オルメトール(高血圧症治療薬:オルメテック ジェネリック)
オルメトールは、高血圧症治療薬として広く処方されている「オルメテック」のジェネリック医薬品です。「高親和性AT1受容体ブロッカー」と呼ばれ、血圧を上げる物質の受容体に強力に結合し続けるため、特に早朝の血圧上昇(モーニングサージ)を抑える力が強いのが特徴です。有効成分オルメサルタン メドキソミル20mgを含有し、1日1回の服用で約24時間安定した降圧効果を発揮します。
先発薬と同じ有効成分を含んでいるため、同等の降圧効果が期待できます。ジェネリック医薬品のため費用負担を抑えやすく、長期にわたる高血圧症治療を続けていく上で経済的なメリットも大きい選択肢です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Yuu総合病院で院内薬剤師として勤務し、糖尿病病棟の担当や患者さん向けの講座開催を経験しました。その後は調剤薬局にて在宅訪問や無菌調剤にも携わり、幅広い現場での知識と実践を積んでいます。
また、食と健康のつながりを深めるため薬膳アドバイザーの資格も取得しています。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
オルメトールの概要
- 先発薬オルメテックと同じ有効成分オルメサルタン メドキソミルを含むARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
- 1日1回の服用で約24時間安定した降圧効果が持続
- 先発薬の臨床試験で本態性高血圧症に対し84.7%の有効性が確認されている
- 食事の影響を受けにくく、服用タイミングを調整しやすい
- ACE阻害薬で出やすい空咳の副作用が起こりにくい
オルメトールの製造元はトレントファーマシューティカルズ(Torrent Pharmaceuticals)です。1959年にインドで創業し、世界40カ国以上に医薬品を供給する大手製薬企業として、高品質なジェネリック医薬品の製造で信頼を得ています。
| 商品名 | オルメトール(OLMETOR) |
|---|---|
| 内容量 | 15錠 |
| 効果・効能 | 高血圧症 |
| 有効成分 | オルメサルタン メドキソミル 20mg |
| 副作用 | ・めまい、立ちくらみ ・頭痛 ・発疹 ・肝機能検査値の上昇 ・下痢 |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | トレントファーマシューティカルズ(Torrent Pharmaceuticals) |
オルメトールはこんな方におすすめ
- 健康診断などで高血圧を指摘された方
- 先発薬オルメテックの代わりとなる経済的な降圧薬を探している方
- 1日1回の服用で血圧管理を続けたい方
- ACE阻害薬の空咳が気になり、別の降圧薬に切り替えたい方
- 食事の時間を気にせず服用できる降圧薬を求めている方
Yuu高血圧症は自覚症状が出にくい一方で、長い時間をかけて少しずつ血管に負担をかけてしまう可能性があります。そのため、治療を継続し、日々の血圧を安定した状態に保つことが大切です。
オルメトールは、先発薬オルメテックと同等の降圧効果が期待でき、費用面での負担を抑えられる点が大きなメリットです。
お薬代の負担を抑えることは、無理なく治療を続けていくための要素になります。そのため、「まず試してみたい」という方や、すでにオルメテックを服用していてコストを抑えたい方にとって有力な選択肢といえます。
オルメトールの有効成分について
オルメトールの有効成分はARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)に分類される「オルメサルタン メドキソミル」です。服用後、体内で「オルメサルタン」という活性体に形を変えることで効果を発揮します。
血圧を下げる仕組みには、大きく分けて2つのアプローチがあります。
1. 血管の収縮を抑えて広げる作用
オルメサルタンは、血圧を上げる物質(アンジオテンシンII)が、血管にある「AT1受容体」という鍵穴に結合するのを選択的にブロックします。
本来、アンジオテンシンIIがこの受容体に結合すると血管が収縮し、血圧が上がります。オルメサルタンが結合を妨げることで血管の収縮が抑えられ、血圧が穏やかに下がる仕組みです。
2. 余分な水分と塩分を排泄する作用
アンジオテンシンIIには副腎に働きかけて、「アルドステロン」というホルモンの分泌を促す作用もあります。アルドステロンは体内に水分と塩分を溜め込む性質があり、これにより血液量が増えて血圧が上昇します。
オルメサルタンはこの経路もブロックすることで、腎臓からの過剰な水分・塩分の排泄を促進します。血管内を流れる血液の量そのものを適正化することで、より安定した降圧効果が期待できます。
YuuARBは、従来のACE阻害薬と比較して「空咳(からせき)」の副作用が起こりにくいのが特徴です。
