカリウム保持性利尿薬と併用すると高カリウム血症のリスクが高まります。
- カリウム製剤(スローケー、アスパラカリウムなど)
- トリアムテレン
ACE阻害薬・ARB・アリスキレン
レニン-アンジオテンシン系に作用する薬剤との併用では、高カリウム血症や腎機能障害のリスクが高まるおそれがあります。
- ACE阻害薬(エナラプリル、カプトプリルなど)
- ARB(ロサルタン、バルサルタンなど)
- アリスキレン(ラジレス)
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
NSAIDsはプロスタグランジンの産生を抑制し、アルダクトンの利尿作用と降圧効果を減弱させるおそれがあります。また、高カリウム血症のリスクも高まります。
- ロキソプロフェン(ロキソニン)、ジクロフェナク(ボルタレン)、イブプロフェンなど
リチウム製剤
利尿薬との併用によりリチウムの腎排泄が低下し、リチウム中毒を引き起こすおそれがあります。
- 炭酸リチウム(リーマス)
アルダクトンの注意事項
- 服用中は定期的な血液検査(カリウム値、腎機能)を受けてください
- カリウム含有の代替塩(減塩調味料等)は使用しないでください
- めまいやふらつきが現れることがあるため、車の運転には注意してください
- 腎機能が低下している方は、用量の調整が必要です
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方は服用を避けてください。スピロノラクトンには抗アンドロゲン作用があり、動物実験において胎児の雌性化が報告されています。やむを得ず使用する場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り、医師の厳重な管理のもとで使用する必要があります。
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
アルダクトンのよくある質問
アルダクトンは他の利尿薬とどう違いますか?
アルダクトンは「カリウム保持性利尿薬」に分類され、カリウムの排泄を抑制しながら利尿作用を発揮します。
チアジド系やループ利尿薬ではカリウムが失われやすく低カリウム血症を引き起こすことがありますが、アルダクトンではこのリスクが軽減されます。
女性型乳房の副作用は避けられますか?
女性型乳房(男性の乳房が膨らむ症状)はスピロノラクトンで最も特徴的な副作用であり、用量依存性があります。低用量(25〜50mg/日)で使用することでリスクを低減できる場合があります。
服用を中止すると通常は元に戻ります。この副作用が気になる場合は、医師にご相談ください。
カリウムを多く含む食品は控えたほうがよいですか?
アルダクトンはカリウムの排泄を抑制するため、カリウムを多く含む食品の過剰摂取には注意が必要です。バナナ、オレンジジュース、干しぶどう、じゃがいもなどが代表的です。
また、カリウムを含む代替塩(減塩調味料)の使用は避けてください。適度な食事は問題ありませんが、サプリメントなどでの追加摂取は控えてください。
いつ飲むのがよいですか?
食後に服用してください。食事と一緒に摂ることでスピロノラクトンの吸収が向上します。
また、利尿作用により夜間にトイレに起きるのを防ぐため、なるべく午前中に服用することが望ましいでしょう。
どのくらいの期間服用する必要がありますか?
服用期間は疾患や症状によって異なります。高血圧症や心不全の場合は、長期的な服用が必要になることがほとんどです。
自己判断で服用を中止せず、定期検査の結果をもとに医師が服用の継続・中止を判断します。
アルダクトンの口コミ・効果・感想(レビュー)
当サイトが独自に取材したアルダクトンの口コミ・効果・感想(レビュー)もございますので、こちらもぜひご覧ください。

アルダクトンに関連する添付文書等の参考資料
アルダクトンの有効成分(スピロノラクトン)に関する参考資料を以下に掲載します。