ゾクラー(抗生物質:クラリス ジェネリック)
ゾクラーは、クラミジアや呼吸器感染症をはじめとする幅広い感染症に用いられるマクロライド系抗生物質「クラリス」のジェネリック医薬品です。有効成分クラリスロマイシンは従来のマクロライド系に比べて胃酸に対する安定性が高く、体内の組織へ効率よく届くことで、1日2回の服用で安定した効果が期待できます。
先発薬クラリスと同じ有効成分のため同等の効果が期待できますが、ジェネリック医薬品のため費用を抑えることが可能です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Yuu総合病院で院内薬剤師として勤務し、糖尿病病棟の担当や患者さん向けの講座開催を経験しました。その後は調剤薬局にて在宅訪問や無菌調剤にも携わり、幅広い現場での知識と実践を積んでいます。
また、食と健康のつながりを深めるため薬膳アドバイザーの資格も取得しています。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
ゾクラーの概要
- クラミジア・呼吸器感染症・皮膚感染症など、幅広い感染症に効果が期待できるマクロライド系抗生物質です
- 有効成分クラリスロマイシン(Clarithromycin)含有の先発薬クラリスのジェネリック医薬品
- 1日2回の服用で安定した抗菌効果が得られ、組織への移行性にも優れています
- ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法にも用いられています
ゾクラーの製造元はシプラ(Cipla Ltd.)です。インドのムンバイに本社を置く大手製薬企業で、WHO認定の製造施設を保有し、170カ国以上に医薬品を供給するグローバル企業として高い信頼を得ています。
| 商品名 | ゾクラー(Zoclar) |
|---|---|
| 内容量 | 250mg:4錠 500mg:4錠 |
| 効果・効能 | ・呼吸器感染症 ・皮膚感染症 ・性器クラミジア感染症 ・ヘリコバクター・ピロリ感染症 ・歯科感染症 |
| 有効成分 | クラリスロマイシン(Clarithromycin) |
| 副作用 | ・腹痛 ・下痢 ・嘔吐 ・味覚異常 |
| 形状・剤形 | 錠剤 |
| ブランド | シプラ(Cipla Ltd.) |
Yuuゾクラーは食事の影響をほとんど受けないお薬であるため、添付文書上で厳格な「食後」の指定はありません。
しかし、マクロライド系抗生物質は胃腸への刺激が比較的強めに出るという特徴があります。
もし胃が弱い方や、過去に抗生物質を飲んで胃もたれをした経験がある方は、なるべく食後30分以内に服用することで胃への負担を和らげましょう。
ゾクラーはこんな方におすすめ
- クラミジアなどの性感染症の治療を行いたい方
- 咽頭炎や気管支炎などの呼吸器感染症を治療したい方
- ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌を検討している方
- ペニシリン系抗生物質にアレルギーがある方
- ジェネリック医薬品で治療費を抑えたい方
Yuuゾクラーは細菌のタンパク質合成を阻害して増殖を抑える「マクロライド系」という種類の薬です。
ペニシリン系抗生物質とは作用のしくみが全く異なるため、ペニシリンアレルギーの方にとっても有用な選択肢となります。
感染症の治療において大切なのは、服用を中断せず決められた期間を飲みきることです。
途中でやめてしまうと、生き残った菌が薬への抵抗力を持つ「耐性菌」に変化する恐れがあります。
ゾクラーの有効成分について
ゾクラーの有効成分はクラリスロマイシン(Clarithromycin)です。クラリスロマイシンはマクロライド系抗生物質に分類される成分で、細菌のたんぱく質合成を阻害することで増殖を抑えます。
細菌が増殖するためにはたんぱく質の合成が欠かせません。クラリスロマイシンは細菌のリボソーム(たんぱく質を作る器官)の50Sサブユニットに結合し、たんぱく質の合成を妨げることで菌の増殖を抑制します。
さらに、クラリスロマイシンは従来のマクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)を改良した「ニューマクロライド」に分類されます。胃酸に対する安定性が大幅に向上しており、体内での吸収効率が高いのが特徴です。
また、組織移行性に優れているため、呼吸器・皮膚・歯周組織など感染部位に有効成分が届きやすく、幅広い感染症に対して効果が期待できます。
Yuuクラリスロマイシンは「静菌的」に作用する抗生物質です。
つまり、菌を直接殺すのではなく増殖を止めることで、体の免疫機能が感染を退治するのを助けるイメージです。
こうした特性から、一般的に副作用は比較的穏やかで、ペニシリン系にアレルギーがある方の代替薬としても広く使われています。
ゾクラーの効果・効能
ゾクラーは以下の感染症に効果を発揮します。
- 性器クラミジア感染症(尿道炎、子宮頸管炎)
- 呼吸器感染症(咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎)
