コンコール(高血圧・狭心症治療薬:ビソプロロール)
コンコール(Concor)は、心臓のβ1受容体を選択的にブロックする有効成分ビソプロロールフマル酸塩5mgを含有した、高血圧症・狭心症・不整脈の治療薬です。
1日1回の服用で約24時間にわたって安定した降圧効果が持続するため、毎日の服用管理がしやすい点が特徴といえます。日本国内では同一成分の先発品「メインテート」が広く使用されており、コンコールはMerck KGaAグループが海外で展開するオリジナルブランドとして知られています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
コンコールの概要
- 有効成分ビソプロロールフマル酸塩5mgを含有するβ1選択的遮断薬
- 本態性高血圧症(軽症〜中等症)、狭心症、心室性期外収縮、頻脈性心房細動に適応
- 心臓のβ1受容体に選択的に作用し、気管支など他の臓器への影響を抑えやすいのが特徴
- 1日1回の服用で約24時間効果が持続し、安定した血圧コントロールが期待できる
- 海外で広く使用されているオリジナルブランド(日本国内の先発品はメインテート)
コンコールの製造元はMerck KGaAグループです。Merck KGaAはドイツ・ダルムシュタットに本拠を置く世界的な科学技術企業であり、ヘルスケア・ライフサイエンス・エレクトロニクス分野で事業を展開しています。コンコールは同グループの医薬品ブランドとして世界各国で販売されています。
| 商品名 | コンコール(Concor) |
|---|---|
| 内容量 | 10錠 |
| 効果・効能 | ・本態性高血圧症(軽症〜中等症) ・狭心症 ・心室性期外収縮 ・頻脈性心房細動 |
| 有効成分 | ビソプロロールフマル酸塩 5mg |
| 副作用 | ・徐脈 ・めまい ・ふらつき ・倦怠感 ・低血圧 |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | メルク(Merck Limited) |
Atsuコンコールは、日本国内で広く使われている先発品「メインテート」と同じ有効成分「ビソプロロールフマル酸塩」を含む製品です。
同等の血圧降下作用や心拍数の調整効果が期待できます。
高血圧症は自覚症状が出にくい一方で、放置すると動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞などの重大な合併症につながるおそれがあります。
そのため、「血圧が下がったから」と自己判断で服用を中止せず、医師の指示どおり継続して服用を続けることが何より大切です。
コンコールはこんな方におすすめ
- 本態性高血圧症を安定的にコントロールしたい方
- 狭心症や不整脈(心室性期外収縮・頻脈性心房細動)の症状を改善したい方
- 頻脈(脈が速い)を伴う高血圧症で、心拍数も一緒に抑えたい方
- 1日1回の服用で長時間安定した効果を得たい方
コンコールの有効成分について
コンコールの有効成分はβ1選択的遮断薬に分類されるビソプロロールフマル酸塩です。この成分は、心臓に多く存在するβ1受容体に選択的に結合し、交感神経の興奮を伝えるノルアドレナリンの作用をブロックします。
交感神経が活発になると心臓の拍動が速くなり、送り出す血液量が増えることで血圧が上昇します。ビソプロロールフマル酸塩はこの仕組みに働きかけ、心拍数を穏やかにし、心臓から送り出される血液量を適度に抑えることで血圧を下げます。
β受容体にはβ1(心臓に多い)とβ2(気管支や血管に多い)の2種類があります。ビソプロロールフマル酸塩はβ1受容体に対する選択性が高いため、β2受容体を遮断した場合に起こりうる気管支の収縮や末梢血管の収縮といった影響を受けにくいのが特徴です。
服用後のバイオアベイラビリティは約90%と高く、血中半減期は約9〜12時間です。1日1回の服用で約24時間にわたって安定した降圧効果が持続するため、飲み忘れを防ぎやすく、日常生活の中で無理なく治療を続けやすい薬剤といえます。
Atsuビソプロロールフマル酸塩は、心臓のβ1受容体に選択的に結合して交感神経の興奮をブロックすることで、心臓の働きを穏やかにし、血圧の上昇を防ぎます。
β1選択性が高いため、従来の非選択的β遮断薬で問題となっていた気管支収縮への影響が抑えられている点も大きなメリットです。
また、なお、β遮断薬全般で勃起不全(ED)のリスクが報告されていますが、ビソプロロールはβ1選択性が高いことから、非選択的β遮断薬と比較するとその頻度は低い可能性が指摘されています。
ただし個人差があるため、気になる症状があれば医師にご相談ください。
コンコールの効果・効能
- 本態性高血圧症(軽症〜中等症)の血圧降下
- 狭心症の発作予防と症状改善
- 心室性期外収縮の抑制
- 頻脈性心房細動の心拍数コントロール