ACE阻害薬は降圧効果を発揮する過程で、「ブラジキニン」という物質の分解を妨げて蓄積させ、これが喉や気道を刺激して咳を誘発します。一方、オルメトールのようなARBはブラジキニンの分解に関与しないため、このような咳が起こりにくい仕組みとなっています。
そのため、ACE阻害薬で空咳に悩まされていた方にとって、オルメトールのようなARBは切り替え先として適した選択肢です。
オルメトールの効果・効能
オルメトールは高血圧症の治療に用いられます。先発薬オルメテックの臨床試験では、本態性高血圧症に対し、430名を対象とした評価で84.7%の有効性が確認されています。
1日1回の服用で約24時間にわたって降圧効果が持続するため、24時間を通じた安定した血圧コントロールが期待できます。特に早朝の血圧上昇(モーニングサージ)に対しても効果が持続しやすい点が特徴です。
また、オルメサルタンには血管や臓器に対する保護作用も報告されています。単に血圧を下げるだけでなく、高血圧によって引き起こされる臓器障害のリスク軽減にもつながる可能性があります。
オルメトールの服用方法・使用方法
オルメトールは水またはぬるま湯で服用してください。食事の影響を受けにくいため、食前・食後いずれの服用も可能ですが、毎日決まった時間に服用することが大切です。
| 1回の用量 | 通常、成人にはオルメサルタン メドキソミルとして10~20mg(オルメトール20mg錠の場合:1/2錠~1錠) |
|---|---|
| 服用開始時 | 初めて服用する場合は、5~10mg(1/4錠~1/2錠)から開始することが推奨されます |
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 最大用量 | 効果が不十分な場合は、1日最大40mg(2錠)まで増量可能 |
| 服用のタイミング | 1日1回、毎日なるべく同じ時間帯に服用 |
| 食事の影響 | 食事による影響は少ないとされています |
降圧効果は服用開始後1~2週間で現れ始め、通常4~8週間で安定した効果が得られるとされています。効果を実感できるまで時間がかかる場合がありますが、自己判断で服用を中止しないでください。
Yuu高血圧症の治療では、毎日同じ時間帯に服用することが安定した血圧コントロールにつながります。
飲み忘れを防ぐためには、朝食後や就寝前など生活リズムに合わせた時間を決めておくとよいでしょう。
もし飲み忘れた場合は、気づいた時点で1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は飲み忘れた分を服用せず、次の通常の時間に1回分を服用してください。2回分を一度に服用することは避けてください。
オルメトールの警告・禁忌・副作用
警告
- オルメトールを含むアンジオテンシンII受容体拮抗薬の服用により、まれに重篤な肝機能障害が報告されています。服用中は定期的に肝機能検査を受けることが推奨されます。
- 手術前24時間は、麻酔や手術による過度の血圧低下を避けるため、可能な限りオルメトールの服用を控えてください。
- 降圧作用により、めまいやふらつきが現れることがあります。自動車の運転や危険を伴う機械の操作を行う際は十分に注意してください。
禁忌
以下に該当する方はオルメトールを服用できません。
- 本剤の成分(オルメサルタン メドキソミル)に対し過敏症の既往歴のある方
- 妊婦または妊娠している可能性のある方
- アリスキレンフマル酸塩(ラジレス等)を服用中の糖尿病の方(ただし、他の降圧治療で血圧コントロールが極めて不十分な場合を除く)
慎重投与
以下に該当する方は、オルメトールの使用前に必ず医師に相談してください。
- 両側の腎動脈に狭窄がある方、または片方の腎臓で腎動脈に狭窄がある方
- 高カリウム血症の方
- 重い腎機能障害のある方
- 肝機能障害のある方
- 脳血管に障害のある方
- 厳しい減塩療法を行っている方
- 授乳中の方
- 高齢の方(一般に生理機能が低下しているため)
副作用
オルメトールの服用により、以下のような副作用が現れる可能性があります。ほとんどの場合は軽い症状で、体が薬に慣れるにつれて自然に軽減していくことが多いです。
| 発症頻度 | 主な症状 |
|---|---|
| 1~5%未満 | ・めまい、立ちくらみ、ふらつき感 ・肝機能検査値の上昇(ALT、AST、γ-GTP等) ・BUN上昇 ・CK上昇、血清カリウム上昇 |
| 1%未満 | ・頭痛、眠気 ・発疹 ・軟便 ・全身倦怠感 |
| 頻度不明 | ・下痢、吐き気、口渇、腹痛 ・動悸、ほてり ・浮腫 ・筋肉痛、しびれ |
気になる症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
重篤な副作用
以下の重篤な副作用はいずれも頻度不明ですが、初期症状に注意し、異常が認められた場合は直ちに服用を中止して医師の診察を受けてください。
- 血管浮腫(顔面、唇、舌、のどの腫れ)
- 腎不全
- 高カリウム血症