- 皮膚感染症(表在性・深在性皮膚感染症、慢性膿皮症)
- 歯科感染症(歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎)
- 耳鼻科感染症(中耳炎、副鼻腔炎)
- ヘリコバクター・ピロリ感染症(胃潰瘍・十二指腸潰瘍の除菌療法)
クラリスロマイシンはグラム陽性菌やマイコプラズマ、クラミジアなど幅広い菌種に対して抗菌活性を示します。特にクラミジア感染症では、7日間の継続服用で高い治療効果が期待できます。
また、アモキシシリンやプロトンポンプ阻害薬と併用することで、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌にも用いられています。ピロリ菌除菌は胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発を防ぐために行われる治療法です。
ゾクラーの服用方法・使用方法
| 錠剤 | 有効成分 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 250mg錠 | 200mg | 一般感染症・クラミジア・ピロリ除菌 |
| 500mg錠 | 400mg | 重症感染症・非結核性抗酸菌症 |
疾患別服用方法
| 疾患 | 1回量 | 1日量 | 服用回数 | 期間 |
|---|---|---|---|---|
| 一般感染症 | 250mg錠 1錠(200mg) | 400mg | 朝晩2回 | 5〜14日間 |
| クラミジア感染症 | 250mg錠 1錠(200mg) | 400mg | 朝晩2回 | 7日間 |
| ピロリ菌除菌 | 250mg錠 4/5錠(200mg) | 400mg | 朝晩2回 | 7日間(プロトンポンプ阻害薬+アモキシシリン併用) |
| 非結核性抗酸菌症 | 500mg錠 1錠(400mg) | 800mg | 朝晩2回 | 医師の指示通り |
使用上の注意
- 食前・食後を問わず服用可能です
- 12時間間隔(例:朝7時・夜7時)で時間を固定して服用するのが理想的です
- 水またはぬるま湯で服用してください
- 万が一飲み忘れた場合は、気づいた時点で速やかに服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は1回分を飛ばし、次の時間に通常どおり服用してください
- 2回分を一度に服用しないでください
Yuuゾクラーの有効成分であるクラリスロマイシンは、非常に強い苦味を持つ成分です。
そのため、錠剤には苦味を感じさせないよう特殊なコーティングが施されています。
もし錠剤を噛み砕いたり、割って服用したりすると、コーティングが壊れて苦味を感じるだけでなく、薬の吸収バランスが崩れる可能性もあります。
また、酸性の強い飲み物(オレンジジュースやスポーツドリンクなど)で服用すると、口の中でコーティングが早く溶け出し、後から苦味が強く残ることがあります。
服用する際は、必ず「水またはぬるま湯」で、噛まずに速やかに飲み込みましょう。
ゾクラーの警告・禁忌・副作用
警告
- 耐性菌の発現を防ぐため、感染症の治療上必要な最小限の期間のみ服用してください
- 服用中に激しい腹痛や水のような下痢が続く場合は、偽膜性大腸炎の可能性があるため速やかに医療機関を受診してください
- 心疾患のある方や低カリウム血症の方は、QT延長(心臓のリズム異常)のリスクがあるため注意が必要です
禁忌
以下に該当する方はゾクラーを服用しないでください。
- クラリスロマイシンまたはマクロライド系抗生物質に対して過敏症の既往がある方
- 後述の併用禁忌薬(ピモジド、エルゴタミン含有製剤、スボレキサント等)を服用中の方
- 肝臓または腎臓に障害があり、コルヒチンを服用中の方
- QT延長症候群の既往歴がある方
- 重篤な不整脈のある方
副作用
クラリスロマイシンの服用により、以下の副作用が現れることがあります。
- 腹痛・下痢などの消化器症状
- 嘔吐・胃部不快感
- 味覚の変化(口の中が苦く感じる等)
- 発疹
- 肝機能検査値の上昇
これらの副作用は多くの場合一時的なもので、服用を終えると自然に改善する傾向にあります。
重篤な副作用
- 血液障害(血小板減少、汎血球減少、白血球減少):あざができやすい、出血が止まりにくい等の症状が出た場合は速やかに受診してください
- 偽膜性大腸炎:激しい腹痛や水様性の下痢が続く場合は、直ちに服用を中止して医療機関を受診してください
- 肝機能障害:倦怠感や食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)等の症状が出た場合は服用を中止してください
Yuuクラリスロマイシンで最も多い副作用は、腹痛や下痢といった消化器症状です。
これは有効成分が腸内の善玉菌にも影響を与えるために起こるもので、ほとんどの場合は軽い症状で終わり、服用を終えると自然に改善します。
副作用の「味覚異常」は主に服用中、口の中に金属のような苦味を感じる症状を指します。