コンコールは心臓のβ1受容体を選択的にブロックすることで、心拍数を抑え、心臓から送り出される血液量を調整して血圧を下げます。国内先発品メインテートの承認時臨床試験では、本態性高血圧症(軽症〜中等症)に対して70%以上の改善率が報告されています。
狭心症に対しては、心臓の酸素需要を減らすことで発作の頻度を軽減させる効果が期待できます。また、心室性期外収縮や頻脈性心房細動といった不整脈に対しても、過剰な心臓の拍動を穏やかに抑えることで症状の改善に寄与します。
コンコールの服用方法・使用方法
| 1回の用量 | ビソプロロールフマル酸塩として5mg(1錠) |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用間隔 | 24時間 |
| 服用するタイミング | 毎日なるべく同じ時刻に服用(食前・食後は問わない) |
水またはぬるま湯で服用してください。頻脈性心房細動に用いる場合は、1日1回2.5mgから服用を開始し、効果が不十分な場合に1日5mgまで増量できます。年齢や症状に応じて適宜増減されますので、医師の指示に従ってください。
服用上の注意
- 服用を急にやめると症状が悪化するおそれがあるため、自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください
- 服用のはじめにめまいやふらつきが現れることがあるため、自動車の運転や危険を伴う作業は注意してください
- 万が一飲み忘れた場合は、気づいた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用時刻が近い場合は飲み忘れた分を飛ばし、2回分を一度に服用しないでください
Atsuコンコールは1日1回の服用で24時間効果が続くため、毎日同じ時刻に服用する習慣をつけると血圧を安定して保ちやすくなります。
食事の影響はほとんど受けないため、朝食後・夕食後など生活リズムに合わせやすいタイミングで構いません。
特に注意していただきたいのは、服用を急にやめないことです。
β遮断薬を突然中止すると、反動で心拍数や血圧が急上昇する「リバウンド現象」が起こることがあります。
減量や中止を検討する場合は、必ず医師の指導のもとで徐々に量を減らしてください。
降圧薬治療におけるコンコールの位置づけ
高血圧症の治療では、血圧の上昇度や合併症の有無によって適した降圧薬を選ぶ必要があります。主要な降圧薬にはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬の5種類があり、それぞれ作用機序が異なります。
コンコールのようなβ遮断薬は、心臓のβ1受容体に作用して心拍数や心拍出量を抑える働きがあります。そのため、頻脈を伴う高血圧症や、狭心症・不整脈を合併している方には積極的に選択される傾向にあります。
また、コンコールはβ1選択性が高いため、非選択的なβ遮断薬と比べて気管支収縮や末梢血管の収縮といった影響を起こしにくくなっています。こうした特性から、心疾患を合併する高血圧症の方にとって、有力な選択肢の一つといえるでしょう。
コンコールの警告・禁忌・副作用
警告
- 慢性心不全の方が服用する場合は、慢性心不全治療の経験が十分にある医師のもとで開始してください
- 慢性心不全の治療開始時や増量時に症状が一時的に悪化するおそれがあります
禁忌(服用できない方)
- 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II度・III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある方
- 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある方
- 心原性ショックの状態にある方
- 肺高血圧による右心不全のある方
- 強心薬または血管拡張薬の点滴が必要な心不全の方
- 非代償性の心不全の方
- 重度の末梢循環障害(壊疽など)のある方
- 未治療の褐色細胞腫の方
- 妊娠中または妊娠の可能性のある方
- ビソプロロールフマル酸塩に対してアレルギーの既往がある方
副作用
コンコールの服用により、以下の副作用が報告されています。
発症頻度0.1〜5%未満の副作用
比較的起こりやすい副作用として、心血管系の症状や全身の症状があります。
| 関係部位 | 症状 |
|---|---|
| 心血管系 | 徐脈、心胸比増大、房室ブロック、低血圧 |
| 精神神経系 | 頭痛・頭重感、めまい、ふらつき |
| 肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇 |
| その他 | 倦怠感、浮腫 |
発症頻度0.1%未満の副作用
まれに以下のような副作用が現れることがあります。
| 関係部位 | 症状 |
|---|---|