- ショック、失神、意識消失
- 肝機能障害、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 横紋筋融解症(激しい筋肉痛、脱力感、茶褐色の尿)
- 低血糖
- 間質性肺炎
- アナフィラキシー
Yuuオルメトールの副作用として最も多くみられるのは、めまいや立ちくらみです。
これは降圧作用によるもので、特に服用を始めた直後や用量を増やした時に現れやすい傾向があります。ほとんどの場合は一時的なもので、体が薬に慣れるにつれて自然に治まることが多いです。
急に立ち上がるとふらつきが強くなることがあるため、ゆっくり立ち上がるように心がけてください。
また、オルメサルタン特有の稀な副作用として、服用開始後しばらくしてから現れる「慢性的で激しい下痢」があります。
もしオルメトールを服用中に、単なる食あたりとは思えないような下痢が続き、体重が減るようなことがあれば、速やかに医師・薬剤師に相談してください。
オルメトールの他の薬との相互作用
併用しないこと
アリスキレンフマル酸塩(ラジレス等)
糖尿病の方がオルメトールとアリスキレンを併用すると、腎機能障害、高カリウム血症、低血圧のリスクが高まります。ただし、他の降圧治療で血圧コントロールが極めて不十分な場合は、この限りではありません。
- アリスキレンを服用中の方は、必ず医師に相談してください
- 自己判断で併用を開始しないでください
併用に注意すること
カリウム保持性利尿剤・カリウム補給剤
スピロノラクトンやトリアムテレンなどのカリウム保持性利尿剤、塩化カリウムなどのカリウム補給剤との併用により、高カリウム血症のリスクが高まります。
- 併用する場合は、定期的に血清カリウム値の検査を受けてください
利尿降圧剤
フロセミドやトリクロルメチアジドなどの利尿降圧剤と併用すると、過度に血圧が下がる可能性があります。利尿剤を服用中の方がオルメトールを開始する場合は、少量から始める必要があります。
- めまいやふらつきが強くなった場合は医師に相談してください
リチウム製剤(炭酸リチウム)
リチウム製剤との併用により、リチウム中毒のリスクが高まる可能性があります。
- 併用する場合は、血中リチウム濃度の定期的な測定が推奨されます
ACE阻害剤
ACE阻害剤との併用により、腎機能障害、高カリウム血症、低血圧のリスクが高まる可能性があります。
- ACE阻害剤を服用中の方は、オルメトールの併用について医師に確認してください
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDsとの併用により、降圧効果が弱まることがあります。また、腎機能が悪化する可能性もあるため注意が必要です。
- 鎮痛剤を定期的に使用している方は、医師に相談してください
オルメトールの注意事項
- オルメトールは高血圧症を根本的に治す薬ではなく、血圧をコントロールするための薬です。自己判断で服用を中止すると血圧が急上昇する恐れがあります。
- 服用中は定期的に血圧を測定し、血圧の変化を記録してください。
- 高温多湿や直射日光を避け、涼しい場所で保管してください。
- お子様やペットの手の届かない安全な場所で保管してください。
- 使用期限を過ぎたオルメトールは服用せず、適切に廃棄してください。
オルメトールのよくある質問
オルメトールとオルメテックの違いは何ですか?
オルメトールは、先発薬オルメテック(第一三共)と同じ有効成分オルメサルタン メドキソミルを含むジェネリック医薬品です。有効成分が同一のため、同等の降圧効果が期待できます。トレントファーマシューティカルズ社が製造しており、先発薬と比べて費用を抑えられる点がメリットです。
オルメトールはどのくらいで効果が現れますか?
降圧効果は服用開始後1~2週間で現れ始め、通常4~8週間で安定した効果が得られるとされています。1日1回の服用で約24時間降圧効果が持続するため、毎日決まった時間に服用を続けることが大切です。
オルメトールは食事に関係なく服用できますか?
オルメトールは食事の影響を受けにくいため、食前・食後どちらでも服用可能です。ただし、毎日同じ時間帯に服用することが安定した血圧コントロールのために大切です。ご自身の生活リズムに合った時間帯を決めて服用を続けてください。
オルメトールを飲み忘れた場合はどうすればよいですか?
飲み忘れに気づいた時点で1回分を速やかに服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は飲み忘れた分は服用せず、次の通常の時間に1回分を服用してください。2回分をまとめて服用すると血圧が過度に下がる恐れがあるため、避けてください。
血圧が下がったらオルメトールの服用をやめてもよいですか?
自己判断で服用を中止しないでください。オルメトールは高血圧症を根本的に治す薬ではなく、服用を中止すると血圧が再び上昇します。血圧が安定してきた場合でも、用量の調整や中止については医療機関に相談してから判断してください。