有効成分が体内に吸収された後、唾液とともに口内へわずかに分泌されるために起こる一時的な変化ですので、過度に心配する必要はありません。
ただし、激しい下痢が長く続く場合や、皮膚や白目が黄色くなるような症状が出た場合は、直ちに服用を中止して医療機関を受診してください。
ゾクラーの他の薬との相互作用
併用しないこと
クラリスロマイシンは肝臓のCYP3A4という酵素を強く阻害します。そのため、CYP3A4で代謝される薬を併用すると血中濃度が過度に上昇し、重篤な副作用が生じるおそれがあります。以下の薬との併用は禁止されています。
- ベルソムラ(スボレキサント)
- クービビック(ダリドレキサント)
- ボルズィ(ボルノレキサント)
- ラツーダ(ルラシドン)
- オーラップ(ピモジド)
- アドシルカ(タダラフィル) ※肺動脈性肺高血圧症に用いる場合
- コララン(イバブラジン)
- ブリリンタ(チカグレロル)
- カムザイオス(マバカムテン)
- ケレンディア(フィネレノン)
- クリアミン等(エルゴタミン含有製剤)
- ジヒドロエルゴタミン
- ジャクスタピッド(ロミタピド)
- エドルミズ(アナモレリン)
- クレセンバ(イサブコナゾニウム)
- ルプキネス(ボクロスポリン)
- イムブルビカ(イブルチニブ)
- ベネクレクスタ(ベネトクラクス) ※治療の開始時期(用量漸増期)のみ禁忌
コルヒチン(痛風治療薬)を服用中の方
腎機能や肝機能に障害がある方がコルヒチンを服用している場合、ゾクラーとの併用は禁忌です。重篤な中毒症状(汎血球減少など)を引き起こす恐れがあります。
併用に注意すること
血糖降下薬(グリベンクラミド、グリメピリド等)
血糖値が下がりすぎ、意識障害を伴う「低血糖」を起こすリスクがあります。
スタチン系薬剤(アトルバスタチン、シンバスタチン等)
血中濃度が上がり、筋肉が壊れる「横紋筋融解症」のリスクが高まります。
ジゴキシン
吐き気や不整脈などの中毒症状が出やすくなります。
ワルファリン、エリキュース、イグザレルト、プラザキサ等
血液をサラサラにする効果が強まりすぎ、出血のリスクが高まります。
テオフィリン、アミノフィリン
動悸やけいれん、吐き気が現れることがあります。
テグレトール(カルバマゼピン)
めまい、ふらつき、眠気が強く出やすくなります。
セロクエル、エビリファイ、ロナセン等
抗精神病薬の作用が強く出すぎる可能性があります。
シアリス、ザルティア(タダラフィル)
勃起不全や前立腺肥大症の治療用として使用する場合も、血中濃度の上昇に注意が必要です。
鎮痛剤(オキシコドン、フェンタニル)
麻薬性鎮痛薬の作用(呼吸抑制など)が強まる恐れがあります。
ゾクラーの注意事項
- 症状が改善しても、決められた服用期間は最後まで飲みきってください。途中で中止すると耐性菌が生じるリスクがあります
- 他の抗生物質やサプリメントを服用中の場合は、飲み合わせの問題がないか事前に確認してください
- 妊娠中・授乳中の方は、服用前に医師に相談してください
- 直射日光や高温多湿を避け、室温で保管してください
- 使用期限を過ぎた薬は服用しないでください
ゾクラーのよくある質問
クラミジアの治療にゾクラーはどのくらい服用すればよいですか?
クラミジア感染症の場合は、1回250mgを1日2回、7日間の服用が目安とされています。
ただし、症状や感染の程度によって服用期間が異なることがあるため、具体的な日数は医師の指示に従ってください。自己判断で途中でやめると菌が残り、再発や耐性菌発生のリスクが高まります。
ゾクラーとクラリス(先発薬)の違いはありますか?
ゾクラーはクラリスと同じ有効成分クラリスロマイシンを含有するジェネリック医薬品です。先発薬と同じ成分のため、同等の効果が期待できます。
ジェネリック医薬品として先発薬よりも費用を抑えられるのが大きなメリットです。製造元のシプラはWHO認定の製造施設を持つ大手製薬企業であり、品質面でも信頼性があります。
ゾクラーはピロリ菌の除菌にも使えますか?
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法にも使用されています。ピロリ菌の除菌では、ゾクラーをアモキシシリンおよびプロトンポンプ阻害薬と組み合わせて7日間服用するのが一般的です。
除菌により胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発を防ぐ効果が期待できます。除菌療法を行う際は、3種類の薬を決められた用量で7日間きちんと飲みきることが大切です。
ゾクラーの服用中にお酒を飲んでも大丈夫ですか?
ゾクラーの服用中は飲酒を控えることが望ましいです。アルコールはクラリスロマイシンの代謝に影響を及ぼす可能性があり、消化器系の副作用(胃腸障害)や肝臓への負担が強まることがあります。
ゾクラーを飲み忘れた場合はどうすればよいですか?
気づいた時点で速やかに服用してください。ただし、次の服用時間まで間隔が短い場合は、1回分を服用せずに次のいつも通りのスケジュールで服用してください。
2回分を一度にまとめて飲まないように注意してください。抗生物質は一定の間隔で服用することで血中濃度が安定し、十分な効果が得られます。