| 心血管系 | 動悸、心房細動、心室性期外収縮、胸痛 |
| 精神神経系 | 立ちくらみ、眠気、不眠、悪夢 |
| 消化器 | 悪心、嘔吐、胃部不快感、食欲不振、下痢 |
| 呼吸器 | 呼吸困難、気管支痙攣 |
| 皮膚 | 発疹、皮膚のかゆみ |
| その他 | 脱力感、疲労感、四肢の冷え、しびれ感 |
ほとんどの場合は軽い症状で終わり、服用を続けるうちに自然に治まることが多いです。ただし、強い徐脈(脈拍が異常に遅くなる)やめまいが続く場合は、速やかに医師に相談してください。
Atsuコンコールの主な副作用であるめまいやふらつきは、血圧の低下や心拍数の抑制に伴って一時的に生じるものです。
服用を始めたばかりの時期に現れやすく、体が慣れてくると自然に落ち着くケースがほとんどです。
もし「脈拍が1分間に50回を下回る」「立ち上がったときにひどいめまいがする」といった症状が続く場合は、用量の調整が必要な可能性があります。
コンコールの他の薬との相互作用
コンコールは以下の薬剤と併用する際に注意が必要です。併用している薬がある場合は、服用前に必ず確認してください。
併用に注意すること
交感神経抑制薬(レセルピンなど)
レセルピンなどの交感神経を抑制する薬と併用すると、コンコールの作用が強まりすぎて過度な血圧低下や徐脈を引き起こすおそれがあります。
- 併用中は定期的に血圧と脈拍を確認してください
- めまいやふらつきが強くなった場合は早めに医師に相談してください
カルシウム拮抗薬(ベラパミル、ジルチアゼムなど)
心臓の刺激伝導系に作用するカルシウム拮抗薬と併用すると、徐脈や房室ブロックなどの心臓への影響が強まることがあります。
- 心電図検査で異常が指摘されていないか確認してください
- 動悸や脈の乱れを感じた場合は速やかに医師に相談してください
血糖降下薬(インスリン、トルブタミドなど)
β遮断薬は低血糖時の頻脈(動悸)などの初期症状を隠してしまうことがあるため、低血糖に気づきにくくなるおそれがあります。
- 糖尿病の治療中の方は血糖値のモニタリングをこまめに行ってください
- 冷汗や手の震えなど、低血糖のサインに十分注意してください
クラスI・クラスIII抗不整脈薬
抗不整脈薬との併用により、心臓の刺激伝導を過度に抑制し、不整脈や徐脈が悪化するおそれがあります。
- リン酸ジソピラミド、プロカインアミド、アミオダロンなどとの併用には十分注意してください
- 不整脈の治療薬を併用している場合は、医師に必ず申告してください
非ステロイド性抗炎症薬(インドメタシンなど)
NSAIDs(痛み止め)との併用により、コンコールの降圧効果が弱まることがあります。
- 市販の鎮痛薬を常用している場合は医師に相談してください
- 血圧が十分にコントロールできていないと感じた場合は受診してください
コンコールの注意事項
- コンコールは医師の処方に基づいて使用する医薬品です。用量や服用期間は自己判断で変更しないでください
- 手術(全身麻酔)を受ける予定がある場合は、事前にコンコールを服用していることを医師に伝えてください
- 甲状腺機能亢進症の方は、コンコールの服用により甲状腺中毒症の症状がマスクされることがあります
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
コンコールのよくある質問
コンコールとメインテートの違いは何ですか?
有効成分は同じビソプロロールフマル酸塩で、効果に違いはありません。メインテートは日本国内の先発品として田辺ファーマが製造販売しており、コンコールはドイツのMerck KGaAグループが海外で展開するオリジナルブランドです。
どちらも1日1回の服用で24時間効果が持続し、本態性高血圧症・狭心症・不整脈に対して同等の効果が期待できます。
コンコールはいつ飲むのが効果的ですか?
毎日同じ時刻に服用することが最も大切です。食事の影響をほとんど受けないため、朝食後・夕食後など生活リズムに合わせやすいタイミングで構いません。
ただし、飲み忘れを防ぐために毎日決まった時間に服用する習慣をつけることをおすすめします。
コンコールを飲み忘れたときはどうすればいいですか?
気づいた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用時刻が近い場合は飲み忘れた分を飛ばしてください。
2回分を一度に服用すると過度な血圧低下や徐脈を引き起こすおそれがあるため、絶対に2回分をまとめて飲まないでください。
コンコールの服用を自分の判断でやめてもいいですか?
自己判断で急に服用を中止しないでください。β遮断薬を突然やめると、反動で心拍数や血圧が急上昇する「リバウンド現象」が起こることがあります。
減量や中止を検討する場合は、必ず医師の指導のもとで徐々に量を減らしてください。症状が安定しているように感じても、自己判断での中止は避けてください。